農林水産大臣の談話

新たな森林・林業行政の推進について

平成13年6月29日

1 本日、森林・林業基本法が成立いたしました。本法は、森林・林業政策の改革に向けた関係者の精力的な御議論を経て成立に至ったものであり、関係各位の御尽力に対し、心から感謝と敬意を表するものであります。

2 森林・林業基本法は、森林に対する国民の要請の変化や林業をめぐる厳しい情勢に対応すべく、ほぼ40年ぶりに林業基本法を抜本的に見直し、国家社会における森林・林業の位置づけを明確にするとともに、新たな理念の下に、講ずべき施策の基本方向を明らかにしたものであります。
 森林が我々にもたらしてくれるおいしい水、きれいな空気、美しい自然などの様々な恵みが、将来にわたり確保されるよう森林を守り育てていくとともに、そのために不可欠な林業・木材産業の構造改革を推進することは、今まさに取り組まなければならない重要な課題であります。

3 本法の成立により、森林・林業政策の向かうべき方向付けはできましたが、それだけでは十分ではなく、新基本法に定められた理念、施策の基本方向を具体化し、それを着実に実施に移していくことが求められています。
 政府としては、本年秋を目途に、新基本法に基づく「森林・林業基本計画」を策定し、個々の施策の具体化を着実に進めていくとともに、今後とも必要な法制度の整備や財源の確保に邁進していく所存であります。

4 また、新基本法が掲げる理念を実現するには、地域の実状を踏まえた地方公共団体の施策の推進や森林所有者、林業従事者、木材産業事業者はもとより、広く国民全体の理解と取組が不可欠であります。
 森林は国土の礎そのものであり、21世紀において恵み豊かな生活を享受するためには、森林が豊かであることがなによりも大切であると思います。
 今回の森林・林業基本法の制定を契機として、くらしといのちの安全とやすらぎの礎としての森林・林業の役割が適切に発揮され、また、緑豊かな森林整備に向けた国民的な取組みを通じ、人と自然が共生する美しい国造りが進められるよう、国民各位の御理解と御支援を心からお願いする次第であります。


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