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米代東部森林管理署

「署長が管内を語る!」

米代東部森林管理署長

田尻明彦

1.秋田スギの森を育てる


米代東部森林管理署は、秋田県の北部、米代川流域にある3市1町(大館市、鹿角市、小坂町、北秋田市のうち旧鷹巣町)に広がる約10万ヘクタールを管理しており、森林のおよそ半分は秋田スギの人工林、残りはブナやミズナラの天然林です。

天スギ椪積み 米代川流域は、古くは江戸時代から天然秋田スギを使った建築資材などのほか、大館曲げわっぱ、桶樽などの木材産業が発展してきましたが、天然スギの資源は次第に減少し、平成24年度をもって計画的な生産は終了、現在は人工林のスギが利用されています。

グラップルで天然秋田スギの丸太をはい積み

 

 

高齢級スギ人工林

人工林の特徴は、まず成育が良いということです。ふつう50年生にもなると樹高の成長が頭打ちになり梢が丸くなりますが、高齢でも成育が良い林が多く、スギの適地であることを実感します。

高齢級スギ人工林

 

 

スギ人工林

戦後植林された人工林は成熟期を迎え、現在間伐を進めています。また造林の歴史も古く、管内最高齢のスギは1902(明治35)年植栽の112年生、天スギに代わるものとして高齢級の秋田スギも少しずつ生産しています。

スギ人工林

 

 

国有林だけでなく隣接する民有林といっしょに間伐などを行う協同施業団地として「大館市長木地域森林整備協定」を平成23年に結ぶなど、民有林と連携した森林づくりにも取り組んでいます。

森林資源の盛衰をみると、佐竹藩の時代や明治維新にも枯渇~育林を繰り返してきており、これから秋田スギを生かした地域の産業や経済の活性化、エネルギー利用などに応えたいと考えています。

 

2.森林と人と関係を深める

近年、森林と人との関係が希薄になっているといわれます。昔は国有林でも薪炭材を地元住民に供給したり、伐採や植林の作業が農閑期の重要な仕事だったと聞きます。クマやシカが山から下りてきたり、森林の活力がなくなって松くい虫やナラ枯れなどが発生するのは、山に近い集落にお年寄りが多くなって、森林を利用しなくなったことが原因の一つだといわれます。

一方、森林と人との新たな関係をつくる動きもあります。

 

テロロの森植樹

大館の自然の会では、旧小坂鉱山の煙害で荒廃した森林を緑化した歴史などを学びながら、ブナなどを植え育て元の森林を再生させる活動を続けて25年になります。

テロロの森植樹の様子

 

 

八幡平ふるさと森づくり

また平成9年に発生した八幡平澄川地すべり災害の復旧工事が終了し、平成22年には森林再生のため大勢のボランティアが参加して「鹿角八幡平ふるさと森林づくり植樹祭」を開催しました。

苗木の説明をしている様子

 

 

大館曲げわっぱ協同組合では、高齢人工林において原材料を育成し、伝統工芸をPRする木の文化を支える森づくりとして「曲げわっぱの森」を平成15年に設定しました。十和田湖に向かう樹海ロード沿いでは、企業の社会貢献として製薬会社が法人の森「長寿の森」を設定(H12)、毎年首都圏から森林浴などに大勢訪れます。

また子どもたちが森林で学び楽しむ場として、大湯小学校(鹿角市)では遊々の森「遊学の森」を設定、鷹巣南小学校(北秋田市)では毎年森林管理署が協力して学校林の整備を行っています。

こうした森林と人との関係を深める取組みも、国有林の大切な仕事と考えています。

 

山や森の楽しみを広げる

管内には、十和田八幡平国立公園、田代岳県立自然公園など、豊かな自然や温泉などを背景に多くの皆さんが訪れます。

 

秋田焼山

4月末には八幡平アスピーテラインが開通し、本格的な観光シーズンを迎えますが、お勧めは、スノーシューや歩くスキーを履いて、なだらかな雪山の散策です。3月から5月頃まで、天気は安定し、暑くない、蚊やクマもいないし、ササも雪の下です。

 雪が多い八幡平の景色

 

 

 

竜ヶ森

新緑の時期になると、竜ヶ森風景林(大館市)などのブナ林では、残雪、新緑、黒いスギ林のコントラストが楽しめます。

 残雪の残る竜ヶ森

 

 

また山の幸、山菜もあります。長木沢(大館市)は佐竹藩主が大きなフキを自慢したとの逸話から「秋田蕗発祥の地」とされており、いつか大きなフキが沢を埋める光景を夢見ています。

大勢の皆さんに、山や森の楽しみを見つけいただきたいと考えています。

お問い合わせ先

米代東部森林管理署
〒017-0031秋田県大館市上代野字中岱3-23
TEL:0186-50-6130
FAX:0186-50-6133

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