ホーム > 生物の多様性の保全 > 森林の恵みと危機~九州の生物多様性~ > 私たちの暮らしを支える森林の恵み
森林は、私たちに様々な恩恵をもたらしてきました。生物多様性 が豊かになるほど、森林の恵み(生態系サービス)も豊かになります。
すべての生物の生存のための基盤森林や生物の働きによって、私たちの生存に不可欠な水、酸素、エネルギーなどが生み出されます。 ◇生物が生息する生態系の基盤 ◇生存に不可欠な水、酸素、養分を提供 |
災害を防ぎ暮らしやす い環境に調整森林は環境の急激な変化を緩和し、生物が暮らしやすい状態に保ちます。 ◇根による土壌の固定や雨水の浸透等に より洪水や土砂崩れを防ぐ ◇二酸化炭素を吸収して温暖化を防ぐ |
暮らしを豊かにする材料・物質の供給森林から生活に必要な材料や原料を得ることで私たちの生活はより豊かなものになります。 ◇住宅、ノートや本などの原材料 ◇樹木や微生物から様々な医薬品の原料を採取 |
精神的な充足感や文化 の醸成森林との関わりの中で、地域の伝統や風土・文化が育まれてきました。また、ふれあいを通じ精神的な充足感を得ることができます。 ◇レクリエーション等を通じた保健・休養 効果 ◇森林との関わりを通じた生活様式や伝統 文化 |
世界には3,000万種ともいわれる生物が存在し、多くの生物や環境との間に複雑なつながりを持っています。生物の種類やつながりの多さのことを「生物多様性」と言い、生態系(自然環境)、種(種類)、遺伝子(個性)の三つの観点から考えます。
生態系の多様性−自然環境の多様さ−地球上には、異なる自然環境に適応した様々な生態系が存在します。同じ森林(生態系)でも、落葉広葉樹林、常緑広葉樹林、マングローブ林、針葉樹林、人工林、湿地林など様々な種類があります。
種の多様性−種数の豊富さ−森林の中には光合成をする植物、植物を食べる動物、死骸を分解する微生物など多様な種が食物連鎖などで結びついています。種の数が多いほど生態系は安定しやすくなります。
遺伝子の多様性−個性の豊かさ−私たち一人ひとりの顔つきや声が違うように、同じ生物種の中でも個体ごとに遺伝子が異なり、環境変化や病気への耐性などが異なることが知られています。 |
森林は、水源かん養、土砂災害の防止、地球温暖化防止などの多面的機能を有しています。 「多面的機能」は森林が本来的に果たしている役割を指し、「生態系サービス」(森の恵み)は人類が生態系から得ることのできる便益を指しますが、二つの概念は基本的には同じものです。 森林の多面的機能は、貨幣換算できるだけでも約70兆円分の効果(試算)があります。遺伝資源など未評価のものを加えれば価値はさらに大きなものとなります。 |
生物多様性と可能性 カワセミのくちばしを基に設計し空気抵抗や騒音を減らした新幹線の車体など、生物からヒントを得た最新技術は多数あります。森林や森林の生物多様性は私たちに豊かな生活をもたらします。 森林とともに生物多様性が損なわれれば、未発見の各種資源が知らぬうちに失われてしまう可能性もあります。また、土砂災害が起きやすくなったり、温暖化が加速されてしまいます。 地球上の生態系の破壊による損失は、毎年、4兆5千億ドル(約380兆円)であるとの報告もあります。 |
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計画保全部計画課
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