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平成26年1月発行

第40号

 

タイトル

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森川40滑床山植生回復検討会

 

 好天に恵まれた10月22日、滑床山頂(通称三本杭)において関係機関、ボランティア団体等の関係者28名が参加して、第9回滑床山植生回復検討会を開催しました。

 滑床山頂周辺は、宇和島市、松野町、四万十市に跨がり、かつてはミヤコザサやオンツツジが群生していたが、平成12年頃からニホンジカの食害により裸地化したことから、当検討会を平成18年6月に立ち上げて、ボランティア等の協力も頂いて山頂周辺の植生回復に取り組んでいます。

 今回の9回目となる検討会では、平成19年3月にシカ防護ネットを設置して移植した「たるみ」及び「滑床山頂」のミヤコザサが順調に繁茂していることや、枯れ木など現地資材を活用した簡易な土留め措置がリョウブやカエデなどの稚樹の発生を促し、土壌の流出防止の効果が現れている状況などを確認しました。

 当センターからは、吊り尾根の「熊のコル」周辺等のギャップに、シカ防護ネットを設置すること、「山頂」や「たるみ」及び「藤ヶ生越」のネット内は順調に植生が回復しており、経過を観察していくことを提案し了承されました。

 滑床山頂周辺でニホンジカによる剥皮被害などを調査している森林総合研究所四国支所から、ネット外では継続的に食害が発生していることや、ニホンジカの生息密度は依然として自然植生に大きな影響を及ぼす高いレベルにあることなどが報告され、出席者からはハンターによるコントロール等の捕獲での個体数調整とシカ防護ネットの設置等、引き続き関係者が連携してシカ対策に取り組む必要性などについての意見が出されました。

 当センターはモニタリングを継続し、シカ防護ネットの保守点検に努め、関係者、ボランティア等と協働して、滑床山頂周辺の植生回復に取り組んでいくこととしています。

 

森川40山頂付近のミヤコザサ

山頂周辺のミヤコザサが順調に繁茂

森川40山頂での検討会

滑床山頂での検討会

 

森川40秋のブナ林で森林教室

 当センターでは高知県と愛媛県の県境にある八面山から滑床山(通称:三本杭)に至る稜線のブナ林をフィールドにして、森林教室を行っています。

 ブナやウリハダカエデ及びシロモジなどの葉が紅葉する10月から11月、今年も高知県四万十市や宿毛市、愛媛県松野町のたくさんの学校が訪れました。

登山道周辺の樹木の名前、特徴、利用方法などの学習、ブナ林で森林の働き等の学習やネイチャーゲーム等を楽しみました。

 

 

森林教室で八面山を訪れた学校

10月18日 高知県宿毛市立小筑紫小学校(5年生) 12名
  〃  31日     〃     四万十市立西土佐小学校(5年生) 28名
11月 1日     〃     四万十市立東中筋小学校(6年生) 20名
  〃   7日     〃     四万十市立八束小学校(6年生) 14名
  〃 11日     〃    宿毛市立山奈小学校(5年生) 12名
  〃 13日 愛媛県松野町立松野西小学校(4年生) 25名

 

森川40ブナ林西土佐小学校

西土佐小学校

 

森川40木工クラフト教室

10月19日、四万十市立中村南小学校の4年生33名を対象に、親子木工クラフト教室を行いました。サクラやミズメの枝などを使い、お父さんやお母さんと共同して、クマやカブトムシ等の動物等「木工クラフト」の製作に、子供よりも親の方が夢中になって、ユニークな作品を作っていました。

 また、木工クラフトの後は、スライドを使用して「森林の働き」について説明しました。

 森林には「水を蓄える」、「山崩れを防ぐ」、「快適な環境をつくる」、「地球の環境を守る」などの働きがあることを、分かりやすいイラストを使って学習しました。

 今回、親子のふれあいの場ともなり、保護者の方にも、森林や自然環境などについての理解を深めてもらえたと思います。

森川40木工クラフト1

森川40木工クラフト2

 

