6 国産材を利用した集成材、合板の生産

 品質・性能の明確な木材製品が求められている中で、集成材に対するニーズが高まっており、集成材の国内生産量、輸入量ともに増加しています。
 集成材のうち国内で生産されるものは増加傾向にあり、全供給量の6割を占めています。集成材に用いられる材料(ラミナという板材)は欧州材が中心で、国産材を加工集成したものは1割程度にとどまっています。これは、スギ等を原料とする場合、品質のばらつきが大きく歩止まりが低いことなどから集成材価格が割高になるためです。
 しかしながら、短尺材(注1)等の単価の安い原木の有効利用により、集成材生産に取り組む事例も少しずつ増加しています。
 合板は、国内生産量は減少傾向で推移しており、輸入合板が総供給量の6割以上を占めています。国内生産に必要な原木の供給は、かつて、そのほとんどが南洋材により賄われていましたが、資源的な制約等によりそのシェアは急激に減少している一方、北洋材(注2)やニュージーランド材等の針葉樹材が増加しています。
 このような中で、平成13年には合板生産に向けられるスギ、カラマツ等の国産針葉樹材の供給量が、前年に比べ6割増となりました。スギ等の針葉樹材は、外材に比べ原木価格が高いこと、量がまとまらないこと、歩止まりが悪いことなどにより、合板への使用量はわずかでしたが、間伐材等の細い原木でも処理できる加工機械の開発、単価の安い原木の活用によって競争力が高まったことが、国産針葉樹材の供給増につながっています。


【第W章3(5)、(6)】

短尺材等のスギの合板用原木

スギ合板




注1:丸太を生産する過程で発生する柱等に製材できない3m未満の短い丸太。
注2:ロシア極東地域から日本に輸入される木材。



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