プレスリリース

平成12年度 林業機械保有状況調査の概要について(民有林)

平成13年9月18日
林野庁技術開発推進室

 林業機械の普及に資するため、民有林の林業機械の保有台数について毎年度調査を行っている。平成12年度(平成13年3月末現在)の保有状況は以下のとおりである。

高性能林業機械の保有状況

(1) 平成12年度の保有台数は、前年度の2,140台から162台増加して、2,302台(対前年度比108%)となった。平成10年度まで6年連続 で200台以上の増加を示していたが、平成12年度は平成11年度に引き続き伸びが鈍化した。
表1、図1

(2) 機種別の保有台数は、プロセッサが最も多く862台(対前年度比107%)で全体の37%を占めている。プロセッサは造材を行う機械であり、路上や土場において、材の枝払い、測尺、玉切りを効率的に行うことができるため、最も導入台数が多くなっている。
 また造材機能に加えて伐倒機能を持つ小型軽量なハーベスタは小型プロセッサの代替機械として使用されることも多く、この両者を合わせると全体の 54%を占める。

(3) 増加率ではタワーヤーダ系機械(タワーヤーダ+スイングヤーダ、対前年 度比117%)が最も高くなっている。タワーヤーダ系機械のうちスイングヤーダ(対前年度比153%)は、パワーショベルに林業用集材ウインチを搭載したもので、汎用性・簡便性から急速に普及しつつある。このため本年度より調査項目の見直しを行っている
(注参照)。
 また、フォワーダ(対前年度比111%)も順調な伸びを示している。フォワーダは造材された短幹材を作業道や林地から林道端の土場まで積載集材する車両系機械であり、間伐や小規模伐採における省力化に有効なため、増加率が高くなっている。

(4) 都道府県別保有台数は、北海道が最も多く395台、次いで宮崎県166台、大分県118台、熊本県115台となっており、九州地方で保有 台数が多い。
 増加率については、これまで導入が遅れていた中国、近畿地方のほか、四国、東北地方の伸びが大きくなっており、秋田県、愛媛県、高知県、宮崎県等比較的素材生産量が多い県を中心に引き続きプロセッサの導入が進んでいるほか、東北地方の比較的傾斜の緩やかな県で車輌運材系のフォワーダ、スキッダが、また、中国、四国、九州地方を中心にスイングヤーダの導入が急速に進みつつある。
別表1別表2

(5) 保有形態別保有台数は、会社が最も多く、925台(全体の40%)、森林組合537台、その他組合等461台、個人284台となっている。
 林業労働力確保支援センターの保有台数は、平成11年度の164台から15台増加して179台(対前年度比109%)となり、今後も機械の貸付が順調に行われることが期待される。
別表3

(6) 測尺機構がないため高性能林業機械としてはカウントされていないグラップルソー(チェーンソー付きグラップルクレーン)は全国で多数導入されているが、平成12年度は、484台(対前年度比96%)と減少した。プロ セッサの普及による代替が進んでいるためと考えられる。地域別では中国地方、北海道で多く導入されている。
別表1

注:調査項目の見直しについて

@ 平成12年度より調査項目の見直しを行い、スイングヤーダ(前年度までタワーヤーダの一種として調査)及びその他の高性能林業機械(従来の高性能林業機械6機種以外の高性能林業機械)を調査項目に加えた。

A 建設用ベースマシン(パワーショベル)に集材用ウインチを搭載したスイングヤーダは広義にはタワーヤーダに含められるが、集材距離や機構、作業方法等の違い及び作業道開設作業への使用等が可能であることから区別することとした。

B その他の高性能林業機械として、従来の高性能林業機械6機種以外の機械(フェラースキッダ、下刈機械、ハイブリッド機械等)の今後の導入が見込まれることから新たに項目を追加した。
 ハイブリッド機械はベースマシンに複数の作業機を装備した2つ以上の機能をもつ高性能林業機械であり、本年度調査では13台計上されている。

参考1参考図1参考2

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