平成20年度概算決定額(平成19年度予算額)
(単位:百万円)

【森林整備事業・治山事業 267,885(282,368)百万円の内数】
【美しい森林づくり推進国民運動の展開 1,433(1,118)百万円の内数】
    【花粉発生源対策プロジェクト 2,587(30)百万円】
対策のポイント
  地球温暖化防止と森林資源の次世代への継承のために、「美しい森林づくり」を推進します。
 その内容は、総合的な間伐推進のための「美しい森林づくり」促進対策、美しい森林づくり推進国民運動の展開、花粉発生源対策などです。
(我が国の森林・林業の現状)
・森林吸収目標達成を図るために間伐実施が必要な330万haのうち、高齢級(10齢級以上)の森林が約150万ha(45%)。
・私有林の4分の1を不在村森林所有者が所有(327万ha)。
・平成18年の木材の自給率は前年に引き続き2割を超え(20.3%)、国産材の利用量は増加傾向。
政策目標
        @ 2007年〜2012年の6年間で330万haの間伐を実施し間伐の遅れを解消
        A 100年先を見据え、広葉樹林化、長伐期化、針広混交林化等多様な森林づくりを推進
                                                            
                               京都議定書第1約束期間(2008年から2012年)における
                                       森林吸収目標1300万炭素トンの達成
1. 「美しい森林づくり」推進総合対策
(1)「美しい森林づくり」促進対策
 森林所有者の負担、地方財政事情など森林整備を巡る情勢に対処し、また、人工林の資源内容の変化等に対応するため、制度の充実を図るなど、総合的な取組を展開します。
充実内容1
高齢級森林の利用間伐を進めます。

   10齢級以上(46年生以上)の森林の間伐について、民間資金の活用、事後精算という全く新しい方式で助成します。
   間伐実施者が、短期資金を民間金融機関から借り入れる際に、これに要する利子を全額負担します。返済は間伐による収入で行い、間伐実施により損失が発生した場合は、損失額の2/3(間伐経費の1/2以内)を補填します。間伐実施者はリスク軽減により意欲的な事業実施が可能となります。
高齢級森林整備促進特別対策事業 1,000(0)百万円
補助率:定額
事業実施主体:民間団体
充実内容2
7〜9齢級の間伐への補助を本格的に実施します。

   人工林の高齢級化に対応して、補助対象を拡充し、団地的な森林整備を推進します。また、水源かん養や山地災害防止などの機能の程度にかかわらず補助の対象とします。 
育成林整備事業等(公共) 28,711(35,065)百万円の内数
補助率:3/10
事業実施主体:地方公共団体、民間団体等
充実内容3
現場の創意工夫が活かせる柔軟な助成を行います。

  国から市町村に交付金を直接交付する仕組みを創設します。
   間伐、耕作放棄地等への植林などに取り組むとともに、地域提案枠(事業費の1割)を活用した事業を実施することができます。
美しい森林づくり基盤整備交付金(公共) 1,000(0)百万円
補助率:1/2
事業実施主体:地方公共団体、民間団体等
充実内容4
定額助成方式による森林整備を引き続き実施します。

 地方公共団体や森林組合等が、集約化等の取組を行いつつ、森林所有者等の自己負担を軽減することができるよう、定額助成方式の間伐を推進します。
未整備森林緊急公的整備導入モデル事業(森林・林業・木材産業づくり交付金)
 2,169(1,971)百万円
補助率:定額
事業実施主体:地方公共団体、民間団体等
充実内容5
森林整備法人等による「非皆伐施業」を推進します。

 間伐等を繰り返す非皆伐施業への転換に地域一体で取り組めるよう、合意形成、分収林契約の変更、協定締結等の取組の支援や、有利子の農林公庫資金と併せ貸しする無利子資金(森林整備活性化資金)の貸付割合の引上げを行います。
「美しい森林」共同整備特別対策事業 700(0)百万円
補助率:定額、1/2
事業実施主体:都道府県協議会
充実内容6
水土保全機能の低下した保安林を整備するため治山事業を充実します。

