平成14年11月29日
林    野    庁

第3回林業普及指導事業の在り方に関する懇談会の概要について

1.日 時  平成14年11月26日(火) 14:00〜16:00

2.場 所  林政部会議室

3.議 題

(1)林業普及指導事業の在り方に関する中間とりまとめについて
(2)その他

4.資料説明と意見交換

 関係資料について事務局から説明を行い、その後、各委員から発言。
 主な意見は次のとおり。

○普及の役割として、木材生産中心ではなく、水源のかん養など森林の公益的機能を発揮するために技術を指導することがまず重要。事務局案では、森林の多面的機能発揮のための山づくりの面が弱い。

○高度な技術を現場に普及することが強調されているが、誰のための技術かを考える必要あり。公益的機能発揮の技術へのニーズは森林所有者から出にくいが、一般国民の期待は大きく、公益的機能のための技術を明示した方がよい。そういう意味では、森林・林業基本法により森林所有者の責務が義務づけられており、この観点を公益的機能のための技術の普及の必要性と結びつけられないか。

○森林の公益的機能に関する技術の普及を担うことを明確にして欲しい。

○森林の多様な公益的機能に対して普及が具体的にどのように関わるのかを明らかにして欲しい。

○意欲ある中核的林家を技術で支えて欲しい。

○環境教育は一般林業行政が担うのが基本としているが、今の林野庁の行政の流れと照らしてそれでよいのだろうか。

○放棄された森林が多くなっており、木材生産が経済的に困難になっている林家に対して、森林の保全の技術を伝えることが緊急に必要。環境教育は林研グループでも担うことが可能。

○高度な技術を持った専門家とアドバイザーを同一人に求めるのは困難。まず専門分野で経験を積み、その後幅を広げるように普及指導職員の養成の中で段階を経て求められる機能を身につける仕組みとしてはいかがか。

○例えば森林の公益的機能に対する正しい認識を普及させることを基本的役割とし、専門的技術が森林の公益的機能の発揮に貢献していることについての認識を地域の人に持たせることを機能とするというように、時代の要請に応えて新しい分野へ進出すべきではないか。

○高度な技術支援とは、世の中の価値観や社会的ニーズの変化、吸収源としての森林の育成及び地球規模の課題に対応できる技術を普及することとして打ち出せないか。

○普及事業としてどの部分を残し、最大限の効果を上げていくかがポイント。川下が求めることや温暖化の問題は普及では無理であり一般林業行政で取り組むべき。残った部分であっても、普及が取り組むべき技術は、病害虫防除、機械化推進などいろいろある。

○公益に加えて私益にも関わることが普及の特徴であり、公益的機能を発揮しつつ、成長した人工林等を有効に利用する技術を普及していく必要あり。その点で普及指導職員の技術力はまだまだ低い。

○AGはSPに頼る傾向がある。AGとSPの区分を廃止してもよいのでは。

○普及職員を専任とすべき。普及に徹し、職員が自覚を高め技術を磨くようになればよい。

○普及職員が兼任する一般行政の内容が問題なのではないか。造林や特用林産ならば行政施策と組み合わせることで有効な普及ができる。

○技術のニーズを林家や一般国民から汲み上げることも普及の基本的役割。

○論点整理の項目として、「民間との連携、役割分担」が必要。                

お問い合わせ先
林野庁 研究普及課 
普及教育班 田中、富岡
tel:03-3501-3845(直通)
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