平成15年5月28日
林     野    庁
「高齢社会における森林空間の利用に関する調査」について
  
 このことについて、林野庁で調査報告書を作成しましたのでお知らせします。
1 調査の趣旨
 近年、高齢化社会が進行する中で、健康づくりの場として森林を活用することに対する期待が高まっているが、医療・福祉分野と連携した森林空間の活用状況等に関する情報は乏しく、医療機関等のニーズの把握も行われていない。このため、森林空間の利用に関する実態や動向の把握を行うとともに、医療・福祉関係機関等と連携しつつ森林空間の利用を推進する手法について調査・検討を行ったものである。
2 調査結果の概要
(1) 医療・福祉機関等に対するアンケート調査結果
 「医療・療養・生活習慣病予防面における森林の効能」についてアンケート調査を実施したところ、多くの患者又は一部の患者に期待できるとの回答が50〜70%にも及ぶ等、医療・福祉機関等の森林空間の利用に対する期待が高いこと等が判明。
(2)高齢社会に向けた森林整備の方向
 森林整備にあたっては、中高年齢者の心身の状態に合わせて森林空間を利用した健康づくりができるように、利用目的に応じた適切な整備を行う必要があることや、医療・福祉分野において森林空間内での活動をサポートする森林療法士(フォレストセラピスト)の育成、森林の効用に関する科学的な調査研究の必要性等を提案。
(3)高齢社会に向けた3つの森づくり構想 
 中高年齢者の身体機能の程度を「疾病や加齢等に伴い医療や介護が必要」、「病後の体力回復等の療養・保養が必要」及び「生活習慣病の予防(健康づくり)が必要」に大別し、それぞれに対応する「医療・福祉の森」、「療養・保養の森」及び「生活習慣病予防の森(健康づくりの森)」の3タイプの森づくり構想及びそれぞれの森林における「森林活用プログラム」を提案。
3 今後の活用について
 都道府県やアンケートに協力頂いた医療・福祉機関等に配布し、健康づくりの場としての森林の整備・利用方策の企画・検討に活用されることを期待。
(問い合わせ先)
林野庁計画課森林総合利用推進班(岡本、橋本)
03−3502−8111(内6205,6206)
    3502−0048(直通)

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