 11月5日は、四万十市立蕨岡小学校で1~4年生10名、11月18日は、愛媛県愛南町立長月小学校で全校児童36名、12月10日には、宿毛市立小筑紫小学校で5年生12名を対象に、木工クラフト教室をそれぞれ行いました。

 3校とも制作に入る前に、「木材の特徴」について、木の長所である軽くて丈夫なこと、加工しやすいこと、湿度や温度を調整すること、短所として、性質がすべて同じでないこと、シロアリ等の被害を受けやすいこと等について、パワーポイント等を使って学習しました。

 その後、蕨岡小学校と長月小学校では、1~3年生は、事前に各パーツに加工したものを使って『コロコロゲーム』等を作製し、4年生~6年生は、たくさんの材料の中から自分のイメージにあった木を選び、鋸やナイフを使って作業を進めました。児童の中には、鋸が上手く使えなかったり、ボンドが上手くくっつかなかったりと悪戦苦闘している児童もいましたが、先生に手伝ってもらい無事に完成させることができました。

 また、小筑紫小学校5年生は、事前に用意した板を使って『クリスマスドアノブ』を電動糸鋸盤等を使って作製した後、『ジージーゼミ』を作製しました。

 今回の木工クラフト教室により、木の持つ温もりと、素材としての木材の良さについて十分に感じてもらえたものと思います。

 

森川40木工クラフト3

蕨岡小学校

 

森川40木工クラフト4

長月小学校

森川40木工クラフト5

小筑紫小学校

 

森川40炭焼き体験

10月10日、松野町立松野西小学校の4年生25名を対象に、今年度5回目となる森林教室(炭焼き体験)を行いました。森川40炭焼き体験

 始めに、スライドを使って炭の種類や利用法を説明し、白炭と黒炭を使った実験をしました。ノコギリを使っての切断では、黒炭は簡単に切れるのに、白炭は堅くて時間をかけないとなかなか切れず、黒炭との違いに驚いていました。また、白炭を木の棒でたたいて、「チンチン」と鉄琴のような綺麗な音色がするのを楽しみました。

 続いて、炭焼き体験。児童達は、職員から手順や注意点を聞き、ブリキ缶の中に、もみ殻とマツボックリやドングリ、折り紙で折った鶴や手裏剣など自分達で作った物を詰めて、ドラム缶のたき火の中へ並べました。

 そして、アルミホイルに包んだサツマイモが炭になるかについての実験もしました。たき火に入れて、約30分経った頃、ブリキ缶から出る煙の色が透明になる一方で、児童達はアルミホイルの中身が気になる様子でした、

 どちらもたき火の中から取り出し、ブリキ缶が冷めるのを待つ間にアルミホイルを開けると、サツマイモは皮等の表面だけが黒く焼け、残念ながら炭にはならず、焼き芋となり、みんなで美味しく食べました。

 焼き芋を食べ終わる頃に、冷えた缶を開けると、折り鶴や手裏剣、ドングリ、マツボックリなどはちゃんと炭になっていました。

 

 

森川40樹木学習

 

11月6日、宇和島市立三間小学校の4年生41名を対象に、校庭の樹木約30種類の特徴や用途等を学習と、ヒノキの輪切り材に、ポスターカラーで和名と科名を書き、余白には、思い思いのイラストを描いて樹名板を完成させ、樹木に付けました。森川40樹木学習

 後日、「葉の名前、校庭の樹木の名前が知れたので良かった。樹木板づくりが楽しかった。これからも興味をもって、木や花の名前を覚えていきたい。」等の感想が寄せられました。

今後は、学習したことをもとに、季節の移り変わりによる樹木の変化等を観察していただきたいと思います。

 

森川40四万十川周辺の自然を体験

 