 過密化等が進んでいる保安林の水源かん養機能や山地災害防止機能を回復するため、健全な成長促進を図る森林整備の対象齢級を引き上げ、また、えん堤等の治山施設の整備と併せて行う森林整備の制度を導入します。
保育事業、復旧治山事業等(公共)
57,292(59,533)百万円の内数
補助率:1/2、1/3等
事業実施主体:国、都道府県
充実内容7
路網の整備、間伐材の利用促進等を進めます。

 低コスト作業システムに対応した路網整備を計画的に行うとともに、林業用機械の整備、間伐材の用途開拓等により間伐実施の条件を整えます。 
【林道改良統合補助事業(公共) 499(550)百万円】
【森林・林業・木材産業づくり交付金 9,692(9,756)百万円の内数】
【山村再生総合対策事業 300(0)百万円の内数】
充実内容8
利用間伐を推進する融資制度を創設します。

   利用間伐に係る計画に基づき利用間伐を拡大する林業者(個人、法人、林業公社等)に対して、利用間伐に必要な資金と農林公庫資金の償還元金の円滑な支払いに必要な資金を併せて貸し付ける融資制度を創設します。(利用間伐推進資金(仮称))
   また、間伐材の生産・引取・加工を大規模に実施する者に対して、一層低利で運転資金を融通します。(木材産業等高度化推進資金)
【金融措置】
充実内容9
地方財政措置を充実します。

  森林吸収目標達成に資するため、追加的な間伐等の実施に必要な地方負担について地方債の対象とするなど、地方財政措置を充実します。
【地方財政措置】
充実内容10
効率的な森林整備が可能な担い手を確保します。

   低コスト作業等に必要な技術を有する人材の育成・定着、森林組合等の林業事業体における「森林施業プランナー」の養成の加速化、高性能林業機械のリースによる導入を支援し、低コストで効率的な森林整備を担いうる林業就業者、林業事業体を確保します。
【緑の雇用担い手対策事業 6,700(6,700)百万円】
【施業集約化・供給情報集積事業 592(559)百万円】
【がんばれ!地域林業サポート事業 100(0)百万円】
(2)美しい森林づくり推進国民運動の展開 (別紙1)
   美しい森林づくりに向けた森林の整備・保全に取り組むため、民間組織・企業・個々の国民と一体となった「美しい森林づくり推進国民運動」の展開を図ります。
【美しい森林づくり推進国民運動の展開 1,433(1,118)百万円の内数】
(3)森林病虫害対策の推進
   松くい虫被害の北上阻止のための防除対策やトキの野生復帰に向けた松林の保全対策を推進します。また、ナラ枯れ被害の効果的な防除手法を開発します。
【森林害虫駆除事業委託 151(151)百万円】
【営巣木等保全整備事業 40(41)百万円】
【ナラ枯れ被害の総合的防除技術高度化調査 10(0)百万円】
2. 花粉発生源対策の推進 (別紙2)
 花粉症対策品種の開発、苗木の生産量の増大に向けた供給体制の整備を図ります。また、少花粉スギ林への更新・広葉樹林等への誘導を重点的に促進します。
【花粉発生源対策プロジェクト 2,587(30)百万円】
3. 緑資源幹線林道事業の廃止と新たな交付金の創設
    緑資源幹線林道事業については、独立行政法人の事業としては廃止し、平成20年度からは、残区間を対象に地方公共団体が森林整備等を促進する観点から現行計画を柔軟に見直して行う路網の骨格となる「山のみち」の整備に対して助成を行い、地域活性化を推進します。
山のみち地域づくり交付金等(公共) 7,000(0)百万円 
補助率:定額 
事業実施主体:地方公共団体、民間団体等 
[担当課:林野庁計画課(03−3501−3842(直))]

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