プレスリリース
 

平成13年5月28日
林野庁(関東森林管理局東京分局)

「森のなんでも相談室」が発足します

 森林・木材については、地球温暖化問題や生活環境の保全、快適な居住空間の形成などに関連して、国民の大きな関心を集めていますが、首都圏の住民は、身近に森林が少ないことや的確に情報提供できる機関がないことから、森林や木材への漠然とした関心は持っていても、それを学んだり体験するといったきっかけがつかめないでいる方が多い状況にあります。  これまでに、関東森林管理局東京分局においては、森林ボランティアなど森林内での活動を継続的・自主的に積極的に推進するための「西暦2000年の森」の設定や森林ボランティア協議会への支援等を進めるなどにより、首都圏の市民を対象とした森林とのふれあいや体験活動を展開するほか、江東区潮見にある「ウッデイランド東京」を東京分局庁舎に移転し、「木とのふれあい推進室」として市民と木材とのふれあい活動を推進することとしています。
 しかし、森林・樹木・林業についての情報や知識の発信、市民からの要望や疑問への対応などについては、どの機関もこれに適切に対応できていないことから、これらに関して、都市住民に対し広く継続的に情報を発信・受信していくための体制を整備することが各方面から要請されています。
 このため、今回新たに、(社)国土緑化推進機構の森林基金の支援を受けて、森林、樹木や林業にかかる情報発信業務を担う「森のなんでも相談室」を運営協議会方式により、東京分局庁舎内に6月1日から発足する運びとなりました。
 ところで、これまで潮見において、(財)日本木材総合情報センターが運営しておりました既設の「木のなんでも相談室」は、平成13年8月に東京分局庁舎に移転することとなっていますので、両相談室により森林・林業と樹木や木材利用を相互に関連させた情報発信を一体として行うことが可能となります。
 「森のなんでも相談室」では、森林生態や林業経営などの研究者が相談に応じることとしています。小学生などの初心者からこの種業務に携わる専門家までの幅広い要請に応え得る「森林と木材の情報発信基地」の一翼を担い、首都圏4千万人の皆様の幅広い期待に応えることができるように努めて参ります。

(参考1) 「森のなんでも相談室」の概要

(1)業務内容

ア)森林・林業・樹木についての市民からの相談に応じます。
イ)森林や木材についての公開講座、森林教室を関係組織と連携して実施します。
ウ)森林ボランティア対象地、団体の紹介等この活動を支援します。
エ)持続可能な森林経営についての普及・啓発活動を行います。
オ)学校が行う児童、生徒への環境教育プログラム(森林ボランティア活動、森林   教室等)に協力や紹介をします。  

(2)運営の方法

ア)平成13年6月1日から発足しますが、木のなんでも相談室等と連携した情報発信基地としての活動は、8月1日から開始します。なお、8月1日までの間も相談業務は行います。
イ)相談室長は、森林総合研究所を退官した研究者です。室長の専門外の分野の相談事項については、森林総合研究所、日本林業技術協会、日本緑化センター等の   連携機関の専門家の協力を得て回答することとしています。
ウ)相談は、平日の午前10時から午後5時まで相談室で行います。(電話も可)
但し、相談室長は、原則として、毎週火曜日と木曜日の勤務となっていますので、その他の曜日は相談の受付だけを行い、後日回答します。
エ)相談料は無料です。なお、公開講座等については原則として実費相当額が必要となります。
オ)ビデオ、図書等を順次整備することとしていますので活用してください。
なお、将来的にはインターネットを活用した相談にも応じたいと考えています。

(参考2) 既設の「木のなんでも相談室」の活動状況

(財)日本木材総合情報センターが昭和63年10月に江東区潮見にある「ウッデイランド東京」の敷地内に開設した。現在の相談室長は、東京大学名誉教授の岡野  健氏である。木材についての相談に応じるほか、パンフ「環境にやさしい木の話」の配布、木製品サンプルの展示、住宅部材の性能の紹介、データベースによる木材情報の提供、図書やビデオの閲覧などを行っている。
 開設以降、現在までに2万件を超える相談を受けている。

参考3) 「西暦2000年の森」について

 東京分局は、開かれた国有林活動の一環として、国民参加による森林整備を推進するために、1世紀(100年)にわたり、ボランティア団体が、その活動を継続  的かつ自主的に可能となる森林を公開している。
交通アクセス、施設の整備状況、市民に馴染みのある地域などを考慮して、以下の4カ所に設定されている。

筑波山( 856ヘクタール)
高尾山( 681ヘクタール)
箱根 ( 481ヘクタール)
富士山(2364ヘクタール)