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27号 |
平成22年9月発行 |
当センターでは、森林環境教育に関する指導者の裾野の拡大を図ることを目的として、教職員の方々を対象とした研修会「森林環境教育サポート講座-森林の楽(学)育-」を開催しました。7月27日に四万十市立津野川小学校で高知県の先生方18名、また、8月3日に松野町立松野西小学校で愛媛県の先生方15名が参加されました。
今年の内容は、当センターが教科書補完用に作成した「空飛ぶ種子」「土壌にすむ生物」と「炭焼き体験」「木工クラフト」の4つのプログラムを実践しました。
「空飛ぶ種子」では、植物の種子がさまざまな方法で種子を散布することを紹介し、種が飛ぶ様子を実験する風洞装置でマツやカエデの種子、自分たちで作ったマツの種子の模型が舞い上がると歓声が沸きました。
植物の種子の中で一番大きい翼果を持ち、遠くまで飛散し繁殖すると言われる、熱帯アジアのウリ科の樹木であるアルソミトラの種子の模型を作りました。
薄いスチレンシートに、種に見立てたコルクを張り合わせただけの簡単な構造にもかかわらずグライダーのように飛ぶアルソミトラの種子の模型に感心していました。
また、例年好評の「木工クラフト」では、次々にユニークな作品が完成していました。
実施後のアンケートでは、「2学期に子ども達と一緒に種飛ばしをやってみる」「実際に森林の中に入っての研修もあれば」等の感想や意見がありました。
アンケートの結果は、次回の企画に反映させることとしています。
座学(津野川小) |
種子の模型飛ばし(松野西小) |
7月2日から10日まで、四万十市中央公民館ロビーにおいて、当センターが取り組んでいる自然再生や森林環境教育の活動を紹介したパネル展を開催しました。
公民館へは地域の方が多く訪れており、当センターの活動をわかりやすく紹介することができました。
展示されたパネル |
来場者に説明中 |
7月5日、四万十市立後川中学校において、1年生3名と、隣接している利岡小学校6年生11名を対象に森林教室を行いました。
樹木が二酸化炭素を吸収し水と光エネルギーを使って成長するとともに、炭素を固定していることを学んだ子供達は、校庭へ出てモミの木の直径、高さを測りました。
教室へ戻った子供達は、枝や根っこを含めたモミの木全体の体積を求めた後、乾燥時の重さ、その中の炭素の含有量、最後に樹木が吸い込んだ二酸化炭素の重さを求めました。
生徒達は、係数が連続する計算に手まどいながらも、モミの木(直径70cm、高さ21m)が6.22トンの二酸化炭素を固定していることを導き出しておどろいていました。
この学習によって校庭にあるモミの木が、大量の二酸化炭素を固定し、地球温暖化防止に役立っていることを、数字の上でも理解することができたと思っています。
炭素固定の説明 |
モミの木の高さは? |
9月5日大道マツ再生事業として取り組んでいる古屋山国有林において、地元大道地区、四万十高校生等18名の参加を頂き、「林業(下草刈り)体験」を行いました。
歩道を15分程歩き、現地へ着いた参加者は、事業地の説明、林内での歩き方、鎌の使い方、作業方法等の説明を受けた後、下草刈り作業に取りかかりました。最初は遅れ気味だった高校生も慣れてくるとスピードアップし、予定していた時間内に無事に作業を終了することができました。
参加者からは、「下草刈り作業はとても暑かったが、終わった時の達成感はすばらしかった」との感想を頂きました。
当センターでは、今後も地元と一体となった「大道マツ再生」を進めて行きます。
下草刈り作業中 |
地元ケーブルTVの取材 |
当センターでは、高知県立四万十高校自然環境コースの生徒の環境科学研究(卒業研究)のサポートをしております。
7月29日には、天然林と人工林の違いを実感してもらうために、市ノ又国有林へ案内し、土壌サンプルを採取しました。
8月17日には、大道マツの昔の話が聞きたいとの要望を受けて、地元の人達から話を聞くことのサポートをしました。
今後も森林環境教育の一環として学校からの要望に応えていく考えです。
土壌サンプルの採取 |
大道マツの話を聞く |
9月6日、土佐清水市立清水小学校の5年生70名を対象に木工クラフト教室を行いました。これは清水小学校が「高知県山の学習支援事業」の指定を受けており、体験活動(木をいかしたもの作り)の一環として当センターに依頼があったものです。
いつも森林教室を実施し手慣れている当センターの職員も、70名の大人数は初めての体験であり、少し手を焼きながらも時間内に無事終了することができました。
また、この模様はテレビ高知の取材を受け、夕方のローカルニュースで放映されました。
こんなに大人数は初めて |
何をつくるの? |
9月14日、四万十市立津野川小学校の全校児童19名を対象に行いました。こちらは少人数ではあるものの、低学年の児童も入っており、うまくできるのか心配なところもありましたが、異学年の班分けができており、高学年がノコギリで切断、低学年がボンドで貼り付ける等、それぞれの学年に応じた作業を行うことにより無事終了することができました。
これをつくろうよ |
いっぱいできました |