ホーム > 森林への招待状 > 署長が語る! > 署長が語る!山形森林管理署長


ここから本文です。

 

山形森林管理署

「署長が管内を語る!」

山形森林管理署長

島津 義史

 

山形県の中央部を囲む標高の高い山々を管理する山形森林管理署

山形森林管理署は、村山地域とも呼ばれ、東は蔵王から御所山につながる奥羽山脈に、西は月山を中心とする出羽山地や朝日山地という、日本を代表する山岳地帯に囲まれた山形盆地にあります。
管内は、森林管理署のある寒河江市のほか山形市など14市町村で構成され、国有林は山岳地帯を中心に所在し面積は7万7千ha、貴重な自然環境が多く、「朝日山地森林生態系保護地域」や「奥羽山脈緑の回廊」、「鳥海朝日・飯豊吾妻緑の回廊」等に設定されています。

以下、よく知られた山を中心に管内の森林の特徴を紹介します。

 

蔵王

日本百名山の蔵王は、標高1840mの熊野岳を最高峰とする山域です。低地のスギ人工林からカラマツ人工林、ブナ天然林、樹氷で有名なアオモリトドマツ林へと、山麓から山頂にかけて森林分布が変化し、それをドライブ、自然観察、登山など多様な方法で観察することができます。
蔵王国定公園の中央部には、山岳修験者の宿坊の跡に文化年間に植樹したといわれる「御清水の森スギ」植物群落保護林があり、標高としては上限に近い高齢級のスギ林が見られます。
また、スキー場、運動場、キャンプ場などが整備され四季を通じてレクリエーションやスポーツに利用されています。

 

残雪期のアオモリトドマツ 厳しい風雪に耐えて生育する御清水

【残雪期のアオモリトドマツ】

【厳しい風雪に耐えて生育する御清水の森】

 

 

自然豊かな野営場 クロスカントリーもあり夏合宿のメッカ

【自然豊かな野営場】

【クロスカントリーもあり夏合宿のメッカ】

 

月山

こちらも日本百名山で、標高は1984m。夏にスキーができるほど積雪が多く、亜高山性の針葉樹林はほとんど見られず、ブナが標高700~1400mで見られ、上部はナナカマド、ミネカエデ、チシマザサ等の群落となっています。チシマザサはネマガリダケとも言われますが、月山で採れるタケノコは月山筍と呼ばれ、山形を代表する味覚の一つです。

 

ブナの霧氷 月山姥ガ岳を登るスキーヤー

【スキー場開き時のブナの霧氷】

【月山姥ヶ岳を登るスキーヤー】

 

朝日山地

日本百名山で、標高1870mの大朝日岳を中心とした主稜線を朝日連峰と呼び、北の以東岳から南の祝瓶山までが一般登山の対象となっています。周辺には我が国最大規模のブナ林が良好に維持され、また、源流部から最上川まで連なる渓流の周辺では渓畔林が発達し、低地から高山帯まで変化に富んだ生態系が展開し、多様な動植物が生息・生育しています。
山形ではブナが広く分布し、昔から活用してきましたが、二次林として再生している林も多く見られます。

 

朝日連峰

ブナの枝張り

【朝日連峰】

【我が国最大規模の広がりをもつブナの枝張り】

美しく再生したブナの二次林

水辺に広がる渓畔林

【美しく再生したブナの二次林】

【水辺に広がる渓畔林】

 

御所山

奥羽山脈にある山で日本二百名山です。宮城ではその形から船形山と呼ばれて、山形では伝説に基づき御所山と呼ばれています。
植生の主体はブナ-チシマザザ群落で、ヒメアオキ、ハイイヌガヤなどが出現する裏日本型ブナ林の特徴を持ち、亜高山帯域では、立地環境に応じてチシマザザ、ハイマツ群落、ミヤマナラ群落がみられ、植物群落保護林があります。
周辺では山岳修験が盛んに行われていた名残から、最上カゴ(加護)など、修験にちなんだ名称が残っています。

 

登山道から望む御所山

最上カゴ

【登山道から望む御所山】

【同じく最上カゴ】

 

奥山寺

奥の細道で有名な山寺(立石寺)は、四季の彩りに優れ、山寺随一の展望台とされる五大堂から眺望できる奥山寺は風景林になっています。その景勝地である遊仙峡周辺には登山道が整備され、近くには「遊仙峡クリ」林木遺伝資源保存林もあります。
また、山寺より上流のJR仙山線沿いの紅葉側渓谷は、新緑や紅葉の景勝地となっています。

山寺からの眺め

紅葉川渓谷

【山寺からの眺め】

【見頃を迎えた紅葉川渓谷】

 

千歳山

山形県庁の南側にある円錐形の標高471mの山で、都市近郊林として多くの市民に親しまれており、上山市の経塚山とともに管内の自然休養林になっています。
アカマツの山として親しまれていましたが、近年は松くい虫やナラ枯れの被害が目立っており、市民のシンボルとしてふさわしい千歳山のあり方を検討しております。

 

景観を形成する千歳山

千歳山からの山形市内

【山形市の景観を形成する千歳山】

【千歳山からの山形市内】

 

人工林

管内には1万5千haの人工林があり、人工林率は21%となっていますが、主要樹種はスギ、カラマツ等です。現在間伐が施業の中心となっていますが、路網と高性能林業機械を組み合わせた作業システムにより、コスト縮減に向けた取組を進めております。

 

森林作業道の作設

ハーベスタでの造材

【森林作業道の作設】

【ハーベスタでの造材】

お問い合わせ先

山形森林管理署

〒991-0053 
山形県寒河江市元町一丁目17-2
TEL 0237-86-3161
FAX 0237-86-3163 

森林管理局の案内

リンク集