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青森森林管理署平内森林事務所

「森林官紹介!」(平成25年7月)

青森森林管理署 平内森林事務所

森林官 大室 裕史

ホタテ養殖発祥の地から

私が勤務している平内森林事務所は青森県のほぼ中央に位置する東津軽郡平内町にあります。
平内町は、西は県都青森市に接しており、東は上北郡野辺地町に接している人口およそ12,400人の美しい町で、町北部の陸奥湾に面する夏泊半島を中心に漁業と観光の町として知られています。
この夏泊半島は陸奥湾に向けて頭を突き出したほぼ正三角形の半島で、奥羽山脈の北端にあたり、半島の海岸部のほぼ全域が浅虫夏泊県立自然公園に指定されております。半島東海岸(椿山)に面した場所では国指定天然記念物「ツバキの自生北限地帯」、さらに半島付け根にある浅所海岸では国指定特別天然記念物「小湊のハクチョウおよびその渡来地」にも指定されるなど、自然に恵まれた地域であります。

北限のツバキ(民有林:平内町より提供)

北限のツバキ(民有林:平内町より提供)

ヒバ人工林

ヒバ人工林(民有林)

スギ林を間伐した後にヒバを植栽した複層林。

樹高の高い木がスギ、その下の木がヒバ植栽木です。


ホタテの水揚げ作業

ホタテの水揚げ作業


さて、このように観光と漁業の盛んな平内町ですが、実は林業にも大変力を入れています。町の総面積21,700haの内、およそ79%が森林で占められており、この割合は全国平均の67%、青森県平均の66%と比較しても10%以上高い値となっています。平内町の特色として民有林率が周りの地域と比較して非常に高く(平内町74%、東青地域平均39%)、一般的に国有林の多い青森県東青地域の中では際だって民有林が多い地域となっています。日本三大美林の1つである青森ヒバ林は、下北半島や津軽半島の国有林内に分布しておりますが、平内町ではヒバが民有林にも分布しております。国有林内のヒバ林はほとんどが天然林ですが、平内町の民有林では積極的にヒバの人工植栽を行っており、ヒバの人工林施業の研究も行われております。
このような状況のなかで、本事務所の管轄する国有林は民有林のなかに点在していることが多く、事業を実行する上で民有林との連携を欠かせない地域であると実感しています。林業の効率化・低コスト化の流れの中で民国連携が強く求められておりますが、本事務所においても民国連携を促進していきたいと考えております。
着任して2ヶ月足らず、まだまだ勉強のたりない私ですが、地域の皆様と協力して林業活性化に取り組んで参りたいと思います。

また、水産業は、陸奥湾の資源を活かし養殖ホタテ発祥の地としての歴史があり町の基幹産業となっています。養殖されたホタテは、加工向けと活貝販売向けに生産され、現在、養殖ホタテ水揚げ高日本一を誇っています。