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三陸北部森林管理署「署長が語る!」平成28年5月 三陸北部森林管理署 署長 野藤 昌弘
管内の概要三陸北部森林管理署は、岩手県の沿岸北部に位置する宮古市、山田町、岩泉町(安家地区を除く)、田野畑村の4市町村に所在する、約6万7千ヘクタールの国有林を管理経営しています。
管内の見所当署管内には、日本百名山のひとつであり、北上高地の最高峰である早池峰山(1,917メートル)があります。ハヤチネウスユキソウをはじめとした希少な高山植物や、ヒバ・ブナなどの原生的な天然林が見られることから、保護林「早池峰山周辺森林生態系保護地域」として保護管理を行っています。高山植物の花が咲く時期になると、早池峰山の豊かな自然を満喫しに県内外から多くの登山者が訪れます。
また、早池峰山の北面には、昭和23年のアイオン台風により崩壊し甚大な被害をもたらしたアイオン沢があり、復旧のため長年にわたって治山工事が行われました。この治山事業地は「後世に伝えるべき治山~よみがえる緑~」に選定されており、現在では治山施設が隠れるくらい緑化が進んでいる箇所も見られます。 さらに、アイオン沢周辺には本州で唯一アカエゾマツが自生している箇所があり、「アカエゾマツの自生南限地」として特別天然記念物に指定されています。
上空から見たアイオン沢 (赤線で囲まれた箇所がアカエゾマツ自生地) 宮古市沿岸の重茂半島の中央部には十二神自然観察教育林があり、豊かな自然を身近に感じることができる場となっています。ブナを主体とする林齢150年生以上の天然広葉樹林が広がっており、林内には直径が1メートル近くある巨木があちこちに点在し、「巨木の森十二神」として親しまれています。特に、入り口にある大きなケヤキは「森の巨人たち百選」にも選ばれた「重茂の大ケヤキ」で、高さ約28メートル、幹直径約1.2メートル、幹周り約3.8メートル、樹齢は300年を越えていると見られ、この森のシンボルとなっています。
低コスト造林への取組皆伐後の再造林率の向上や林業の採算性向上のために、再造林にかかるコストの低減が求められています。当署では低コスト造林への取組として、コンテナ苗の植付や低密度植栽・下刈省略の試験などを行っています。 低密度植栽については、平成26年度に試験地を設定し、1ヘクタールあたり500本、1,000本、1,500本、2,500本と密度を変え、成長量等にどのような違いが出てくるか調査を行っています。平成27年度には現地検討会を開催し、低密度植栽の取り組みについてご紹介しました。
森林とのふれあい身近な自然とふれあい、森林・林業についての理解を深めていただくために、体験林業のフィールドの提供や森林教室への職員派遣、当署で行っている森林整備事業のご紹介など、さまざまな取り組みを行っております。
三陸北部森林管理署では、地域の皆さまとのつながりを大切にし、これからも様々な取り組みを行っていきます。 三陸北部森林管理署ホームページ(http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/syo/sanrikuhokubu/index.html)などを通じて情報を発信していきますので、是非ご覧ください。 |
林野庁 東北森林管理局
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