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35号

四万十の風音森&川だより

平成24年9月発行

サンショウウオ

サンショウウオ

 第35号印刷用レイアウト (PDF:1,186KB)

森林の楽(学)育

講義の様子(愛媛県)

講義の様子(愛媛県)

当センターでは、平成19年度から森林環境教育に関する指導者の裾野の拡大を目的とした研修会「森林環境教育サポート講座」を開催しており、これまでに高知県と愛媛県併せて128名の先生方が受講されました。

  今年は、高知県での講義を7月26日に四万十市立中村南小学校において開催し、西南地域の6小学校から11名の先生方に受講していただきました。

  また、愛媛県では、8月1日に宇和島市の市立宇和津小学校において開催し、宇和島市、愛南町、松野町の9小学校から11名の先生方に受講していただきました。

  「講座」は森林・林業に関する知識や技術、指導方法等を「楽しく体験・習得」をモットーにしており、「当センターの活動、森林環境教育の重要性」の講義後は、教科書補完プログラムの中の「空飛ぶ種子」「土壌にすむ生物」「炭焼き体験」「木工クラフト」と、実験・実技を多く取り入れたものとしました。

  「空飛ぶ種子」では、植物が風や水、動物などを利用して種子を散布することを紹介し、アルソミトラやマツ、ニワウルシ等の模型を製作して飛ぶ様子を観察しました。

「土壌にすむ生物」では、約1ヶ月前に校庭の片隅に埋めておいた野菜などの生ゴミ、落ち葉、ペットボトルなどを掘り起こし、変化の状況を目で見たり、土の臭いを嗅いだりして確認した後、土壌にいる微生物を採取し顕微鏡で観察しました。

「炭焼き体験」では、折り鶴・ドングリ・マツボックリなどが光沢のあるきれいな炭に変身、感動の声が沸き起こっていました。

「木工クラフト」は、熱中症が心配されるほどの入れ込みようで、個性溢れた作品が仕上がっていました。

 

先生方も木工体験

先生方も木工体験(高知県)

 

  両日とも笑顔や驚きの声が溢れ、実施後のアンケートでは、「森林の働きや身近な環境を考えるきっかけになった」「森・川・海のつながりが分かりやすかった」「実験・体験が良かった」「多くの教科で関連したものがあり、是非取り入れたい」などの心強い感想をいただきました。

  今後の当センターの活動に反映させていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

木工クラフト教室

1 土佐清水市立中浜小学校

鋸刃に注目

鋸刃に注目

  7月3日は、ジョン万次郎の生誕地で有名な土佐清水市中浜の市立中浜小学校の全校児童29名を対象に実施しました。

  最初に、デジタル紙芝居「森」を活用して、森や木は身近なもの、大切なものであることを理解してもらった後、3年生以下の低学年と高学年に分かれて工作を開始しました。

  低学年の児童には、サクラの枝などの輪切りを準備しておいたので、早速「クマのストラップ」などの製作を開始してもらいました。

  高学年は、「道具の正しい使い方」から入るのが当センターの定番です。

  「ノコギリは手前に引くとき切れるので、軽く押して真っ直ぐに強く引く」、「剪定ばさみは小枝などの切断用で、小指程度より大きいものはノコギリを使って安全に切る」、「クラフトナイフは大振りすると周囲の人を傷つける恐れがあるので、利き手で握って、一方の材料を掴んだ手の親指で押して切る」、「彫刻刀の刃先に手を置かない」、「キリは、足に見たてた木片に落として切っ先が刺さるのを見せ、使い終わったら必ずキャップをかぶせること」といったもので、実演を交えての指導は分かりやすく、児童も熱心に聞くと先生方にも喜ばれています。

製作を待ちわびた児童は、教わったとおり道具を正しく使ってクマの置物などを作り上げ、それぞれ満足そうな様子でした。後日、「山の先生ありがとう」とかわいい礼状が届き、同校ではすっかり「山の先生」になっているようです。

 

2 黒潮町立上川口小学校

  7月17日は、黒潮町立上川口小学校四年生7名を対象に実施しました。

  まず、校舎に入ると校長先生手作りの児童の俳句が収まった木製の額やサクラの木のカスタネットなど、見事な木工品が目に飛び込んできました。

  そのような環境にあってか、児童も木製品にはなじみ深い様子で、予め考えていたと思われる作品に手早く取りかかり、道具を上手に扱う猛者や「トンボの羽になるように切って」と職員を悩ませる児童がいました。

かわいいね

かわいいね

  7人のこぢんまりとした木工教室でしたが、できあがった可愛い子犬や手の込んだカニなどの独創性豊かな作品には職員も感心することしきりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

樹木の役割

  7月9日、四万十市立後川中学校において、中学1年生8名と隣接している利岡小学校6年生3名を対象に「森・川・海のつながり」の講義と樹木測定、炭素現存量の算出の体験学習を行いました。

