(別添)
平成19年5月10日
林    野    庁




国連森林フォーラム第7回会合(UNFF7)の結果概要について



1.  時期・場所・参加国等
 平成19年4月16日(月)から27日(金)まで、国連本部(ニューヨーク)において、国連森林フォーラム第7回会合(UNFF7)が開催され、国連加盟国100カ国以上が参加したほか、森林に関連する国際機関・NGO等からの参加があった。我が国からは、林野庁、外務省及び環境省より関係者が出席した。
2. 主な合意内容
 今次会合では、前回会合で採択された2015年までの4つの世界的目標(Global Objectives:@森林の減少の反転、A森林由来の経済的・社会的・環境的便益の強化、B保護された森林及び持続可能な森林経営がなされた森林面積の大幅な増加と同森林からの生産物の増加、CODAの減少傾向の反転)の達成及び持続可能な森林経営推進のための方策を盛り込んだ「すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(Non-Legally Binding Instrument:NLBI)」及びNLBIの実効性を確保していくための具体的作業内容等を示した「多年度作業計画(Multi-Year Programme of Work:MYPOW)」が決議・採択された。なお、NLBI及びMYPOWのポイントは以下のとおり(決議文(英文)はhttp://www.un.org/esa/forests/ に掲載)。
(1) すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(NLBI)
● 各国は、@国家森林プログラムの整備・実施、A持続可能な森林経営のための「基準・指標」の更なる開発及び実践等25項目の国内政策・措置を講じること。
● 各国は、@持続可能な森林経営のための実施手段強化に向けたハイレベルの政治的コミットメント確保に向けた努力、A違法な林産品等の違法貿易への対処に向けた国際協力、B国内法に基づき森林に関する違法行為に対処するための能力強化等19項目の国際協力及び実施手段を検討すること。
● 各国は、UNFFに、任意で、上記取組の進捗状況を示す国別報告を提出すること。
(2) 多年度作業計画(MYPOW)
● 2015年までのUNFF会合は2年に1度開催され、4つの世界的目標の進展及びNLBIの履行状況につき検討。
● 各会合では、気候変動、生物多様性等の個別テーマとともに、分野横断的な課題として、@実施手段、A森林法の施行及びガバナンスについて検討。
● 地域レベルにおいても、上記課題に関する取組を促進し、その成果をグローバルレベルに反映させていくこと。
3. 考察
 今次会合では、途上国等に対する財政支援措置の取扱等につき各国の意見の溝が埋まらず協議が難航したが、最終的には、NLBI及びMYPOWについて合意が成立したことは、世界の持続可能な森林経営促進に向けた取組にとって一定の前進であるといえる。
 懸案となっている財政支援措置の構築については、UNFF8(2009年)での合意を目指し、今後、専門家会合等を通じて検討を継続していくこととなった。
 なお、NLBI及びMYPOWは、今後、国連経済社会理事会及び国連総会で最終的に採択される予定である。

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