平成16年1月23日
林    野    庁

「森林セラピー効果」の医学的解明へ向けた新たな取り組み

 森林浴という言葉の登場から22年。森林がもつ快適性増進効果が広く国民に定着してきた。近年では、森林のもつ”癒し効果”を活かし、健康増進やリハビリテーションに役立てる『森林療法(森林セラピー)』も注目されている。しかしながら、森林の快適性増進効果や療法効果については、医学的な解明が現状では不十分であり、客観的かつ科学的な分析(エビデンス)にもとづく効能の評価と療法メニューの確立が求められている。
 このため林野庁は、16年度より「森林系環境要素が人の生理的効果に及ぼす影響の解明(農林水産省先端技術を活用した農林水産研究高度化事業:平成16〜18年度)」に着手することとし、これにより、森林療法がもたらす心理的効果のみならず、生理的効果について、客観的、科学的な解明を進めていくこととした。
 具体的には、@森林浴がもたらすストレスホルモンの変化、脳活動の変化等の生理的反応を解明するとともに、A音、風景、香り等の森林環境要素が人の五感に与える影響を野外・室内において実証していくこととし、それらの結果を基に、B効果的な森林療法メニュー及び森林療法を可能にする最適森林環境の態様を明らかにしていく。
 また、産学官連携によって「森林セラピー研究会」を立ち上げ、厚生労働省の協力を得ながら健康増進に向けた森林の活用、森林療法にかかる医学的な課題の解明、国民への普及等を図ることとしている。なお、同研究会の設立準備会は1月26日に開催され(資料1)[PDF]、森林療法の総合的な導入と幅広い定着に向けた検討が開始される運びとなった。
問合せ先
林野庁森林整備部研究普及課
 担当 角、北島
 Tel  03-3502-8111(代表)内線6349、6362
     03-3501-3845(直通)

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