ホーム > 森林への招待状 > 署長が語る! > 津軽森林管理署


ここから本文です。

 

津軽森林管理署

「署長が語る!」

平成28年4月

津軽森林管理署

署長  木村 和久 

 

     当署は、青森県のほぼ中央部から北西側に広がる津軽平野、「津軽富士」と呼ばれる岩木山、世界自然遺産である白神山地を管内に持ち、3市3町1村(弘前市、黒石市、平川市、大鰐町、鰺ヶ沢町、深浦町、西目屋村)の地域に広がる12万9千ヘクタールの森林を管理しています。(管内図参照) 

管内図

管内図

 

1 津軽平野の勇姿 

    日本の百名山の一つである岩木山1,625mは山岳信仰の対象でもあり、9月に行われるお山参詣では、五穀豊穣や家内安全を祈願し、深夜に山頂を集団登拝し御来光を拝むなどの行事が行われます。独立峰であり、弘前市、黒石市、鰺ヶ沢町、西目屋村など広範な地域からその勇姿を望むことができます。 

雪がまだ残る春の岩木山

雪がまだ残る春の岩木山 

2 白神山地世界自然遺産とその周辺

    白神山地の16,971haが、平成2年に白神山地森林生態系保護地域に、平成5年に白神山地世界自然遺産地域に指定されました。日本海側の標高200mから1,250mの山地帯に位置する東アジア最大の原生的なブナ林が広がる地域で、津軽署管内の面積は12,627haとなっています。国有林では、非常勤職員であるグリーン・サポートスタッフを配置するとともに、ボランティア巡視員の協力を得ながら、同地域の入山マナーの普及啓発、巡視活動を行っています。

グリーン・サポートスタッフによる巡視 

グリーン・サポートスタッフによる巡視

 

    また、モニタリング調査のために設置しているセンサーカメラに、昨年、平成27年10月に白神山地世界遺産地域で初めてニホンジカ撮影されました。なお、白神山地周辺地域では平成27年度中、19件20頭のニホンジカの目撃情報がありました。

    今後とも日々の巡視等による監視を継続するとともに、関係機関とも連携し、情報共有していくこととしています。

センサーカメラ

3 森林とのふれあい

    国有林では、NPO法人等と協定を結び、森林環境教育の場として、一般の方が森林整備や森林にふれあうフィールドを提供しております。当署管内では、7カ所、約78haの森林を「遊々の森」として、NPO法人と協定を締結し、そのフィールドの活用に努めております。 

下草刈りの体験

下草刈りの体験

4 森林の保全と安全・安心の治山 

    当署管内の人工林は約39.5千ヘクタール、天然林が83千ヘクタールで、人工林を中心にその整備に努めています。

    治山工事による国土保全にも取り組んでおり、平成25年9月の台風第18号による豪雨により岩木山南東斜面の後長根沢で土石流が発生、渓流のほぼ全域にわたって多量の不安定土石が堆積したことから平成26年5月から3基の治山ダムの整備に着手し、平成27年度中にその工事を完了したところです。今後、その状況を監視していくことにしています。

    なお、弘前市では弘前城の石垣の改修を予定しており、後長根沢の工事箇所周辺の転石を利用したいとの要望があります。必要な量、作業スケジュール等は現在弘前市で検討されておりますので、具体的になった段階で、法令に従った適切な対応となるよう、上局の指導を得て要望に応えたいと考えております。

土石流により流出した土石

土石流により流出した土石

完成した後長根沢の治山ダム

完成した後長根沢の治山ダム

 

    このほかに、平成27年度、深浦市広戸地区の民有林で48本の立木で松くい虫の被害が発生したところです。

    発生した場所で国有林に最も近いものは国有林から500m程度しか離れておらず、国有林でも監視体制を強めているところです。監視により国有林で確認された立ち枯れの立木については、森林総合研究所に採取した試料の鑑定を依頼し、松くい被害の有無を確認作業を行いました。平成27年度に確認された立ち枯れ木45本については、松くい虫の被害ではないことが確認されております。平成27年度確認されたこの立ち枯れ木については、万が一に備え、平成28年度の早い段階までに全て燻蒸処理を行うこととしました。

   今後とも民有林とも連携し監視体制を強め、万が一国有林で被害が確認された場合は、迅速に対応しその被害拡大防止に全力で取り組む考えでおります。

マツの燻蒸処理   

万が一に備え枯れたマツの燻蒸処理(松くい虫の被害なし)

5 低コスト林業への取り組み

    低コスト林業への取り組みは国有林の重要な課題となっております。当署では、平成26年度から、県、関係市町村、林業事業体等が構成員となっている津軽流域林業活性化センターとの共催により、低コスト林業につながるコンテナ苗の現地検討会等を通じてコンテナ苗の普及に取り組んでおり、管内の種苗事業体の理解と・協力を得てその取り組みを進めることとしております。今後、このコンテナ苗を活用し、コストの低減につなげるかが大きな課題となっております。         

コンテナ苗の現地検討会

         コンテナ苗の現地検討会

 

    また、当署職員と五所川原農林高校とも機会あるたび情報交換し、課題を共有しており、若い人材の意欲が高まってきていると思っております。

五農高生とコンテナ苗について情報交換

  五農高生とコンテナ苗について情報交換

 

お問い合わせ先

津軽森林管理署
〒036-8101
青森県弘前市大字豊田二丁目2-4
TEL 0172-27-2800
FAX 0172-27-0733

森林管理局の案内

リンク集