プレスリリース
 
       

林・水産物に係るWTO交渉についての基本的考え方について

平成13年4月20日
林野庁木材課
水産庁加工流通課

本年11月にカタールで開催される予定の第4回WTO閣僚会議に向けて、農林水産省として、林・水産物に係るWTO交渉についての基本的考え方を別紙のとおり取りまとめましたので、お知らせします。

               


 問合せ先農林水産省(代表03−3502−8111)
      林野庁木材課木材貿易対策室
       澤山、畑 (内線6183,6184)
      水産庁加工流通課
       太田、新村(内線7125,7124)

 


(別紙)

平成13年4月
農林水産省

林水産物に係るWTO交渉についての基本的考え方

   
  交渉の枠組みについての考え方  
 林水産物を次期WTO新ラウンドの交渉の対象とする場合には、地球規模の環境問題及び有限天然資源の持続的利用の観点を踏まえた議論が可能となるような交渉の枠組みを確保するよう主張。
 

交渉における主張のポイント

(1)総論

林水産物のように適切な管理を行わなければ枯渇する再生可能な有限天然資源については、その適切な資源保存管理の推進を通じた資源の持続的利用に貢献し、輸出国と輸入国のいずれにとっても公平でかつ真に公正な貿易ルールを確立。また、森林及び漁業・漁村の有する多面的機能に配慮。

(2)林産物

@ 持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールの必要性

ア 地球規模の環境問題に配慮しつつ、持続可能な森林経営の助長と違法伐採等これを阻害する活動の抑制につながるような貿易ルールの確立が必要。

イ また、輸出入国間の権利義務のバランスを確保するとの観点に立って、森林の公益的機能を維持するための適切な林業活動の推進等、輸出国と輸入国の双方における持続可能な森林経営の推進に資するような貿易ルールの確立が必要。

A 市場アクセス

輸入国において林業・木材産業の健全な維持・発展を通じた持続可能な森林経営の推進が阻害されないよう配慮した国境措置とすべき。      

(3)水産物

@ 資源の持続的利用に貢献する貿易ルールの必要性

資源状況を無視した乱獲や保存管理ルールに従わない漁獲活動を抑制し、持続的利用に貢献するような貿易ルールの確立が必要。

A 市場アクセス

資源の保存管理、水産物の安定供給の観点、漁業・漁村の有する多面的機能等に配慮したものとすべき。(輸入割当制度の存続については、EUとの間で引き続き協議)

B 漁業補助金

資源保存の観点から、漁業補助金だけでなく、資源の持続的利用を阻害する全ての要因について検討。
まずFAO等専門機関での議論を踏まえた上で、WTOで検討。