 11月5日に、神奈川県横浜市から神奈川学園中学校の生徒43名が四万十川周辺のフィールドワークにやってきました。森川40四万十川周辺の自然を体験

 四万十万市の中半地区と茅生地区の四万十川に架かる「かよう大橋」の対岸市道周辺において、橋の建設由来や道路周辺のシイやカシ類など広葉樹の樹木や植生等を学習。

 その後、「四万十学舎」に戻ってからは、スギ・ヒノキ・サカキ・シキミ等の葉を実際に触ったり臭いを嗅いだりして、樹木の特徴について体で体感。また、森林のシカ被害や森林の働き等についても学習しました。

 今回短い時間ではありましたが、四万十川周辺の自然について、貴重な体験ができたのではないかと思います。

 

森川40森林の働き

 12月17日、四万十市立具同小学校の6年生72名を対象に、森林教室を行いました。森川40森林の働きを学習

 最初の「森林の働き」については、森林には「水を蓄える」、「山崩れを防ぐ」、「快適な環境をつくる」、「地球の環境を守る」などの働きがあることを学習。

 続いて「森・川・海のつながり」では、森で作られた栄養分が川から海へ流れ、プランクトンや昆布や魚の栄養となっていることを学習。また、山に木を植えて間伐等の手入れすることによって、森が豊かになれば、川へ流れる栄養分も絶えることなく、魚やエビ・ウナギ、ホタテなど川や海やの魚介類が美味しいく成長して、川も海も豊かになることを学習しました。

 講義後には、質問する生徒も多くあり、森林等への関心も高く、森林や自然環境などについての理解を深めてもらえたと思います。

 

 

 

 

 

 

森川40地域イベント

 

 

 11月3日、地元の四万十市西土佐江川崎で西土佐地域の秋の味覚を集めた「第2回四万十うまいもの商店街」及び、高岡郡梼原町で「第48回梼原町産業祭」が開催され、当センターの木工体験コーナーを出店し大盛況となりました。

 「四万十うまいもの商店街」のイベントは、西土佐ふるさと市組合の主催で、同地域に「道の駅」が開業する2015年を前に、西土佐を中心とした四万十川流域の地域グルメをPRしようするイベントで今回で2回目の出店です。また、「梼原町産業祭」は、今回で3回目の出店となりました。

 当日は、両イベント会場とも昼頃から生憎の小雨の空模様でしたが、地元産品等を利用した飲食販売及び各種催し物を行い人々の笑い声が各会場の秋の山々にこだました。

 当センターの木工体験コーナーのクマのストラップ等は「かわいい」と大人気でした。

 天候には恵まれませんでしたが、地域との結びつきを深めるとともに、木の温もりを伝えられた秋の一日となりました。

森川40地域イベント1
森川40地域イベント2

 11月9日、四万十市西土佐黒尊の黒尊親水公園で「黒尊むらまつり」が開催され、天気も良く、多くの方が黒尊渓谷の紅葉と流域の料理を堪能しました。

 このイベントは、黒尊川流域の住民グループ「しまんと黒尊むら」と「四万十くろそん会議」の主催で、同会議の構成員である当センターは「作って遊ぼう」コーナーと「八面山山登り」を担当しました。

 当センターの「作って遊ぼう」コーナーでは、沢山の来場者で賑わい、ビンゴゲーム、ジージーゼミ、クマのストラップ、丸太切りを楽しんでいただきました。また、「八面山山登り」では、絶好の登山日和となり、約20名がブナ林などの自然や森林浴を楽しみました。

  メイン会場では、地元奥屋内の「お菊の滝」の言い伝えにまつわる「播州皿屋敷伝説」の紙芝居上演。「黒尊むら市」には、地元の食材を使った炊き込みご飯、山菜おこわ、猪汁、鮎の塩焼きなどを買い求める人の行列が絶えませんでした。

 「神殿橋紅葉狩ツアー」も大人気で、来訪者された方は流域の料理を食べて、紅葉を見て、黒尊渓谷の自然を満喫されたようです。

 

 

 

