プレスリリース
                              

平成13年9月7日
林   野   庁

第104回林政審議会の概要について

第104回林政審議会が下記のとおり開催されましたので、お知らせいたします。
今回は、森林・林業基本計画の策定について審議を行いました。  

1 日 時:平成13年9月6日(木) 午後1時30分〜4時30分

2 場 所:KKRホテル東京「瑞宝の間」

3 議 題:森林・林業基本計画の策定について

4 主な発言内容

(1)「林業経営基盤の強化並びに木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本方針」の見直し案について

○長伐期施業等の推進のところだが、地理的条件の勘案は良いが、長伐期施業と複層林施業を強調しすぎ。地域によって地理的条件を勘案すれば、単層林施業をすべき場所もあるのではないのか。

○都会の人は条件の良すぎるところには行きたくない。むしろ、森から森へ歩くようなグリーントレイルを整備して欲しい。

(2)「全国森林計画」の変更の考え方について

○公益的機能別森林施業とあるが、「公益的機能」と「多面的機能」の使い分けはどのようにしているのか。

(3)森林・林業基本計画(素案)について

○今回の計画の特徴は森林の多面的機能を大いに強調しようということ。「多面的機能」は、マルチプルファンクショナリティとして欧米の文献に頻繁に出てくる用語であり、世界的にも通用。このことを基本計画で打ち出してみれば、説得力がさらに増すのではないか。

○この計画の特徴は、国民によるものであるということである。現在の書きぶりでは、計画に従って国民が参加するようにも見えるが、計画の策定に参画することも重要。

○多面的機能の発揮のための目標を木材生産量で表現している。木材生産を前提にしているような感じがするため、公益的機能の発揮の程度をはっきり示さないと、森林のもつ付加価値についての議論につながっていかない。

○森林の総面積は将来とも横這いで推移するとしても、地球温暖化防止対策で植林等を推進しようとする政策のダイナミック性を示し得るよう、地目間の出入りがあることを見て取れるよう工夫が必要ではないか。

○「バリアフリー」との語は今は通りがよいかもしれないが、世界的に見れば「ユニバーサルデザイン」の語が一般的。横文字が不適であれば「幼児から高齢者までの多様な利用に対応できる」といった表現も考えられる。

○認証・ラベリングについて国としての考え方が見えるように工夫を。

○林道の開設に当たってはコストを削減していく発想が大事。素材生産コストの低減には機械化の推進が今後とも重要。

○二酸化炭素の問題の主たる部分は都市の問題であり、木材利用の問題もあるはずだが、問題の所在が森林に押しつけられている印象を受ける。

○林業労働未経験者への教育システムの構築や、資格制度の活用が必要。資格制度の活用によりドイツでは林業従事者の社会的地位も向上したと聞く。

○先日、フィンランドを訪れたところ、空港のベンチやホテルのカードキーまで木製だった。木材利用推進の課題として住宅、公共事業、バイオマスエネルギーの各分野が取り上げられているが、家具や什器など身近なものへも目を向けてはどうか。

○全般に堅苦しいイメージがある。国民が参加できるような文化や芸術といった表現があるといくらか和らぐのではないか。

○獣害問題については、単に被害を与えているという記述にとどめず、共生の観点からも書き込んではどうか。  

  問い合わせ先  
林野庁基本計画検討室  益田、村上
 電話(代)03-3502-8111 (内6097、6098)
   (直)03-3591-1680