5 バイオマス・ニッポン総合戦略の推進

 人類が築いてきた大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会は、地球温暖化をはじめ様々な環境問題やエネルギー問題を引き起こしています。
 バイオマスは、生物に由来する持続的に再生産可能な資源であり、廃棄物の発生を抑制し、資源を有効利用する循環型社会へ移行する上で、この利活用は有効です。
 また、バイオマスで化石資源を代替することにより、二酸化炭素の排出削減に大きく貢献できます。さらに、バイオマスを新たなエネルギー等へ利活用する革新的な技術開発等により新たな産業と雇用の創出や、バイオマスが多く存在する農山漁村の活性化が期待されます。
 このようなことから、政府は、平成14年12月「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、関係府省の連携の下、バイオマスの利活用に関する総合的な取組を進めることとしました。本戦略では、バイオマスを総合的に最大限利活用し、持続的に発展可能な社会を「バイオマス・ニッポン」と位置づけ、平成22年頃の具体的目標、戦略などを示しています。
 木質バイオマスのエネルギー利用は、現状では、薪、木炭のほか、チップ、ペレット(おが粉等を15mm程度の小さな円筒状に成型したもの)等に加工したものが、主に熱源として使われています。
 しかし、木質バイオマスは、資源が分散し、かつ、小規模であるため、収集、運搬コストが割高なことなどから、間伐材等の林地残材はそのほとんどが森林内に放置されています。このような状況にあるものの、近年、間伐材や製材工場の残材等を活用して熱や電力を供給・利用する地域的な取組が徐々に展開されるようになっています。

【第W章1(5)】

能代森林資源利用協同組合のバイオマス発電施設


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