森林の維持増進のためにまざまな活動を進めています

    土砂の流出・崩壊の防備や水源のかん養が特に求められる森林は「保安林」に指定し、良好な森林に整備しています。
長崎森林管理署の管理する国有林は、全体の95%の森林が保安林に指定されており、これらの保安林には、災害を防止するための「えん堤」を設置したり、崩壊地の植生を回復したりする「治山事業」を推進しています。

    人と森林とのふれあいの場を提供するため、四季折々の自然の美しさを楽しむことができる自然休養林や野外スポーツ地域などのレクリェーションの森を設定し、森林とのふれあい環境を整備しています。
    長崎森林管理署には2カ所、121.5haのレクリェーションの森があり、皆さんに親しまれています。

    国有林では、貴重な野生動植物が生息・生育する森林などを保護林に指定し、その保護・保全に努めてきました。
長崎森林管理署の管理する国有林は、ツシマヤマネコの生息地として有名な御岳特定動物生息地保護林(156ha)をはじめ、9カ所、1,359haの保護林があり、保護・保全が図られています。

    再生可能な資源である木材を循環的に利用するため、自然条件等を勘案しながら、収穫と植林を繰り返して、木材を安定的に供給するよう努めています。

    国有林野の管理経営に関する基本計画に即して、開かれた「国民の森林」に向けた取組を推進するため、個々の国有林野を、重点的に発揮すべき機能に応じて5つの機能類型に区分し管理経営を行っています。

    また、機能類型区分に応じた管理経営にあたっては、「管理経営の指針」によるほか、次の点に留意して、ここの林分の地況、林況等の立地条件に応じて適切に行うこととしています。なお、各機能の発揮を図るために導入する林相の維持・改良等に必要な施業により生じる木材については、有効利用を図っていきます。また、齢級構成の平準化・バイオマス利用等の地域ニーズに応じた主伐を計画的に行うことにより木材の供給を図っていきます。

    土砂の流出・崩壊、落石等の山地災害による人命・施設の被害の防備その他の安全で快適な生活環境等の保全・形成に資する機能を重点的に発揮すべき森林であり、次の事項に留意して、保全対策と当該森林の位置的関係、地質や地形等の地況、森林現況等を踏まえた適切な管理経営を行っています。

    自然維持タイプは、原生的な森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存等自然環境の保全に係る機能を重点的に発揮すべき森林であり,原則として自然の推移に委ねるとともに、生物多様性の保全等に配慮した管理経営を行うこととしています。

    森林空間利用タイプは、スポーツ又はレクリエーション、教育文化、休養等の活動の場及び優れた景観の提供に係る機能を重点的に発揮すべき森林であり、それぞれの保健・文化的利用の形態に応じた管理経営を行うこととしています。

     快適環境形成タイプは、騒音の低減や大気の浄化、木陰の提供等による気象緩和等人間の居住環境を良好は状態に保全する機能を重点的に発揮すべき森林であり、それぞれの機能に応じた管理経営を行うこととしています。

    水源涵養タイプは、国民生活に欠かせない良質で豊かな水の供給に係る機能を重点的に発揮すべき森林であり、渇水緩和や水質保全等の水源かん養機能を高めるため、浸透・保水能力の高い森林土壌の維持及び根系や下層植生の発達が良好で諸被害に強い森林の整備を目標として管理経営を行うこととしています。なお、これらの条件の維持できる範囲で森林資源の有効利用に配慮するものとしています。