ホーム > リンク集 > 藤里森林生態系保全センター > 白神山地森の不思議 > 白神山地の面白い生態(4)
雪と闘うブナの根
根曲がりの木はよく見かけます。これは、斜面下に引きずられ続けては、その都度持ち直して何とか立ち上がってきたというそんなブナの姿です。
(八峰町ブナの森林公園)
巻き根
根の一部が、自身の根株に巻き付いている状態です。このようなものを巻き根と言います。上から被さった方の根が幹全体を覆ったりすると樹勢が衰える原因となることもあります。
(二ツ森にて)
ラムズホーン
ブナの幹の半分近くが損傷して、中の木部には腐朽が入っている状態。しかし、樹体全体としては、立派に立つだけの余力を残しており、樹液流動は活発に行われているようです。むしろ両端の形成層部分が活発に腐朽部を巻き込んでいる状態となっています。このような樹木の横断面を切断したとすると、丁度羊の角のように見えます。そのような形をラムズホーンと言います。
(田苗代湿原途中の歩道沿い)
ブナの春紅葉
写真は、秋の紅葉ではない。ブナの赤銅色の新葉である。このように色づいたものを春紅葉といいます。
(二ツ森歩道)
アオモリヒバ天狗巣病
天狗巣病という病気に罹り、葉が異常に変形、多くが枝分かれ分岐したものです。天狗巣病はこのシリーズで、チシマザサの場合を載せたことがありますが同様の病害です。いずれも伝染性で、この樹の周囲の樹も多数発病していました。病原菌は「Caeomadeformans」
(白神岳登山道沿い)
抱き合うブナ
同じ株から立ち上がったブナが成長とともに接触し、ついには隣同士が抱き合った状態となったものです。両方の株がこすれあううちに、樹皮や木部まで損傷したものと思われますが、その後成長とともに左側の株が隣の萌芽枝(実は自分自身)を取り囲もうとして覆い被さる状態となってきたものです。
将来合体するのかどうか見物ですね。
(核心地域)