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九州からの森林・林業再生

    農林水産省では、平成21年12月25日に「森林・林業再生プラン森林・林業再生プラン-コンクリート社会から木の社会へ-」を策定し、具体的な施策の検討を行い平成22年11月30日に「森林・林業の再生に向けた改革の姿」をとりまとめました。

    これを踏まえ、九州森林管理局では林業の低コスト化、人材育成、国産材の安定供給体制の確立、木材利用の拡大等の取組を通じて、地域林業を支援し我が国の森林・林業の再生に貢献することとしています。

森林・林業再生プランの策定について

    我が国の人工林資源の充実や地球温暖化防止等の観点から、環境に優しい木材の積極的な利用を通じて、林業や山村の活性化、低炭素社会等を構築していくことが必要です。
    農林水産省は、21年末に「森林・林業再生プラン-コンクリート社会から木の社会へ-」を策定しました。今後10年間を目途に木材自給率を50%以上とすることを目標に、路網の整備、森林施業の集約化及び人材育成を軸として林業経営の基盤づくりを進めるとともに、木材の安定供給と利用促進に必要な体制を構築し、我が国の森林・林業を早急に再生していくこととしています。
    これを受け、森林・林業基本政策検討委員会において具体的な方策の提言(「森林・林業再生に向けた改革の姿」)が行われました。これに沿って再生プランの実現・具体化に向けた取組が23年度から始まりました。

→詳しくはこちら 林野庁HP「森林・林業再生プランについて」別ウィンドウが開きます)

森林・林業再生プラン骨子

 九州森林管理局の森林・林業再生への取組

    国有林はその有する組織、技術力、資源を活用して、我が国の森林・林業の再生に貢献することが期待されています。

    九州森林管理局は、民・国が連携した森林共同施業団地の設定、木材の安定供給体制づくり、国有林のフィールドを活用した人材の育成などの取組を通じて、民有林行政や地域林業を支援し、県、森林総研等とも連携しつつ、九州からの林業再生に貢献します。

 主要な取組は以下の通りです。(クリックすると各項目に移動します)

 

 ※不明な単語は用語集をご参照ください。


1.林業の低コスト化 

・木材生産における低コスト化

    木材生産の低コスト化を図るためには、路網高性能林業機械を利用した作業システム(間伐においては列状間伐)の導入と効率性の向上を図る必要があることから、事業の発注を通じて路網作設や集造材等の現場技術の向上を図っています。

    なお、間伐における生産性を現状の倍程度の8~10m3/人・日とすることを当面の目標としています。

 

路網と高性能林業機械による集造材

列状間伐

画像:低コスト路網

高性能林業機械 による集造材

列状間伐後の林内の様子

丈夫で安価な路網

 

・造林における低コスト化

    低コスト化への取組は、木材生産分野では進んでいますが、造林分野では遅れているのが現状です。
    このため、植栽時期が限定されず、植付効率が高く、成長もよいといわれている「コンテナ苗」について、森林総研とも連携を図り、各種データの収集と評価を実施します。また、森林総研が進める低コスト造林技術の体系化プロジェクトに協力しています。              
    また、誘導伐実施箇所における伐採と植付の同時発注によるコスト低減の実証を勧めています。

コンテナに培土を詰めた状況

コンテナ苗

 画像:コンテナ苗植付

マルチキャビティコンテナに培土を詰めた状況

コンテナ苗

コンテナ苗の植え付け

 

・民・国連携の森林共同施業団地の設定

    民有林の零細な所有構造から低コスト化の前提となる施業の集約化(団地化)がなかなか進まないことが、地域林業の大きな課題になっています。
    このため、管内の各署において、民・国の森林共同施業団地を各1件以上設定することを目標とし、路網の効率的な配置、高性能林業機械による木材生産のための低コスト作業システムの構築、国有林材のシステム販売との協調出荷による有利販売等を推進していきます。
    これらの取組を通じて、低コスト林業の技術等が近隣地域に普及していくことを期待しています。

→詳しくはこちら 民・国連携した森林整備の推進  

図:共同施業団地

画像:協定調印式

森林共同施業団地

協定調印式の様子

 

・シカ被害対応型の林業システムの構築等

    九州の一部の地域では、シカの生息密度が適正密度(2~5頭/km2)の10倍近くになっています。造林地への被害を防止するためのシカネットの設置には1ha当たり50万円以上のコストがかかり、林業経営者にとって大きな負担になります。また、生物多様性への被害も深刻なものとなっています。
    このため、森林総研等とも連携しつつ、シカの個体数調整を効果的・効率的に行うことができる捕獲技術等の開発に取り組み、造林地(予定地)周辺での集中的な捕獲による個体密度の低減や、省力化した下刈等によりシカネットの不要なシカ対策林業を構築します。

→詳しくはこちら 九州森林管理局のシカ被害対策の取組状況

写真:森林が破壊された白髪岳の景色

画像:シカによるエゴノキの食害

画像:シカ柵(ワンウェイゲート)

シカの食害により森林が破壊(熊本県白髪岳)

シカによるエゴノキの剥皮被害

シカ柵のワンウェイゲート

 

・九州に適した林業専用道の設計技術の開発・実証

    森林施業への利用に適している「林業専用道」が新たに導入されることになり、これを急傾斜地が多い九州の地形に適したものとするため、モデルとなる林業専用道の開設を行い、民有林関係者を含め研修等の場として活用します。

写真:林業専用道(イメージ)

写真:林業専用道(イメージ)2

林業専用道(イメージ)

 

