架線集材現地見学会を開催(平成27年9月17日)
平成27年9月17日、山口市徳地にある滑山国有林において架線集材現地見学会を開催しました。
架線集材という言葉をご存じでしょうか。伐倒して林地に散らばった状態の木を架線(鉄線を編んで作ったワイヤーロープを空中に張ったもの)を使って林道端などに集めてくる集材方法です。架線集材は林業技術の中でも最も高い技術の一つで、一人前になるまで10年かかるともいわれています。急峻な地形や脆弱な地質でも作業が可能なことから我が国で古くから発達してきました。
現在、架線集材は技術者の減少などにより、林業を生業としている人でも見る機会が少なくなっていますが、今後は皆伐が増える見込みであることや、作業道を入れられない場所での作業が可能であることなどの理由から近年は見直されてきています。
当所管内の滑山国有林では請負事業で架線集材による皆伐作業を行っていることから、架線集材の技術を知ってもらうため現地見学会を開催することになりました。参加したのは、林業事業体や森林組合、山口県農林事務所、当所職員など総勢20名。
当日は晴天に恵まれ、青空の下、まず始めに当所職員が滑山国有林の概要や皆伐作業について説明しました。
当所職員から滑山国有林の概要、皆伐作業について説明 |
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次に実際に集材機を稼働し荷掛、集材、玉切、運材といった一連の作業を間近で見学しました。現地は傾斜約40度の急傾斜地で、尾根に設置した集材機の運転手からは谷あいにいる荷掛手が全く見えません。集材機の運転手は無線から聞こえる荷掛手からの合図を頼りに機械を操縦し、ぴったり土場へ材をあげました。何気ない作業風景のようですが、チームワークと長年の経験があればこそ可能な作業です。
集材の様子 |
伐採現場は急傾斜地 |
その後、林業架線の仕組みや安全基準について山口県農林総合技術センター職員と現場のオペレーターから説明がありました。現場のオペレーターからは「最近は高性能林業機械での作業が主流になっているが、架線集材で使用する集材機は、機械のトラブルが少なく維持管理が簡単。パワーもある。」といったお話も伺うことができました。
架線集材の仕組みについて県職員から説明 |
写真中央の木が元柱 |
参加者からは機械類について様々な質問がありました。言葉や絵では説明しづらい架線集材を実際に見てもらうことで、より理解が深まったことと思います。
山口県内では架線集材を行っている事業体は少なく、今回の現地見学会が技術者育成の一助となることを期待しています。(業務グループ竹内和歌子)
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