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現在行われているヒバ天然林施業は、ご承知の方も多いと存じますが昭和6年に松川恭佐(まつかわきょうすけ)氏によって確立された「森林構成群を基礎としたヒバ天然林施業法」に基づくものであり、この施業法
の考え方は、成長が遅いヒバを適切な択伐施業で取り扱うことでヒバ本来の成長力を引き出しその生産力を維持していくということです。
この理論の実証のために、昭和初期の頃から青森県の津軽半島に所在する増川施業実験林と、下北半島に所在する大畑施業実験林を設定し調査が行われてきましたが、このような取り組みのみでヒバ天然林施
業法が完成というわけではなく、更なる地道な調査の積み重ねや分析を加えていくことが必要となります。
当森林技術センターでは、関係機関と連携してヒバの施業体系の確立に向けて取り組んでおりますが、ここで、温故知新の観点から松川氏の講演した内容が記載されている文献をご紹介したいと思います。
【今回紹介する本誌の表紙】
題して、『森林構成群ヲ基礎とするひば天然林ノ施業法』です。
【増川施業実験林内の巨木「山一」】
これは昭和10年9月に当時の青森営林局長である榛葉可省が、ひば天然林施業法の実習競技会開催の際に営林局技師松川恭佐氏が講演したものを取りまとめ、主に実務上必要な事項を中心に何人にもわかりや
すく編集し、同技師の校閲を経て刊行したものです。
今回はこの文献を現在の当用漢字や仮名づかいに改めてみました。結構なボリュームですので数回に分けてシリーズで掲載していきたいと思います。
1回目としまして、榛葉局長の発刊に寄せた巻頭言と、松川氏が講演した緒言および前論を掲載します。業務などの参考にご活用いただければと考えております。