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下北森林管理署

「署長が管内を語る!」

平成26年1月

下北森林管理署長

丹藤 卓司

下北の国有林

下北森林管理署管内の国有林は、青森県下北半島西部の大部分及び東南部に分布し、太平洋、津軽海峡、陸奥湾に囲まれ、むつ市、大間町、東通村、風間浦村及び佐井村の1市1町3村内で約87千haに及びます。

 

管内の森林

 

宇曾利山湖

 

 

管内には、日本の三大美林の一つである青森ヒバの美林が広く分布しています。

日本三大霊場にも数えられる恐山山地は、ほぼ中央に位置する宇曽利山湖等を除き、多くが国有林であり、湖の周囲のヒバ・ブナ等の天然林等約55百haを「恐山山地森林生態系保護地域」に指定して、保護しています。

 

また、大正時代から進めたヒバの調査研究の結果を基に、昭和6年に設置した約210haの「大畑ヒバ施業実験林」においては、80年以上にわたり計画的・持続的な青森ヒバの育成を継続しています。

大畑ヒバ施業実験林

自然観察教育林

 

 

むつ市薬研温泉周辺の渓流等の国有林を自然観察教育林に指定し、森林レクリエーションの場として提供しています。

近接する「大畑ヒバ施業実験林」と併せて、本州北限の自然を愛する国民のみなさんが訪れる憩い・学びの場となっています。

 

 

下北半島東部の東通村内の国有林には、800年から1000年ほども前に直立したままヒバ林が砂に埋もれたといわれる跡が残っています。

現在はその名残となった約3.5haの国有林を「猿ケ森ヒバ埋没林特定地理保護林」に指定して保護しており、周囲のマツ林と併せて、散策に訪れる国民のみなさんの悠久の自然に触れる隠れたスポットの一つとなっています。

ヒバ埋没林

 

多様な森林づくり

 

伐採跡地への植林

 

 

渓畔(川・沢沿い等)周辺は野生生物の生息・生育場所等として生物多様性の保全上重要な役割を担っています。

当署では、平成25年春に、むつ湾に注ぐ川内川沿いのスギ伐採跡地に、地域の要望にも応えて、住民参加で本来当該地に成立していると考えられるナラとカエデを植え付けました。今後ともこうした多様な森林づくりを進めていくこととしています。

 

地域の生活を守る取組

 

スリットダム1

スリットダム2

 

海に囲まれ、マグロ漁でも知られる下北半島では、沿岸漁業は地域の重要な産業の一つになっています。

海岸に森林が迫っている自然環境の多い下北半島では、大雨時の河川からの濁水や流木の大量流出は、地域の生活に大きな悪影響を与える場合があります。

当署では、国有林内河川周辺での作業時に汚濁防止に細心の注意を払うほか、ポイントとなる河川にスリットダムを設置して流木の捕捉に努め、適時に撤去して地域の生活を守る取り組みを行っています。

 

安定的な木材供給と林業の低コスト化への取組

 

 

 

ヒノキチオール等の成分を含み、湿気に強く腐れにくいヒバは、岩手県平泉町に所在する平安時代に建立された中尊寺金色堂(国宝・世界遺産)にも使用されているなど古くからその有用性が知られてきました。

当署においては、神社・仏閣向け建築材はじめ様々な用途に需要の大きいヒバの安定的・持続的な供給に努めています。

 

ヒバ材

現地検討会1

現地検討会2

 

市場から比較的遠く木材の輸送費がかかり増しになる下北半島においては、国産材の安定的・効率的な供給体制を構築し林業の成長産業化を図る上で、木材生産にかかる低コスト化が欠かせない重要な取り組みの一つとなっています。

当署では、スギ人工林が伐期を迎えている中、市場のニーズに応えて森林資源を循環利用し、林業の成長産業化に資するため、地方公共団体や林業事業体等と連携し、国有林をフィールドとした現地検討会を開催するなどして、低コスト化に資する高性能林業機械の導入や路網整備及び列状間伐等の技術や知識の普及・向上を推進しています。

お問い合わせ先

下北森林管理署
〒035-0041青森県むつ市金曲一丁目4番6号
IP電話:050-3160-5885
FAX:0175-22-1134

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