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米代東部森林管理署

「署長が語る!」

  平成27年10月

米代東部森林管理署

署長 傳村 充善

はじめに

     このコーナーが始まったのが平成25年6月です。第1回目は米代東部森林管理署の事業概要や森林散策などをご紹介させていただきました。以来前回の第27回で各署等の紹介が一巡しました。今回から2巡目がスタートします。ご拝読いただいている皆様に引き続きこのコーナーを楽しんでいただけるように趣向を凝らして参りますのでどうぞよろしくお願いします。

     林野庁では平成17年度から木材、とりわけ国産材の利用の意義を広め、木材利用の拡大につなげていくための国民運動として「木づかい運動」を展開するとともに、毎年10月を「木づかい推進月間」として集中的に活動を行っています。また10月8日は「十」と「八」を組み合わせると「木」の字となることから、1977(昭和52)年に日本木材壮青年団体連合会により「木の日」が制定されました。

     今回は「木の日」や「木づかい推進月間」にちなんで、米代東部森林管理署管内の木材利用施設や伝統工芸品などをご紹介させていただきます。 

1.木材利用施設

旧小坂鉱山事務所

 「旧小坂鉱山事務所」〔国重要文化財〕平成14年5月指定(小坂町)

    米代東部森林管理署管内は天然秋田スギと鉱山が地場産業を支えてきました。「旧小坂鉱山事務所」は、すべて天然秋田杉造りとされる木造3階建てのルネッサンス風の明治を代表する建物です。

大館樹海ドーム

大館樹海ド-ム(大館市)
     樹齢60年以上(直径20cm以上)の秋田県北産の秋田杉約25,000本を使用し、大断面集成材の屋根トラスを特徴とする木造としては世界最大級のド-ム建築です。

大館樹海ドーム(内)

     ド-ム内では、野球を中心にテニスやフットサルなどのスポ-ツ、運動会などの各種レクリェ-ション、また、コンサ-トや見本市、展示会など様々な分野にわたり使用可能な多目的ド-ムです。

    美味しい新米がとれる毎年10月に大館きりたんぽ祭りが開催されます。

    今年は10月10日(土)~12日(祝)です。多数のお店が出店し、それぞれ趣向を凝らした「きりたんぽ」を提供しますので是非ご賞味下さい。

 

2.伝統文化

大太鼓祭り

大太鼓祭り2

大太鼓祭り3

綴子大太鼓祭り(北秋田市鷹巣)

     約700年前から続くと伝えられる「綴子大太鼓祭り」は

毎年7月14日、15日の2日間行われます。上町と下町の

集落が徳川、豊臣方にわかれ一年交代で綴子神社に太

鼓を奉納し、虫追いや雨乞い、五穀豊穣を祈願します。

     最も大きなものは、直径3.8m、胴の長さ4.52m、重さ3.5tも

あります。二番目が直径3.71m、胴の長さ4.32m、重さ3tで、

平成元年にギネスで世界一の認定を受けています。

     この大太鼓の胴材に天然秋田杉が使われています。

     普段は、道の駅たかのすの「大太鼓の館」に展示され

ています。

 

伝統工芸品 大館曲げわっぱ

     秋田音頭にも唄われている「大館曲げわっぱ」は、きこりが杉柾で曲げ物の容器を作ったのが始まりで、藩政時代に大館城主佐竹西家が、領内の豊富な天然杉に着目し、苦しい藩財政を救うため、下級武士の副業として奨励し、普及発展したものとされています。

     昭和55年(1980年)に国の伝統工芸品に指定され、製品には盆、弁当箱、盛器、茶器、銘々皿等の伝統的製品の他、コ-ヒ-カップ、テ-ブル、ジョッキ等の新しい製品も作られています。淡黄色の明るく優美な木目を生かした製品の優美さは国内は勿論、海外まで知れわたっています。今年5月から10月までイタリアで開催されているミラノ国際博覧会(万博)にも展示されています。

           曲げわっぱ         曲げわっぱ2

① 秋田杉を煮沸して柔らかくする

② 型・治具に巻付

煮沸

型・治具

③ 櫻皮で縫う

④ 塗装、研磨を行い完成

桜皮

塗装・研磨

大館曲げわっぱの適材確保への取り組み

「曲げわっぱの森」の協定(木の文化を支える森)

     平成15年4月に米代東部森林管理署、大館市、大館商工会議所、大館曲げわっぱ協同組合で「曲げわっぱの森」20.45haを設定しています。

              曲げわっぱの森                 曲げわっぱの森2

     木材加工研究所による曲がる木の選別調査

             選別調査                選別調査2

 

協定締結  

    平成25年度から国の天然秋田杉の伐採計画及び供給が終了したことを受け、大館曲げわっぱの原材料として人工杉での曲げわっぱ制作を余技なくされました。

    人工杉の多くは天然秋田杉に比べて硬く、曲げると折れやすいが、中には柔らかく割れにくい適材もあるため、人工杉での「曲げわっぱ適材木選別調査」が円滑に行われるように、米代東部森林管理署は国有林、大館市は市有林を大館曲げわっぱ協同組合と木材高度加工研究所へ提供し試験研究を行うことを目的に、米代東部森林管理署、大館市、木材高度加工研究所、曲げわっぱ協同組合の4者による「大館曲げわっぱ適材木選別調査」の協定を平成27年9月9日に締結しました。

伝統的工芸品 秋田杉の桶と樽

    日本では容器と言えば殆どが木製でした。丈夫な秋田杉桶樽は人気があり、殆どの家庭で洗濯用の「盥(たらい桶)」やご飯を入る「お櫃(おひつ)」がみられました。大正時代には、樽の需要が増大し、醤油樽、漬物桶、すし桶等新しい用途へと道を切り開いていきました。昭和59年(1984年)に国の伝統的工芸品に指定され、最近では、様々な用途の商品が作られ、自然素材の温もりと人の手によって作り出される暖かみが見直されてきております。

桶

     は柾目の材料を使い、榑(短冊状の小幅の板)を輪状に立てて並べ、これを竹たが・銅たが・真鍮たがなどで締め、木底をはめた器で、おひつ、飯切りなどのように固定した蓋のないものを桶といいます。

樽2

    は板目の材料を使い、酒樽のように固定した蓋がついたものを樽といいます。
    酒樽は中程がふくらみ、水の桶は真っすぐになっています。

 酒樽の製造工程 

木取り

乾燥

① 木取り(年輪に沿って割る)

② 乾燥(約3ヶ月天然乾燥)

組み立て

青竹巻き付け

③ 組立(仕上げ削り後、金輪の中に側板を立てる

④ 青竹を巻いて締め付ける

検査

出来上がり

⑤ 検査(漏れやにじみを検査)

⑥ 酒樽の出来上がり

お問い合わせ先

米代東部森林管理署
〒017-0031秋田県大館市上代野字中岱3-23
TEL:0186-50-6130
FAX:0186-50-6133

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