  講義では、木が二酸化炭素と水を吸収し、光エネルギーを使って光合成をすることで木の中に二酸化炭素を貯めていること、これが温室効果ガスである二酸化炭素を減少させ地球の温暖化防止に役立っていることを絵などを使って説明しました。

森の栄養は海にとっても大切

森の栄養は海にとっても大切

  その後、校庭にある木の大きさを直径巻尺や検測竿、三角定規等を使って自分たちで測りました。デジタル測高器の数値と比べてもほぼ正確に測れていたので、感嘆の声が上がっていました。

始めての検測竿

始めての検測竿

  最後に、校庭の木がどのくらいの二酸化炭素を吸収しているのかを計算しました。児童、生徒は、普段は目に見えない二酸化炭素の量を計測することに戸惑いを隠せない様子でしたが、地球温暖化防止に校庭にある木や森林が役立っていることを、少し理解してもらえたようです。

 

 

 

 

 

 イチョウの葉   校庭の樹木学習   切り株

上手にできたね

上手にできたね

9月11日、黒潮町立上川口小学校の四年生八名を対象に樹木学習を行いました。

  最初に広葉樹と針葉樹の違いや単葉と複葉の特徴、葉のつき方など基礎知識を学び、その後、校庭に出て学校に植えられている樹木について観察しながら学習しました。

  いつも目にしている木々について、「アキニレ」の葉は左右不相称であるとか、「ソテツ」は枯れそうになった時、鉄釘などを茎に刺すと蘇るという言い伝えから「蘇鉄」と名付けられたなどの話を聞き、皆一様に驚きの声を上げていました。

  8人の小人数クラスということもあってか、皆、気付いたことや疑問点などをすぐに共有し合い、熱心に議論を交わす場面もありました。

  最後に、自分たちが学んだ樹木の樹名板を作成しました。板からはみ出るほどの大胆な構図で描く子、外では元気いっぱいなのに繊細なタッチで描く子、それぞれの個性が溢れた作品ができあがっていました。

 

チョウチョ   空飛ぶ種子   花

  9月25日、四万十市立中筋小学校の1年生から4年生21名を対象に、植物の種子の講義を行いました。

  種子の講義を低学年に、というのは初めてのことで理解してもらえるか不安でしたが、最初の「樹木はどうやって種をまくのでしょうか」との質問に、すぐさま「風を利用する」と正しい回答が返ってきたのには驚きました。

種って不思議だね

種って不思議だね

  まず、スライドと種子の実物を観察しながら、植物は子孫を残すため「風を利用する」、「動物を利用する」、「水を利用する」、「自分の力ではじき飛ばす、転がる」などについて学習し、その後、自分たちで種子の模型を作り、飛ばして遊びました。

  アルソミトラはインドネシアなどの熱帯に生えるウリ科のツル植物で、種子はグライダーのように遠くへ飛んでいきます。この模型はスチレンシートを型抜きして作りますが、低学年には難しく、職員や先生に手伝ってもらって完成させていました。

高く飛べ!

高く飛べ!

 さらに色紙を使って、ニワウルシ、マツ、ラワンの種子の模型を作り、最後にスレンチシートでロケットラワンの種子の模型を作りました。

  楽しみながら種子の構造や飛び方を学ぶことで、低学年も十分理解してくれたようです。

 

 

 

 

 

 

カブトムシ   森林土壌と土壌生物の不思議   子供

  9月27日、愛媛県松野町立松野西小学校の4年生24名を対象に、「土壌にすむ生物」と「森林のはたらき」について出前授業を行いました。

  松野西小学校の四年生は、「総合的な学習の時間」を利用して年6回森林に関する学習をしており、当センターが授業を担当しています。今回ではや4回目となりました。

  「土壌にすむ生物」では、土壌層の違いや土壌生物の種類とその役割を学び、1ヶ月ほど前に埋めておいた「野菜」、「枯葉」、「ペットボトル、空き缶など」の変化を確認しました。「野菜」が完全に分解されて土に変わっていることに驚き、土壌生物の役割を実感したようでしたが、「ペットボトル」などは全く変化しておらず、ゴミを捨てないことの大切さも感じてくれたようでした。

  土壌生物の観察では、時間を忘れて顕微鏡を覗き込んでおり、普段遊んでいる校庭の隅に、こんなにも知らない生物が住んでいることに驚いているようでした。

  続いて、「森林のはたらき」では、森林の持つ7つの機能を学習し、森林が土砂の流出や山崩れを防ぐ様子を模型を使って実験しました。

  「森林がある山」は、木や落ち葉が土壌を雨から守り、土砂や家の模型も無事ですが、「森林がない山」では、見る見るうちに土壌が流されます。家の模型が転げ落ちるたび子どもたちからざわめきが起こり、森林の持つ山崩れを防ぐ機能に感心しきっていました。

  今回も森林について、楽しみながら十分に理解してもらうことができ一安心でした。

 

イラスト1 四万十川森林環境保全ふれあいセンター イラスト2

 

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〒787-1601
高知県四万十市西土佐江川﨑2405番地
四万十川森林環境保全ふれあいセンター
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