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三陸北部森林管理署

26年11月4日

三陸北部森林管理署

紅葉彩るアイオン沢&南限のアカエゾマツを訪ねる

    当署では、一般の方を対象に森林・林業に関する知識や国有林事業の理解を深めていただくために、毎年、自然観察や登山、林業体験等のイベントを開催しています。今年は、第2回目として10月21日(火曜日)に公募により集まった17名の方と地元のマスコミ関係者を対象に「アイオン沢&南限のアカエゾマツ訪ねる」と題し見学会を開催しました。

    アイオン沢は昭和23年のアイオン台風の豪雨によって閉伊川の支流に当たる御山川上流の石合沢で距離1km、面積約28haに及ぶ大崩落が発生し、下流域の宮古市で死傷者370人、住宅被害約6200戸という甚大な災害を引き起こした後に命名された沢です。当署では、昭和25年から復旧工事を始め、平成24年までの62年間、山の手当を行い森林への復旧をする治山工事を行ってきました。そのアイオン沢には本州から姿を消したとされていたアカエゾマツが自生しており、自生南限地であるアイオン沢のアカエゾマツは学術的に貴重であることから国指定の特別天然記念物に指定され保護されています。

    当日は雨が降る予報の中でしたが、参加者は当署に集合した後、マイクロバスに乗車して宮古市門馬第二地割のアイオン沢に移動しました。アイオン沢に向かう治山管理道は、ゲートで施錠されていて、普段は立ち入りが制限されていますが、今回は特別にゲートを解放し、アイオン沢に向かいました。

    アイオン沢に到着して行った開会式では、小西署長から「当署は森林・林業を応援するサポーターを増やすために様々なイベントを行っている。今日のイベントをとおして、みなさんには森林・林業に関する理解を深めてもらいたい。」と挨拶があり、担当からは森林生態系保護地域の保全地区に指定され、原則立ち入りが禁止されているアカエゾマツ自生地での観察の注意点の説明があった後、一列になって自生地へ移動しアカエゾマツを見学しました。観察したアカエゾマツは2mほどの高さの幼木でしたが、参加者はアカエゾマツの特徴や、なぜ本州で唯一早池峰に自生しているのかなどの説明に耳を傾けていました。

    アカエゾマツの観察後、標高1200m付近のアイオン沢を遠望できる地点にマイクロバスで移動し、治山担当職員よりアイオン沢の治山事業の概要の説明がありました。雨の降る中でしたが、参加者は災害発生当時、土砂がむきだしだったアイオン沢で危険と隣り合わせの中、当時最先端の技術で施工した治山施設が見えなくなるほど緑化が進んでいる状況を見て、森林への復旧が進んでいることを確認しました。

    今年は、紅葉の始まりが例年よりも早く、アイオン沢では紅葉も終盤でしたが、下山して昼食をとった早池峰山握り沢登山口付近はちょうど見頃で、参加者は御山川沿いの林道を真っ赤に染まったヤマモミジ、黄色のカツラなどの紅葉のトンネルを15分程度歩いてもみじ狩りを楽しんでいました。その後、アイオン沢の大崩壊が発生した後に鉄道や道路を保全するために先ず作られた、長さ103m、高さ12mと当時最大級の治山ダムである御山川1号堰堤を見学しイベントを終了しました。

    今回のイベントをとおして参加者からは、「工事当時は高所まで資材を運び、大変な苦労をしたと思う。」、「普段では入ることのできない所まで入り見学することができて良かった。」などの声が聞かれました。

これからも三陸北部森林管理署では、地域のニーズに応えながら、国有林が実施している森林施業や各事業の取り組みについて紹介し、住民の方々に森林や林業に関する知識や理解を深めていただくために取り組んで行きます。

開会式の様子 一列になってアカエゾマツへ アカエゾマツを説明中
間近で観察 アイオン沢上流部で概要説明 記念撮影
もみじ狩り 紅葉を満喫 紅葉の中で
御山川第一堰堤にて 署長よりお礼の挨拶 緑がよみがえるアイオン沢

お問い合わせ先

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担当者:業務グループ・ふれあい担当
ダイヤルイン:0193-62-6448
FAX:0193-63-4872

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