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東北森林管理局

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    森林技術・支援センター

    所長が語る


                                                                                                                                                                平成29年10月
                                                                                                                                                   森林技術・支援センター
                                                                                                                                                           所長   笠井   史宏  

                                                                                                                                                                                                                                    あゆみ
       森林技術・支援センターは、平成25年4月1日に、民有林・国有林の連携、民有林への技術支援という国有林に求められている役割を踏まえ、地域で求められる林業技術の開発・普及や研究機関の行う現地調査、林業事業体の行う職員研修のフィールド提供等を行い、森林・林業再生により一層貢献することができるよう、森林技術センターから再編されました。

    業務内容
        森林技術・支援センターは、「国有林野の管理経営に関する基本計画」に公益重視の管理経営の一層の推進や、技術力の活用等による森林・林業再生への貢献が基本方針としてしめされており、この方針のもと実用段階に達した先駆的な技術や手法の実証(技術開発)、成果の実用化等国有林野の管理経営や民有林への普及、定着に必要となる業務を行っています。

    技術開発目標と課題

        東北森林管理局では、森林の機能類型区分毎の管理経営の考え方、地域の特性に対応した森林の整備に必要な技術開発を行うための目標を定めています。
    1   森林・林業の生成に資する造林・保育・生産技術の確立
       林業の低コスト化に有効な技術や手法を事業レベルで実証しています。
       例:コンテナ苗植栽試験、低密度植栽試験、伐採・造林一貫作業システム
    2   公益機能の高度発揮のための森林施業並びに保全・利用技術の確立
       国有林野の機能類型区分毎に、公益林として管理経営するため森林の機能が十分に発揮される取り扱いの技術の確立
       例:高齢級人工林に対する伐採方法別複層林誘導技術の検証。緑の回廊内の人工林を針広混交林に誘導
    3   効率的な森林管理並びに健全な森林の育成技術の確立
       例:天然力を主体にし、補助的に人工植栽を用いたヒバ林の復元

    現在取り組んでいる技術開発課題の紹介

    1   ヒバ天然林施業の調査データ収集と解析(平成7年度~平成36年度)
       ・ヒバ天然林施業指標林他
       ヒバ天然林施業指標林の中に1haの大規模プロットを設置し、平成7年に択伐した後の林況の変化を、個体識別しながら追跡調査をして います。
    また、平成14年度に広葉樹との混交がヒバ天然更新に与える影響を調べるため広葉樹の残存率を変えた調査地を設定し稚樹の発生状況等を調査しています。

                   択伐後のヒバ稚樹 樹幹周囲長調査

      ・ヒバ単層一斉林型から複層林型への誘導
       ヒバ天然林の中には、立木密度が高く、ヒバ後継樹を含めた下層植生がほとんどない林況になっている単層一斉林型の林分が見られ、公益的機能の発揮とヒバの旺盛な成長が期待できる複層林型林分に誘導する本数調整手法の確立を目指しています。また、 ヒバの生理・生態の面からも施業方法の裏付けをするため、森林総合研究所 東北支所と共同研究を行っており、15年度から調査地を増やしてデータの充実を図っています。

    間伐前の林況 伐採率40%間伐後の林況

    2   低密度植栽試験(平成26年度~平成29年度)
       低密度植栽は、苗木や植栽費用の削減だけでなく、保育間伐の省略等全般的な費用の縮減や、伐期の短期化が期待されています。また、育成過程において一定程度の広葉樹の進入も想定されることから、生物多様性の確保にも効果があると思われます。スギ、カラマツの低密度植栽を行い、植栽木の生存率や成長・材質への影響、功程調査、広葉樹の進入状況を調査しています。また合わせて下刈省力の手法として筋刈、隔年下刈を行っています。

    筋刈を実施した低密度植栽試験地

    3   ヒバコンテナ苗による低コスト育林手法の開発(平成27年度 ~平成29年度)
      ヒバのコンテナ苗の育苗、植栽、育林方法の実証試験を行い、コンテナ苗の改良とヒバのコンテナ苗による植栽、育林方法の効率化の手法の開発を行います。

    4   多雪寒冷地における大苗植栽の特性について(平成28年度~平成32年度)
       下刈省力の手法として大苗の植栽がありますが、多雪寒冷地における倒伏や成長等 大苗の特性を検証しています。またコンテナ苗大苗のを欠点とされる苗木運搬を一貫作 業システムで実施し植栽に係るデータを収集・分析し、低コストの程度を検証します。

    スギコンテナ苗大苗

    5   早生樹を使用した施業モデルの構築(平成28年度~平成32年度)
       日本国内の広葉樹材生産量は少なく、今後広葉樹材を安定的に供給するためには  国内での広葉樹人工林育成が必要です。従来のスギ等に比べ成長の早い樹種を導入することで植付、下刈の低コスト化、短伐期化により早期の収入を得、林業利回りの向上 が期待されています。少雪地と多雪地に試験地を設定し、 東北地方の気候等に適した 早生樹の樹種及び下刈、除伐の必要性など含む施業方法を検討、技術開発し、その普 及を目指します。

    岩手大学演習林ユリノキ55年生 ユリノキ植栽木1年生


    6   海岸防災林の機能強化(平成29年度~平成33年度)
      海岸防災林のクロマツから広葉樹への樹種転換については、既存の研究報告では試 験の立地条件は、主に海岸からの距離で規定されている場合が多く、耐潮性等の面で  各樹種の適正は明確になっているとは言えません。風速、飛来塩分等立地環境と樹種  の活着、成長状態等を調査し、各広葉樹の特性を把握します。立地条件に適合した樹  種選定が迅速、確実に行うことができ、ゾーニング、被害前の準備、被害地の早期復    旧、被害防除経費の軽減が期待されます。

    屏風山   風衝部のカシワとクロマツ クロマツ海岸林69年生




    管内のみどころ
       センターの管内は東北森林管理局全域となっております。近隣の見所は平成29年6月に金木支署長が紹介しています。青森署・下北署管内となりますが、ヒバ施業実験林を紹介します。

    ヒバ施業実験林

       青森営林局は、ヒバ天然林施業を適切に進めるため、松川恭佐氏を中心として、大正末期から大規模な調査研究を行い、「森林構成群を基礎とするヒバ天然林の施業法」を確立しました。
       増川ヒバ施業実験林と大畑ヒバ施業実験林は、この天然林施業法を現地に適用し、継続的に森林の推移に関するデータを取りながらその成果を明らかにすること等を目的として、昭和6年に設定されたもので、以来80年余にわたり計画的に施業・調査が行われています。実験林で得られた成果は、現在のヒバ天然林施業に活かされています。一部変化の状態を紹介します。
       (1)   移相の変化

     
    (2)   ヒバ下木植栽観察林-広葉樹林分からヒバ林への誘導

               広葉樹下ヒバ植栽→  昭和34年   ヒバ林へ誘導植栽→ 平成24年 

     


    (3)  水無沢施業標準林
      施業標準林とは・・・類似する林冠群の集合体=代表する林型について詳細な調   査を行い記録し、各種林型毎に伐採方法、伐採量、更新法を展示し、実行上の範例とすることを目的に設定されました。

     ヒバ一斉老齢過熟林分の若返り


    (昭和35年に材積伐採率14.6%で伐採)
     
     

     

    お問合せ先

    〒037-0305
    青森県北津軽郡中泊町大字中里字亀山540-8
    TEL 0173-57-2001(代)
    FAX 0173-57-4929

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