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白神山地の面白い生態(3)

岩石上で更新したブナ

岩石更新

写真は、岳岱でよく見られる岩石を抱え、ブナが成木となった状態のものです。岩石上にはコケが生えているものが多く、雑菌も少ないため、比較的きれいな環境にあるのです。ブナなどの高木はこのような岩の上でよく発芽し成長していきます。岳岱にはこのような光景が各所に見られます。倒木の場合は、朽ちて無くなるのですが、岩石は腐らないのでこのような形となります。

ブナの花芽(開花直前)

ブナの葉芽(展葉直前)

ブナの葉芽(上)と花芽(下)

長い冬を過ぎ春には、新芽が展開してきます。ブナなど樹木の芽は写真のように葉芽、花芽があります。葉芽は、冬の間は小さく細長いとがった形をしていますが、展葉直前には、ふくらみを増し、写真のようにくねっとカーブした長い芽となります。花芽は、花の源基を備えるため葉芽よりもふくらみがあるので分かります。

ネズミによるキハダ樹皮の食痕

ネズミの食害

平成12年はブナの実の大豊作で、多くの動物たちが恩恵を受けた。その反動で13年度は殆どの堅果類(どんぐり)が大凶作になって動物たちも熾烈な生存競争、食糧難になったはずです。写真は、14年の春にみたキハダ樹皮の見事なまでの食害です。食べるものが少なかったためこのような樹皮が被害を受けることになったのです。何故かキハダだけが食われていました。

エゾユズリハの稚樹幼葉

ヒメアオキの幼葉

エゾユズリハの幼木(上),ヒメアオキの幼木(下)

樹木は、幼木の葉が成木の葉と違う形態の葉になる場合があります。上の写真は、エゾユズリハの幼木の葉で、下の写真はヒメアオキの幼木の葉です。それぞれ丸みを帯びたり、切れ込みがあるエゾユズリハなどの成木にはない特徴があります。

落葉分解菌と思われる白い菌糸の塊

落葉分解菌?

森を歩いていると湿った地面の各所に写真のようなちり紙が溶けて枝に絡まったようなものを良く目にします。これは、落葉落枝を分解する菌類の一種が白い菌糸の膜状になって現れているものではないかと思われます。

二股分岐から裂けてしまったブナの木

二股の分岐から裂けた状態

樹木は成育と共に樹体も大きくなり、個体によって様々な形態となります。中には、1本の主幹とならず、どれが主幹か分からないような数本の枝分かれができて成育しているものも見られます。写真は、2本の枝分かれができ、そのまま肥大成長していく過程で、分岐箇所がお互いに押し合って成育していく内にお互いの幹の樹皮が入り皮状態となってしまって、終いに、強風や雪の影響で裂けてしまったものと思われます。このような不安定な状態では、いずれかが折れてしまうか、共倒れになるかでしょう。

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