 11月17日、四万十市西土佐で産業祭が開催され、当センターも協賛団体として参加しました。このイベントは、2年毎に開催され、会場の西土佐中学校には、地域の特産品や児童の書画、手工芸品などが多数出品され、多くの来場者で賑わいました。

 当センターは、森林の働き等のパネル展示とビンゴゲームで遊んで、カエルストラップ、カブトムシ・クワガタムシの壁掛け等を作って沢山の子供や親子に楽しんでいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

森川40シカ森川40シカ捕獲中森川40シカ

 滑床山及び黒尊山周辺におけるニホンジカの食害は依然として深刻な状況にあり、当センターでは、地元の猟友会に委託し、黒尊山と目黒山の国有林において囲いワナによるシカの捕獲を実施しています。

 今年度は7月から12月までの半年間に、黒尊山14頭(雄6・雌8)、目黒山9頭(雄5・雌4)の23頭(雄11・雌12)捕獲しました。

 

森川40黒尊自然再生

 

 当センターでは、自然再生事業の新たな取組として、11月23日に四万十森林管理署管内の黒尊渓谷親水公園周辺の自然再生を行うために、四万十川地域住民を代表する組織「しまんと黒尊むら」の地元住民15名の参加をいただいて、親水公園に隣接する国有林面積約0.3haに、カエデやヤマサクラ等広葉樹300本の植栽と、シカ防護ネット約300mの設置を実施しました。

 今回の実施箇所は、平成16年の台風10号に伴う集中豪雨で、親水公園に隣接する国有林の山腹が崩壊し、四万十森林管理署が平成17年度に谷止工等の治山工事を実施して、クヌギ、ケヤキ、サクラを植栽したものの、シカの食害により全滅し、現地にはタケニグサやフユイチゴ等のシカの忌避植物以外は生育してなく、このままでは林地が荒廃し、渓谷美も損ねている状況であり、地域の方からも強い要望があったところです。

  実施後には、地域の方々から感謝の言葉も寄せられ、今後は、植栽木が順調に生育するように、下刈等の保育作業を行い、健全な林へと育成していきます。

森川40黒尊自然再生1

広葉樹の植栽

森川40黒尊自然再生2

シカ防護ネット設置

森川40黒尊自然再生3      森川40黒尊自然再生4

 

森川40大道マツの後継樹育成

 11月30日に、四万十町(旧十和村)大道の古屋山国有林において、地元住民の方々や四万十町役場職員を含め11名の参加をいただき、「大道マツ試験地の稚樹の本数調整」を実施しました。森川40大道マツ1

 当センターでは、当該林内でアカマツ稚樹が発生しているところで、常緑広葉樹が繁茂して成長できない状態であったことから、大道マツ「森林生態系保全・再生事業」として、平成16年10月にアカマツ保護林内に試験地(面積0.12HA)を設け、稚樹の発芽と生長の促進を図るため、繁茂した広葉樹の整理、林床の地かきを実施し、平成17年度から23年度には、下刈を行って「大道マツ」後継樹の育成に取組んでいます。

 平成25年度で9年が経過して、高さ2mを越える稚樹が多数あり、順調に生育していますが、800本以上生育し稚樹の樹幹間隔が狭く枝が当たる等の過密状態となっており、今後の良好な成長のためには、成長を阻害している稚樹を伐採し、本数を調整する必要があり、今回初めてこの作業を実施しました。

 当日の天気も良く、絶好の作業日和となり、予定していた約400本の伐採と絡んだ枝等の剪定作業を終えることができました。

 参加者からは、「この作業でマツが大きくなると思うと嬉しい」との感想がありました。

 ふれあいセンターでは、今後もこうした取組を通して、地元と一体となった「大道マツ再生」を進めて行きます。

 

 

森川40大道マツ2 森川40大道マツ3

 

 


 

 

 

四万十川森林ふれあい推進センター

お問い合わせ先

四万十川森林ふれあい推進センター 
ダイヤルイン:0880-31-6030
FAX:0880-31-6031

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