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三陸北部森林管理署

平成27年8月6日

三陸北部森林管理署

よみがえるアイオンと林業の見学会

    三陸北部森林管理署では、森林・林業に関する知識や国有林野事業の理解を深めていただくために、一般の方を対象に毎年自然観察や体験林業、国有林野事業の見学等のイベントを開催しています。今年度は、7月23日(木曜日)に第1回目として公募により集まった方を対象に、「よみがえるアイオンと林業の見学会」と題してアイオン沢周辺の治山施設と林業の作業現場の見学会を開催しました。

    当日はあいにくの雨模様でしたが、参加者の皆さんは三陸北部署に集合した後、バスに乗車して最初の見学地の御山川1号堰堤(宮古市門馬第二地割門馬山国有林320林班)へ向かいました。

    現地に到着後、開会式を行い、署長より「森林管理署で行っている国有林野事業を知り、森林・林業に関する理解をより深めていただきたい。」と挨拶がありました。その後、治山担当職員から御山川1号堰堤についての説明を行いました。

    今回の見学場所は、昭和23年9月に東北地方を襲ったアイオン台風により、閉伊川の支流である御山川上流の石合沢において距離約1km、面積約28haに及ぶ大崩落が起き、下流域の宮古市では死傷者約370人、住宅被害約6200戸という甚大な被害が発生しました。当署では、昭和25年から平成24年までの63年間、崩れた森林を復旧するため治山工事を行い、平成25年には「後世に伝えるべき治山~よみがえる緑~」として、国土保全に寄与した重要な治山事業地である全国60箇所の1つに選定された箇所を見学していただきました。

    御山川1号堰堤は、アイオン沢の復旧治山工事の中でも一番初めに作られた治山施設です。石を積み上げて作られた長さ103m、高さ12mの治山ダムで、施工当時は国内最大規模と言われており、参加者の皆さんからは「この大きさまで石を積み上げるのは大変な苦労だったと思う」との感想が聞かれました。

    その後、上流のアイオン沢に行く予定でしたが、雨が強くなってきたため行き先を変更し、アイオン沢に隣接する流域にある金平沢治山工事現場(宮古市門馬第二地割門馬山国有林328林班)の見学を行いました。ここでは鋼製枠という鋼鉄の部材を使った治山ダムが作られており、参加者の皆さんに御山川1号堰堤との違いを見比べていただきました。

    午後は、当署で行っている保育間伐事業の作業現場(宮古市鈴久名横倉沢国有林198林班)の見学を行いました。この事業は、森林を適切に整備することによって、木材を生産するほかに、地球温暖化の防止や水源かん養、山地災害の防止などの森林の様々な公益的機能を十分に発揮させることを目的に行っています。

    この事業を請け負っている川井地区国有林材生産協同組合の皆さんにご協力いただき、間伐する49年生のカラマツをチェーンソーで伐倒し、高性能林業機械であるプロセッサで枝を払って決められた長さに切り丸太にした後、フォワーダという運搬車に丸太を積んで運ぶ、という立木が丸太になって運ばれていくまでの一連の作業の流れを見ていただきました。また、木を伐倒する前に目測で樹高を予想する「樹高当てクイズ」を行い、感覚と実際の違いを感じていただきました。

    参加者の皆さんは、初めて見る伐倒の迫力に驚き、またプロセッサで伐倒された木が素早く丸太にされていく様子に感心していました。

    今回のイベントを通して、参加者の皆さんからは「非常に長い年月をかけて森林に復旧する工事を行っていることに驚いた」、「普段あまり見ることのできない作業現場を近くで見ることができて良かった」などの感想をいただき、国有林野事業への理解を深めていただくことができたと思います。

    三陸北部森林管理署では、今後も地域のニーズに応えながら、地域住民の皆さんに森林・林業に関する知識や国有林野事業の理解を深めていただくための取組を行っていきます。

開会式の様子 治山担当者から説明 御山川1号堰堤
金平沢治山工事現場 金平沢治山工事説明 鋼製枠谷止工
午後の部の開会 伐倒木の確認 フォワーダーの見学

お問い合わせ先

三陸北部森林管理署 
担当者:業務グループ・森林ふれあい担当
ダイヤルイン:0193-62-6448
FAX:0193-63-4872

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