プレスリリース

平成13年7月11日
林    野    庁

森林の多様な機能の持続的発揮を図る観点からの山村の活性化方策と集落整備に関する検討会(第4回議事概要)

1.日 時:平成13年7月10日(火) 14時〜16時20分

2.場 所:三田共用会議所 第1特別会議室

3.議 題:(1)今後の山村振興と集落整備に係る要望について

(2)これまでの主な論点について

(3)その他

<委員の主な発言内容>

○ 森林の管理と整備というそれぞれの視点から検討することが重要。森林の整備は町村外からの通勤でも可能であるが、森林の管理は、文化としての森林を守る視点からも、できるだけ森林に近いところに集落が維持されることが必要。

○ 今後は、都市部と山村の二極分化が進み、山村は癒しやリフレッシュといった機能が期待されると思う。また、山村の果たしている機能をゾーニングして明確にすることが必要。

○ 森林管理を進める上で、山村に人が住むことは必要だが、小学校の廃校等により集落の求心力が低下したような例もあり、今後の集落の維持を図る上で市町村行政の果たす役割は重要。いずれにしても魅力ある集落、山村をつくるための取組が必要。

○ 農林業経営が厳しい中で山村の振興を図るためには、民間資金の導入か、公的資金による支援が不可欠。民間資金の導入に際しては民間企業の森林管理に対する貢献度を具体的に評価するシステムが必要。公的資金の導入に当たっては、森林・山村の都市住民への客観的な貢献度を示すべき。

○ 集落の中に多様な価値観を持った人の受入が必要。但し、受入に際しては山村で安定的な経営形態が兼業農家であることを踏まえ、兼業を前提としたアプローチが重要。

○ Iターン者のライフスタイルの実現の場として、山村は重要な価値がある。Iターン者の受入については、地域の特色を活かした取組が必要であり、例えば、一軒家の空き家を重点的に用意するところもあれば、徹底的に整備されたIターン者用住宅を整備するところもあるなど、いろいろあっていいと思う。Iターン者の要望に合わせ、多様な受け皿をつくることが重要。

○ 新規参入者の受入に当たって、例えば、農地への執着が強いあまり、実際に使っていない土地でさえ譲らないなど、新規参入者の受入を妨げている部分もあるのではないか。そういった意識構造の変化を促すことも必要。

○ 若者のIターンが長続きしない一番の理由は、賃金や労働条件ではなく、数年に一人といった新規雇用の少なさにより、職場で同世代の話し相手がいないことが挙げられる。このため、話し相手となる同世代の人間を安定して雇用することが重要。

○ 中山間地域の直接支払制度等が導入される集落は比較的大きな集落が中心であり、小規模な集落ほど導入されにくい状況。これは、地域リーダーの有無が大きな要因と考えられ、戸数が少なく住民全てが顔見知りといった小さな集落では、頭抜けたリーダーが生まれにくいといったメカニズムもあるのではないか。

○ 人の問題は重要。従来は特に意識しなくても、地域リーダーとしての資質の備わった者が戻ってきたが、現在は集落で教育できる状況にはなく、意識的にリーダーを育てることが必要。  

<問い合わせ先>
林野庁 森林整備部 計画課
        池田、金谷
  電話(代)03-3502-8111 内6207,6208
    (直)03-3502-0048