プレスリリース

 

花粉生産量の予測手法等に関する調査の実施について

 

平成13年8月16日
林野庁研究普及課

 林野庁は、花粉症に対する森林・林業側からの対策として、平成13年度から5年間の予定で、「花粉生産量予測システム普及事業」と「スギ花粉生産森林情報調査整備事業」を実施する。
 これらは、花粉飛散予測情報の精度向上と、花粉生産抑制に効果的な森林施業の確立を目指し、林野庁が関東地域で開発した花粉生産量予測技術を全国に適用できる技術として確立、普及するとともに、花粉生産量の多い森林の要因調査分析とその地理情報化を行うものである。
 事業実施主体は、(社)全国林業改良普及協会。全国24都府県等の積極的な協力を得て事業を展開する。
 先般、関係都府県担当者を対象に事業説明会が開催され、事業の具体的方法、実施都府県、スケジュール等が決定されたので公表する。

1.事業概要

(1)花粉生産量予測システム普及事業

 これまでに関東地域で開発し、気象協会が関東地域で提供する精度の高い花粉飛散予測情報の基礎となっている花粉生産量予測手法を全国に普及する事業。
 前年の秋にスギ林の雄花のつき具合を観察して予測した翌春の花粉生産量と実際の花粉生産量との相関を分析することにより、各地域に応じた花粉生産量予測技術を確立する。
 これにより、現在行われている前年夏の気象による総飛散量の予測に比べ格段に精度が向上し、全国各地域でより正確な花粉飛散情報の提供が可能となる。

(2)スギ花粉生産森林情報調査整備事業

 4大都市圏を対象に、花粉生産量の多い森林の要因を調査するとともに、その地理情報化を行い、花粉生産抑制に効果的な森林施業の確立に資する事業。
 大都市への影響が大きいと考えられる中心部から原則として半径約100kmの範囲に分布するスギ人工林において、1都府県当たり約50点の観測定点を設定し、雄花着生状態の観測と要因解析を行うとともに、地理情報システムによる情報提供等を行うもの。
 これにより、大都市に影響を及ぼすスギ林への、要因に応じた効果的な施策の投入が可能となる。

2.実施都府県

(1)花粉生産量予測システム普及事業

福島県、富山県、長野県、和歌山県、鳥取県、広島県、徳島県、長崎県の8県。
(事業参加を希望した都府県から地域的なバランスを考慮して選定)

(2)スギ花粉生産森林情報調査整備事業

東京圏(茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋圏(岐阜県、愛知県、三重県)、大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)、福岡圏(福岡県、佐賀県、熊本県、大分県)の4地区16都府県。
(各圏中心から原則約100km内にスギ林が分布する都府県)

3.スケジュール

10月頃から各地域の現場でスギ林雄花観測調査等に関する現地研修等を行い、11月から調査を開始する予定。

問い合わせ先

林野庁 研究普及課 技術開発推進室
〒100-8952 東京都千代田区霞ヶ関1-2-1
TEL 03-3502-8111(内線6358)
   03-3501-5025(直  通)
FAX 03-3502-2887
担当:北村・上野・原口