[個 人]
 氏   名  なかだ いちろう 
中田 市郎  
 (富山県氷見市)      
 功績の概要
 同氏は、長年にわたり農林業に従事し、所有する山林16haを自家労力により管理・経営し、現在も年間200日程度山に行き施業を行っている。
 このほか、富山県指導林家として県内林業者の指導にあたっているが、それのみに限らず、平成9年度からは地元小学校の森林教室として自己山林を開放し、森林に関する講話や炭焼き体験の指導を行っている。さらに、平成11年度からは本県独自の取組である「〜社会に学ぶ〜14歳の挑戦」事業(中学2年生が5日間連続で職場体験を行うもの)で、生徒を毎年受け入れ、自らの経験を踏まえた現地指導を行っている。
 また、富山県産材の振興にも力を注いでおり、平成12年からは、「とやまの木で家をつくる会」の設立趣旨に賛同、木材を提供するだけでなく、会の理念である「顔の見える家づくり」を進めるため、自己山林を森林見学会や体験イベントの場として開放、参加者に森林や木材のすばらしさやそれを支える技術を紹介している。
 
[団 体]
 氏   名  さんそんじゅく 
山村塾
 (福岡県八女郡)
 功績の概要
 平成6年豊かな自然環境を保全することを目的に、任意団体「山村塾」を発足させる。都市などから会員を募集して棚田の修復や台風災害跡地の森林整備、農村ホームステイなどの活動を始める。
 平成9年、活動拠点として、環境に配慮した建物「四季菜館」を建設する。参加者はここで寝泊まりし、環境保全型農業で生産された農作物を食べることによって、総合的な環境保全を身をもって体験している。
 以来稲作コースと山林コースを柱に活動を継続している。
 現在の会員は86家族であり、多彩な人々が参加し交流を深めている。平成16年の活動参加者は、ミニワークを含めて延べ620人に達する。
 山村塾では福岡県内の都市住民と黒木町の農林家がともに作業するのでその活動は農山村と都市交流そのものである。笠原小学生が保存している人形浄瑠璃の観劇やチェロとピアノによる里山コンサート等を通じて文化的な交流をも広く展開している。
 
[団 体]
 氏   名  ふじまつきた       しょうねんだん
富士松北みどりの少年団 
 (愛知県刈谷市)
 功績の概要
 昭和52年結成の同団は、自動車関連企業の多い刈谷市にあり、「緑に親しむ」、「緑の大切さを知る」、「緑を守り育てる」、「緑豊かな郷土をつくる」をテーマに様々な活動を展開している。
 同団の特筆すべき点は、里山再生への貢献である。学校東側には竹藪がはびこる里山林が広がるようになり、これを生き生きとした森によみがえらせた活動である。竹は伐るだけでなく、地元の協力を得て作った炭焼き窯で炭にして来校者や近隣の家庭に配布し、資源の有効活用を図っている。また、校庭のクヌギやシイノキのどんぐりから苗木を作り、林への移植後は下草刈りなどの作業を行い成長を見守っている。
再生した森は、「北っ子の森」と呼ばれ自然環境教育や総合学習の場としてだけでなく、地域住民にとっても、散策などの憩いの場として親しまれている。
 このほか、市内の幼稚園や小学校、公園などへアジサイやアベリアの挿し木苗を提供するなど、地域の緑作りに貢献してきた。
 これら同団の地域に密着した活動は、地域住民の緑化環境への関心を大いに向上させるものとなっている。

[団 体]
 名   称 みや  したむら    かい
宮ノ下村づくり会
 
(富山県富山市)
 功績の概要
 昭和50年当時の野積地区は高度経済成長に伴い地区の過疎化が進行し、地区の活気が薄れかけており、花の街道づくりを通し、明るく住みよい花でいっぱいの魅力ある地域環境をつくるとともに共同作業の素晴らしさ、人と人とのふれあいの大切さを伝えるため、会員16人で組織し、昭和50年3月に当会を結成した。
 昭和58年から本格的な花の街道づくりを開始し、地区内県道の沿道で花の植栽・除草・清掃等の管理を行い、田園風景とも非常に調和し、「やまあいの桃源郷」として訪れた人々の心を癒す場となっている。
 花の街道の延長は、現在では約3,000mにもなり、地区のシンボル的存在になっている。また、会員の各家庭で育成した種子や球根を地区住民に配布して、地域ぐるみの花の里づくりを進めるなど、地域住民の緑化意識の高揚と環境美化に積極的に取り組んでいる。この花の街道づくりの影響は他の市町村にも波及し、交流や理解が深まるとともに、豊かな心身を養うきっかけ作りにもなっている。
 そして、会員の熱心な花づくりの取り組みにより、県内外の花壇コンクールでも優秀な成績を保持し続け、県内でも抜きんでた花街道として、多くの見学者も訪れている。

