プレス・リリース
 

平成13年6月6日
林   野   庁

第30回ITTO理事会の結果について

1. 国際熱帯木材機関の第30回理事会は、平成13年5月28日(月)から6月2日(土)までの6日間、カメルーン(ヤウンデ)において開催され、12件の決議を採択した。

2.  理事会には、マレイシア、ブラジル、ガボン等の熱帯木材生産国及び日本、米国、EU等の消費国(計38カ国と1地域)の政府代表の他、オブザーバーとして赤道ギニア等非加盟国3カ国、FAO等関係国際機関、木材業界団体、NGOが参加した。また、我が国からは、林野庁及び外務省からなる政府代表団が出席した。

3.  開会式では、ムソンゲ カメルーン首相、ソブラルITTO事務局長、タカハシ理事会議長(ペルー)、カメルーン森林環境省大臣、コンゴー共和国森林・経済省大臣、象牙海岸水・森林大臣、ガーナ土地・森林・鉱山省大臣等がステートメントを行った。

4.  前理事会で決議された「目標2000」の達成に向けた取組の一つとして、熱帯木材生産国における国レベルの取組の進捗状況をITTOの基準・指標報告様式に基づき2001年の12月末までに報告することが決議された。これに伴い、以前より行ってきた基準・指標マニュアルの使用に関する訓練を国レベルにおいて実施することも決議された。また、ITTOに対し診断ミッションの派遣要請がコンゴー共和国、ブラジル等から提出された。また、中部アフリカのコンゴー流域においては特別ミッションを送り地域及び各国における「目標2000」に向けた取組に対し助言を行うこととした。更に、コンゴー共和国、PNGでは「目標2000委員会」を設置することを決定しその支援の要請が出された。

5.  前理事会から持ち越した重要案件である違法伐採問題について多くの時間をかけ議論が行われたものの、ブラジル、マレイシア等が違法伐採問題はUNFF等ハイレベルでの判断に委ねる必要がありITTOでの議論をストップするよう強行に要請したため、今次理事会においても審議が物別れに終わった。

6.  認証に関して、熱帯木材の木材貿易市場における透明性の改善や生産国の責任と消費国の選択を促進するため、幅広い参加者の意見交換による認証に関するワークショップの開催、及び、ITTOの基準・指標の実施と内部監査に関する人材育成のためのプロジェクトの提出の促進が決議された。本件に関しては、一部の国が今までITTOで取り扱うべきでないと主張してきたものの、生産国側が熱帯木材が貿易市場で遅れをとっており認証の促進が熱帯木材の市場を守る上から不可欠なものとの強い要請から、特定の認証制度を支援するものでないことを前提に合意に至った。

7.  ITTOの国際社会における役割を高めるため、国際・地域機関等との協力について専門家委員会の報告を受けて、UNFF、FAO、CIFOR、CSD(リオ10)等との協力と貢献を促進することが決議された。特に、UNFFとの関係では、期待できる効果、各種のイベントのタイミングを考慮して理事会へ進捗状況を報告することとした。更に、UNFFへITTOより専門家を送ることについて調整されることとなった。

8.  加盟国における熱帯二次林の管理、劣化した熱帯林の復旧造林等のガイドラインの作成をFAOやIUCNとの協力により作成することが決議された。また、FAOとの協賛で持続可能な森林経営のための基準・指標会議を2002年に行われることとなった。

9.  合計25件のプロジェクト・事前プロジェクト、その他活動への承認・拠出が行われ、我が国はインドネシアにおける持続可能な森林経営のための違法伐採抑制のガイドラインの開発・実施プロジェクト、カメルーンにおける森林学校の訓練技術と戦略の強化プロジェクト等への拠出を表明した。

10. 次回以降の理事会の予定は以下の通り。

(1) 第31回 2001年10月29日〜11月 3日 横浜市

(2) 第32回 2002年 5月13日〜 5月18日 インドネシア

[※ 参考資料]

  木材貿易対策室 貿易第二班 
  担当:平沼、高濱
  TEL: 03-3502-8111  内線 6186
     03-3502-7830  直通