3 森林環境教育の推進

       

 近年、地球温暖化防止や生物多様性の保全など森林のもつ多面的な機能に対する関心が高まっています。
 このような中で、森林内での様々な体験活動等を通じて、人々の生活や環境と森林との関係について理解と関心を深める「森林環境教育」の機会を、子どもたちをはじめ広く国民に提供していくことが重要となっています。これにより、森林・林業に対する国民の理解が図られ、幅広い国民の参加による森林づくりの促進と再生産可能な資源である森林資源の積極的な利用の推進が期待されます。
 また、平成14年度から完全学校週5日制が実施され、教育課程への総合的な学習の時間が本格的に導入されたところであり、多様な体験活動を通じて子どもたちが自ら学び考え、「生きる力」をはぐくむ観点からも、森林環境教育を推進することが重要となっています。
このため、教職員等を対象とした研修による指導者の養成や森林インストラクター等の活用、教育関係機関との連携、市町村の受け入れ体制の整備等を一層進め、子どもたちをはじめ多くの国民が森林を身近なものとして利用できる条件を整備する必要があります。
 その一環として、文部科学省と林野庁が連携して、植林や下刈、木工、炭焼き等森林・林業体験活動の機会を提供する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」を平成11年度から実施しており、平成13年度には、全国で延べ24万人が参加しました。
 また、国有林野事業においても、森林管理局、森林管理署が、小学生から大学生、教職員等を対象に森林環境教育を実施しており、平成13年度には延べ2万8千人の参加がありました。


【第U章1(5)】

森林環境教育の取組事例

 山形県酒田市の十坂小学校では庄内砂丘のクロマツ林をフィールドに植林、枝打ち、つる切りなどの作業を行っており、地域への愛情を育てる学習の場として活用している。


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