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2.担い手となる林業事業体の育成 

・林業事業体の路網作設技術等の向上

    林業事業体へ安定的に事業を発注し、現場での経験を積み重ねることにより、路網の作設や集造材等の技術を向上を図れるようにしました。今後はさらなる技術向上とオペレーター層の充実に取り組むとともに、これらを通じて民有林へ路網作設等の技術を普及するよう努めていきます。

 

・林業事業体の森林施業プランナーとしての育成

    民有林での提案型集約化施業の拡大のため、森林組合や林業事業体の職員等を対象として森林施業プランナーの育成が進められています。林野庁の育成目標は23年度末までに2,100人とされており、21年度末で全国では約700人が基礎研修(県の事業による育成人数を除く)を終了しています。しかし、九州の基礎研修終了者は21年度末までに73人と、九州ではやや取組が遅れている状況です。
    このため、森林施業プランナーの育成を促進・補完する観点から、林業事業体等の中の意欲と能力のあるものが森林施業プランナーとなれるよう支援します。

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3.国産材の加工・流通体制づくりと木材利用の拡大 

・国産材の戦略的市場開発や流通・加工の改善

    九州局では、国有林材のシステム販売を通じて、外材利用から国産材利用への転換(スギ、ヒノキを使用した合板集成材など)、新たな国産材需要(2インチ×4インチ材)の創出など国産材の戦略的市場開発や流通の効率化等を推進してきました。今後は、民有林との協調販売等も推進しながら、この取組を進めていきます。

写真:ヒノキを使用した合板

画像:離島からの出荷

画像:2×4建設中の住宅

ヒノキを使用した合板

離島からの木材の協調出荷

2×4建設中の住宅

 

・森林資源の有効利用システムの開発実証

   地球温暖化防止等の観点からも森林資源を有効に活用する必要性は高まっています。しかし、低質の森林資源の大部分が未利用の状態にあり、利用されない林地残材は全国で年間2000万m3程度に上るとされています。
    このため、木材のバイオマス利用も含め、低質・未利用材(C材、D材)も含めた効率的な搬出方法や利用方法の開発・実証を推進していきます。

 

画像:林地残材

画像:木質ペレット

画像:木質ペレットストーブ

林地残材

木質ペレット

木質ペレットストーブ

 

・木材自給率の低い「紙」分野での間伐材利用の拡大

    身近で毎日触れる木質の商品である紙:九州間伐紙「木になる紙」の普及を通じて、スギの需要拡大を図るとともに、この運動を通じて、環境配慮型の消費行動の拡大や森林・林業への理解の増進に貢献していきます。

→詳しくはこちら 紙一枚からの思いやり

画像:間伐紙「木になる紙」

画像:知事宣言

間伐紙「木になる紙」(コピー用紙)

九州各県知事及び森林管理局長による共同宣言

 

・木材・木製品の調達の推進

    公共建築物等木材利用促進法の基本方針等に沿って、庁舎等の木造化や内装の木質化を推進するとともに、木材が利用された机等の備品やコピー用紙・印刷用紙等の消耗品を積極的に調達していきます。
    また、県等とも連携を図りつつ、公的機関や民間でも同様の取組が促進されるよう働きかけます。

画像:九州産材を用いた新庁舎 

写真:教育施設の木造化

画像:木造のコンビニ

九州産材を用いた新庁舎(熊本署)

教育施設の木造化

民間店舗の木造化

 

 ・東日本大震災に関連する対応

    東日本大震災に伴う木材の緊急需要への要請等に適切に対応します。

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4.地域林業を推進する人材の育成 

 ・国有林のフィールドを活用した人材育成

    局・署主催の路網(新たな林業専用道を含む)や採材等に関する現地研修会の開催、他の機関が行う研修会への講師派遣や研修フィールドの提供を通じて人材育成に貢献します。

写真:路網の現地検討会

 画像:採材研修の様子

路網の現地検討会

採材研修の様子

 

 ・新たな人材「准フォレスター」の育成への貢献

    市町村行政や地域林業への技術的支援を担うことを期待されている新たな人材「准フォレスター」(今後5年間で官民合わせて2千名程度が育成される予定)等の育成のために行われる研修について、研修フィールドの提供、職員の講師としての派遣、研修の運営の監督等を行い、充実した人材育成に貢献します。


准フォレスター研修の集合写真

 画像:准フォレスター研修 路網作設実習

 画像:准フォレスター研修 現地での検討

准フォレスター研修の集合写真

 路網作設実習の様子

 現地実習の様子

 

・国有林の准フォレスターによる地域貢献       

    国有林においても准フォレスター等を育成し、国有林が得意とする技術(路網、生産、販売、森林施業、森林保全)をもって、民有林行政や民有林の准フォレスターをバックアップします 。また、必要に応じ、施業の集約化の実行を担う森林施業プランナーや森林所有者への指導・相談を実施します。 

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5.技術情報の提供と新たな技術の開発・実証 

  上記に挙げた技術の他、森林技術センター等において実施している誘導伐システム、次世代優良苗を使用した施業法、広葉樹造林、渓畔林施業等にかかるデータ、知見等を提供します。

写真:誘導伐試験地

写真:次世代優良苗(植栽後8ヶ月)

写真:高性能林業機械による集材

誘導伐試験地

写真:次世代優良苗(植栽後8ヶ月)

高性能林業機械による集材状況

→詳しくはこちら 森林技術センター

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お問い合わせ先

企画調整室
ダイヤルイン:096-328-3511
FAX:096-328-3643

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