平成14年1月23日
林    野    庁

木材需要者の意見を聴く懇談会について(議事概要)

1.日時:平成14年1月22日(火)14時〜16時30分

2.場所:農林水産省 林政部会議室

3.議題

(1)国産材利用上の課題と取組方向について
(2)意見等発表

4.主な発言の内容

○ ある木のニーズ調査によると、木の効用を認めない人は0.3%。ユーザーサイドの木に対する意識は高い。

○ 国産材は施工性が悪く、規格もしっかりしていないため、納入した製品が全部使えず、大工手間などの施工費のロスを含めたトータルコストが高くなってしまう。

○ 出版物の中で住宅生産サイドが集成材や金物工法を売りにしても消費者の反応は鈍く、「国産材のムク材」を売りにした方が消費者の目を引きやすい。

○ 消費者側に関心があっても購入を決断しないのは、木材の品質・性能と価格の関係がよく分からないため。こういう性能の木材はいくらするといった情報開示を進めていくことが大きな需要に結びつく。

○ 山の現場、国産材製品の生産現場などを実際に見ることで、山の大切さ、木の家のすばらしさを再認識した。

○ 小学生の頃から森とつながり、環境を体験して学ぶことが大切であり、学校教育を通じてこのような体験をすることを真剣に考えるべき。

○ 工務店からは国産材は高いと言われるだけ。消費者が国産材についての情報をすぐに得られるシステムが出来ればよい。

○ 施主に国産材は良いという説得するデータがないので、権威あるところが出している資料が欲しい。

○ アメリカではインターネットでの見積もりや在庫状況の確認まで可能になっている。我が国でもこのような対応を積極的に進めるべきだが、行政というより、業界団体等が主体となってやるべき。

○ 住宅だけでなく、例えば間伐材は積極的にパルプ利用すべき。その際には流通を変えていくことが必要。

○ 設計者は空間構成、デザイン等を最優先しており、木材はコスト削減の対象。大壁工法では構造材は隠れるので、性能と価格だけで勝負する世界だが、この部分で国産材は外材、集成材に負けている。国産材はばらつきが大きいなど信頼性が低い。

○ 例えば中目のスギを使った梁のような付加価値製品など外材にはないものを供給する必要があり、造作材は構造材よりも可能性は高い。

○ 木材の説明は感覚的な表現が多いため、きちんと説明できるような情報が必要。設計者は施主に言われれば対応せざるを得ないので、施主に国産材の利点を客観的に理解してもらうことが必要。

○ 国産材は、価格が決まっていても価格どおりのものがこない。一等、上小といった基準もあいまい。

○ 住宅に使用される木材の価格透明性について、木材価格だけを示しても手間賃も含めたコストが分からないと消費者は決断できない。

○ 住宅の作り手よりも直接にユーザーへの情報提供、そしてユーザーから作り手への突き上げの方が国産材の利用拡大には効果的と考える。

○ 国産材を使おうと考えている人は「先行層(イノベーター)」であり、押すべきはその下に「追随している大多数層(アダプター)」である。大方の消費者は、もう少し手軽に、簡単にということであり、ここをどう押すかがポイント。

○ 国産材を利用してもらうユーザーをどう設定するかが重要であり、その結果としてどの層に対してどのような情報を出すのかを検討すべき。

○ 一生かけて使うから国産材は良いという運動方向が必要。

○ ただ安ければ良いというのではなく、高くても良いものという考えも大切。

○ 地球環境問題も念頭に大手メーカーの中には国産材を使おうという動きもあると思うが、生産者サイドが甘い。課題をクリアしていく努力が必要。産地は変わるべき。

[問い合わせ先]
 林野庁林政部木材課 小澤、村上
 電話(代)03-3502-8111内6155,6156
   (直)03-3502-8062


林野庁ホームページへ