プレスリリース
平成13年4月3日
林 野 庁
昨年5月より、学識経験者等からなる「林木等を対象とした遺伝子組換え体の利用に関する検討会」を開催し、林木を対象とした遺伝子組換え体の利用に関する指針について検討がなされたところです。
この度、同検討会において、別添のとおり指針がとりまとめられましたので、お知らせいたします。
問い合わせ先
林野庁森林整備部研究普及課
担当者 亀田 (内線6354)
電 話 03(3502)8111(代表)
03(3501)3845(直通)
林木を対象とした遺伝子組換え体の利用に関する指針(概要)
1 閉鎖系及び非閉鎖系区画において組換え林木を栽培する実験
○ 組換え林木の安全性の評価に当たっては、次の措置を講ずることができる。
・ 花芽がつくまでの期間が長くかかることから、ジベレリン(着花促進剤)等の活用によ り、短期間で組換え林木の花芽を着ける措置を講ずること
・ 樹体が長大となることから、実験室内の高さに応じて、組換え林木を断幹、剪定する措置を講ずること
○ 組換え林木の花粉の飛散、種子の分散を防止することが不可欠であることから、特に次の措置を厳重に行うこと
・ 閉鎖系区画における換気については、組換え林木の花粉及び種子を捕捉できるフィルターを通じて行うこと
・ 非閉鎖系区画においては、組換え林木について、花粉の飛散をしないように袋掛け又は除雄、種子の分散をしないように摘果の措置を講ずること
2 野外隔離実験区画において組換え林木を栽培する実験
○ 組換え林木の場合、森林生態系への影響として花粉の飛散、種子の分散の問題を特に考慮する必要があることから、野外隔離実験区画においては、非閉鎖系区画における措置と同様に、花粉の飛散をしなように袋掛け又は除雄の措置、種子の分散をしないように摘果の措置を講ずること
資料
(五十音順・敬称略)
井出(いで) 雄二(ゆうじ) 東京大学大学院教授 井上(いのうえ) 敏雄(としお) 日本製紙株式会社研究開発本部技術研究所長 岡(おか) 成美(せいび) 茨城県農業総合センター生物工学研究所長 宍戸(ししど) 和夫(かずお) 東京工業大学大学院教授 柴田(しばた) 勝(まさる) 王子製紙株式会社原材料本部森林資源研究所長 諸星(もろほし) 紀幸(のりゆき) 東京農工大学大学院教授 *座長:諸星 紀幸 委員