 
[団 体]
 名   称 もり  しょうねんたい
森の少年隊
 (北海道帯広市)
 功績の概要
 同隊は、学習活動や奉仕活動、レクリエーション活動を通して、自然の大切さを学ぶとともに緑化の実践活動を行っている。
具体的には、開拓などで失われた森林の再生を目指し、昭和50年から進められている市民参加の「帯広の森」造成事業に昭和52年の隊の創設年から参加し、植樹や育樹活動、植樹祭で使用する郷土樹種の育苗活動など、「帯広の森」の造成活動の中で大きな役割を果たしている。
また、隊が活動の中心となり市内の河川敷地に造成したエゾヤマザクラの並木は、春には美しい花を咲かせ市民になごみの場を提供し、さらには国が推進している「緑の回廊づくり」事業(緑豊かな憩いの空間を創出)への発展に寄与した。
 このほか、「帯広の森」での植生調査や樹木の成長調査をはじめ、巣箱掛け、桜並木の剪定、花壇の造成・管理、清掃などの奉仕活動にも積極的に取り組み、地域の緑化・美化の推進に大きく貢献している。
 一方、全国育樹祭大会会長賞受賞後の平成16年からは、指導員等の勉強会を開催するなど、次代を担う人材の育成にも努めている。
 
[学 校]
 名   称 ほこたしりつのともしょうがっこう 
鉾田市立野友小学校
 (茨城県鉾田市)
 功績の概要
 同校では、学校東南斜面の学校林1.1haを利用して様々な活動を行っている。
 同校の学校林は、昭和50年代前半には松くい虫の被害が大きくほとんどの松が立ち枯れたが、昭和55年にPTAの奉仕で杉を中心に植栽を進め、現在の学校林の下地が完成した。その後も学校林は、児童のほかPTAや地域住民の奉仕により下草刈りや間伐などの維持管理がなされ、現在に至っている。
 同校では毎年、学校樹木の中から1本ずつ自分の木を選び、季節毎の変化の観察や自分でできる世話をすることにより樹木への愛着を深める「ぼくの木・わたしの木」を行っているほか、環境アドバイザーによる環境教育なども実施している。
 また、昭和54年から56年にかけて学校林内に整備したフィールドアスレチック施設は、在学児童だけでなく地域住民にとっても誇りとなっており、卒業生が懐かしさを感じて訪れることも多い。これらのフィールドアスレチック施設の改修や遊具の改修に、学校林の間伐材が使用されることもあり、間伐材の有効利用の一例となっている。
 
[地方公共団体]
 名   称 たかやまし 
高山市     (旧高根村)
 (岐阜県高山市)
 功績の概要 
 高山市の高根地域(旧大野郡高根村、平成17年2月に高山市と合併)では、平成元年から地域を訪れる観光客に地域の風土や自然景観を活かした花かざりを楽しんでいただくために、各種住民団体が地域に自生する山野草の花壇づくりに取り組んでいる。
 花壇に使用する山野草の苗は、地元の花卉育苗施設で生産し、毎年8月に高根地域の一大イベントとして開催する「日本一かがり火まつり」の会場周辺や、地域の主要国道、県道沿いなどに、地域全体にわたる花かざりを行っている。
 また、住民団体による環境美化の活動などにも、積極的に取り組んでいる。
 高根地域内の2つの小中学校でも花づくり花かざりに積極的に取り組み、花を育てること、花飾りを行うことで、情操教育を進める取り組みが定着している。
 これらの取り組みは、高原の美しい自然環境や、野麦峠などの歴史的風土に相応しい山野草を主体とした、ユニークな花のまちづくりである。過疎、高齢化が進む地域の時代環境に適合した着実な取り組みとして、高く評価されている。

 
 

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