三八上北森林管理署

森林官紹介！（平成28年4月）「八幡岳を仰いで」

森林官(七戸担当区)

伴　芙美香

　私が七戸森林事務所に赴任して、1年が過ぎました。

1年前の今頃、初めての東北地方に、初めての森林官として、全く知らない土地での森林事務所の業務に対して、期待と不安を感

じたことが昨日のことのように思い出されます。

私の赴任した三八上北森林管理署七戸森林事務所は、青森県上北郡七戸町に位置し、ご存じの通り新幹線の七戸十和田駅がすぐ近くにあります。東京からなら新幹線でたったの3時間ですが、寒干し大根や干し餅など聞いたことのなかった食べ物、シドケやコゴミといった見たこともなかった山菜など、初めて目にするものも多く、日本の風土と文化の多様性が実感できます。

　 さて、森林官の業務についてですが、当森林事務所は、七戸町内の国有林の一部である約8，000haを管理し、請負監督、境界巡視、林道点検等を中心に行っています。現場によっては非常にアクセスが悪く、林道で車を降りてから、図面を頼りに道なき道をしばらく歩かなくては行けないこともあり、森林官1年生の私にとっては、結構な苦労でもあり、いい勉強にもなりました。

当森林事務所管内には、八幡岳というシンボルといえるような山があります。私にとっては、遠くに出かけて帰ってきたとき、八幡岳が見えてくると、やっと帰ってきた！と思えるような山です。標高は1，020ｍですが、道路が整備されているので、車を降りてから山頂までは徒歩20分ほどです。山頂までの歩道は比較的緩やかで、途中にも景色が見渡せる場所があり、天気が良ければ陸奥湾まで見渡すことができます。是非一度、登山にいらしてください。

　 また、八幡岳の麓には、三階滝という三つの滝があります。現在は、古い登山道がところどころ残っているものの、危険な箇所も多いため、1つめの滝までしか行くことができませんでしたが･･･

そのほかにも、林道を走っていると、キツネやカモシカ、ヤマドリの親子に遭遇したり（熊への遭遇はなし）、川を覗けばイワナが泳いでいたりと、八幡岳の麓にはとても豊かな森が広がっています。

    思い返してみると、七戸町に住みはじめて初めに感動したことが、水道水がおいしい！ということでした。あのおいしい水は、国有林だけに限らず、この豊かな森に育まれていたからおいしかったのかもしれません。野生動物や野鳥と共生していくためにも、おいしい水や山菜のためにも、この豊かな森林を伝えていけるように、森林官として国有林側からできることを考え、これからも日々の業務に励みたいと思います。