プレスリリース
平成16年5月10日
林    野    庁

「森林整備に関する消費者団体との懇談会」の概要について

 下記により「森林整備に関する消費者団体との懇談会」を開催しましたので、概要をお知らせします。

1 日 時   平成16年4月28日(水) 15時00分〜16時55分

2 場 所   法曹会館「富士の間」 

3 出席者  佐野 真理子 主婦連合会
         山賀 真須美 消費科学連合会
         高野 ひろみ 全国消費者団体連絡会
         加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会
         天野 晴元 日本生活協同組合連合会
         (順不同、敬称略)

4 委員の主な発言内容
 
これからの森林の役割

○林業で生計を立てている人たちが実際に何に困っているのか、消費者に何ができるのかが分からない。これまで交流がなかったからであり、今後は交流の機会を増やすべき。

○里山が減っているなど、子供達の教育の過程で森林の大切さが見えにくくなっている。子供達にもっと森林に行く機会を与えるべき。

○都会の人には森林は生活に身近なものとなっていない。グリーンツーリズムなどの活動を通じて、市民が森に親しむ糸口を作っていくことができるのではないか。

○森林は、手入れをしないとダメということをもっと訴えていくべき。間伐の必要性についても、良い木を選別して育てなければ、林業が成り立たないことを堂々と訴えるべき。

木材・木質バイオマスの利用推進方策

○地域材で家を建てる活動を行っているが、多くの消費者は、家を建てる際に国産材を使いたくても、どこに行けば手に入るのか分からない。PRや消費者への働きかけが足りない。

○食品関係では、行政や食品メーカーも生産者とのコミュニケーションの場を作り、積極的な説明をしているが、林業関係ではそれがなく、消費者との距離がある。

○木を伐ることは以前は悪いことだと考えていたが、ボランティア活動に参加して木を利用することが大事だということが分かった。こういうことは現地に行ってみないとわからない。

○地方の空港で地域材で作った木の椅子が置いてあった。身近なところで木製品の良さを消費者が実感できるような工夫が大切。

○カートカンの利用の促進をPRすると、従来のリサイクルの推進と矛盾するのではないかという疑問が出てくる。カートカンをワンウェイで使うことが、環境に良いという客観的な評価があれば、消費者としても使いやすい。

○伝統的な木造住宅等の日本の木の文化を後世まで残して伝えて欲しい。また、木のおもちゃ等木製品もデザイナーを養成するなどにより、良い製品を作ることを考えるべき。

地球温暖化防止対策の観点からの森林対策、費用負担のあり方

○木を伐っても収入にはならないが、先祖から受け継いだものなので手放せないという理由で、手入れがされずに持っているだけの山がある。こういう山をどのように整備・活用していくのかを考えるべき。

○温暖化対策は、みな意識としては大切と分かっているが、省エネと言いつつ電気を大量に消費する建物が増えているなど実行がなかなか伴ってこない。

○温暖化対策税の導入には賛成しているが、仮に温暖化対策税が導入された場合、その使途については公平性、透明性の確保が必要。使うべきところにきちんと使えば皆納得する。

○温暖化対策税の使途としての森林整備については、現在どのような対策が講じられ、何が問題になっているのか等の情報が少ないので判断しにくい。
問い合わせ先
  林野庁林政部企画課
  担当者 矢花渉史(内線6061)
         竹中篤史(内線6075)
  電話  03-3502-8111(代表)
       03-3593-6115(直通)

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