このページの本文へ移動

東北森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

    秋田森林管理署湯沢支署(令和元年7月)

    初めての森林事務所職員として

    湯沢担当区  森林官補
    岡山絢哉

     

      私の勤務する湯沢森林事務所は、湯沢支署庁舎と併設となっており、秋田県最南東部に位置する湯沢市にあります。湯沢市は、国道13号、108号及び398号が通っており、秋田県と隣接している山形県、宮城県を結ぶ重要な交通網が整備されています。また、「小野小町」生誕の地と言われていることでも有名です。
      管轄区域は、湯沢市高松地区の国有林約4,200haと羽後町の国有林約1,600haで、人工林は秋田スギを、天然林はブナを主体としています。高松地区管内には、「泥湯温泉」や、日本三大霊地の一つ「川原毛地獄」、滝そのものが温泉という全国でも珍しい「川原毛大湯滝」といった西栗駒山系の大自然を間近で感じることができ、羽後町管内に向かう途中にある七曲峠では、馬そりにゆられながら峠を越える昔ながらの花嫁道中を再現した「ゆきとぴあ七曲」が毎年1月に開催されるなど見所・名所がたくさんあります。

     
           今年リニューアルオープンした奥山旅館(泥湯温泉)
                          川原毛大湯滝


      また、いで湯の宝庫とされる湯沢市では地下熱を利用した再生可能エネルギーの導入が広がりを見せており、当管内でも地熱開発事業が国有林内で行われています。平成6年から稼働している上の岱地熱発電所(発電出力は28,800kW)と今年5月20日に営業運転を開始した山葵沢地熱発電所(発電出力は46,199kW)があり、特に、山葵沢地熱発電所は、国内では23年振りの1万kW以上の大規模地熱発電所ということで注目度が高いです(国内4番目の出力規模)。

                              山葵沢地熱発電所


      この4月から初めての森林事務所配属となり、請負監督や境界巡検、林道点検等々において、現場職員や支署職員の方々のご指導をいただきながら日々業務にあたっています。現場で作業をしていると、「こんなところにもスギ林が成林している」と思うことが多々あります。実際に人工林が成熟している姿を見ると、人工林資源が利用期を迎えている今日があるのも、偏に先人の方々から脈々と受け継がれた植林や造林の成果の賜物であると改めて感じました。

                    林野巡視中に見かけたカモシカ


      昨年度、湯沢支署を含む雄物川流域は予備編成の年にあたり、次期計画の伐採箇所の検討を行いました。当時、私は当支署の経営担当として予備編成に携わりましたが、現在は森林事務所の職員として業務を行う立場となりました。来年度も引き続き、森林官補として業務を行うこととなれば、自らが検討した伐採計画に基づき現場で業務することになります。自らが検討した伐採計画の出来不出来を直接肌で感じることができるというのは、とても貴重な経験となるはずですので、すでに来年度の森林事務所での業務が待ち遠しく感じます。
      最後に、今年4月1日に「森林経営管理法」が施行され、「改正国有林野管理経営法」も今年6月5日に可決・成立するなど、これまで以上に民国連携した森林の管理経営が求められ、それに応じた国有林のあり方が問われる時代となりました。その中で、初めて行う前例のない業務に悪戦苦闘することもあるかと思いますが、そのようなタイミングで森林事務所の職員として、現場の最前線で業務に携われることをチャンスと捉えて日々の業務に取り組みたいと思います。