プレスリリース

平成12年8月22日

林    野    庁

第94回林政審議会の開催について

 第94回林政審議会が下記のとおり開催されましたので、お知らせいたします。本日は、住宅産業、森林組合、林家、地方公共団体から参考人の出席をいただき、森林・林業・木材産業の基本政策に関する意見を聴取しました。
 なお、次回は、平成12年9月7日(木)に開催の予定です。

1.日 時:平成12年8月22日(火) 午後2時〜5時
2.場 所:農林水産省 第2特別会議室
3.議 題:森林・林業・木材産業基本政策に関する参考人からの意見聴取
4.主な発言内容
○ 基本政策を検討するに当たっては、地球温暖化問題や環境問題を考えると、地域でつくられた木を地域で使うという考え方が必要であり、それが欠けているので拍子抜けしたような印象を受ける。
○ 施策を検討する場合、全国一律の考え方ではなく、地域の特性に配慮してほしい。
○ 森林組合は全国的な組織であり、この強みをもっと発揮すべきであり、そのためには甘やかすことなく育成することやトップの意識改革が必要。
○ 効率的・効果的な森林整備や資源の活用を図るためには、GISの活用等により森林に関する情報を十分把握することが必要。
○ 基本政策を検討する場合、その前提として、木材価格がさらに下落するなど、これまで以上に悪化する場合のことも考えておくべき。
○ 木造住宅に住みたいという要望は高いが、木造でさえあれば良いという時代は終わっており、性能の向上やコストの削減に努めていくことが必要。
○ 木造軸組住宅は増改築が容易なことに加え、環境に優しく、健康にも良いということをもっと国民にPRすることも必要。
○ 木造住宅に他の住宅と同じくらいの性能を持たせることができれば、木造の良さがアピールできるので、住宅の品質確保法の施行はむしろチャンスである。
○ ゾーニングについては、適地適木といった形で個別林家にとっては当たり前のことであるが、私的所有権の問題もあり、地域的にやるのは難しいのではないか。
○ 外材の消費量が伸びたのは、統一規格のものを定価格で安定的に供給できたためであり、国産材についても、同様に提供できる体制整備が必要。
○ 住まい手が住宅市場をリードする時代。マーケットニーズに応え得る体制整備が必要。
○ 住宅の品質確保法の施行により、10年間の瑕疵担保保証が必要となったが、それに対応するためには、乾燥材の供給が不可欠。
○ 山村地域の振興方策を検討するためには、林野庁のみならず、幅広い省庁の連携による対策が必要。
○ 林業の担い手を育成するためには、教育が必要であり、研修に要する経費等に対して更なる支援が必要ではないか。
○ 森林計画を見ると、施策と現場との間にズレが大きい。施策を検討するに当たっては、現場実態を十分踏まえることが必要。
○ 林業経営がますます困難になる中で、施業や経営を受託しても採算が合わなければ、今後、誰がどのように森林の手入れをしていけるのか。
○ 人工林であっても取り扱い方によっては公益的機能を十分発揮できる。複層林については、いったん出来上がれば手がかからないが、そこにもっていくまでが課題。難しい点も多いが、それぞれの地域や経営に合ったやり方を考えていけば可能ではないか。
○ 森林は水を育み、その水が人々や海を育んでいる。基本政策を検討するに当たっては、そういった「水」の視点が必要。
○ 不在村所有者を中心に、森林に対する意識が低下している。市町村長にもっと権限を与え、施業を行うことができる仕組みや所有者に利益が還元できるような方策が必要。
○ 林業を環境産業として位置づけ、地域で生産される木材を地域で消費することや、森林整備に利用できる新たな財源を創設することなど、総合的な方向付けが必要。
○ 間伐材の集成材については、価格の問題がある。価格の問題がクリアでき、品質が揃えられれば使われると思うので、その点を解決すべき。
○ 後継者の育成・確保については、森林組合、市町村が一体となって取り組むべき。
○ 10年後、自分たちの町がどうなっていくのかについて、行政は明確なビジョンを示してほしい。
○ 森林組合の役割は、地域の森林の現状把握、ビジョンの提案、施業や経営の受委託の斡旋などであり、作業班は切り離し、競争原理を導入して効率的に作業が行えるようにすべき。

問い合わせ先
林野庁企画課 課長補佐 河野 晃
〃 係 長 坂井 康宏
電話(代)03-3502-8111(内6072、6073)
(直)03-3501-3817