担当:森林整備部技術普及課
26年度技術者育成研修(近畿中国ブロック研修2回目)
近畿中国森林管理局では、森林総合監理士(通称フォレスター)の候補となる若手技術者を育成するため、岡山県新見市において演習・現地演習を中心とした「ブロック研修」を行っています。 |
ブロック研修2回目は、「中央研修」を終了した24名(県府職員22名、国職員2名)を対象に4日間の日程で、中央研修で取得した知識・技術を再確認し、現地実習を通じて、広域的な視点で森づくり構想、資源循環利用構想を検討する演習を行います。
- 1日目:(ア) 中央研修との関係、フォレスターの役割の再確認 (イ)【講義】森づくり構想
- 2日目:(ア)【現地実習】森づくりの構想実習 (イ)【演習説明・演習】資源循環利用構想策定演習
- 3日目:(ア)【現地実習】森林資源循環利用構想策定演習 (イ)【演習】資源循環利用構想演習
- 4日目:(ア)【演習】資源循環利用構想演習 (イ)フォレスターに求められるもの
平成26年9月8日~平成26年9月11日
1日目(平成26年9月8日)
技術者育成研修(近畿中国ブロック研修2回目)がスタートしました。
この研修には、近畿中国管内(福井県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)から、24名の研修生が岡山県新見市に集合しました。
開講式
開講式では、近畿中国森林管理局石井次長から「皆さんは、将来のフォレスター候補者であり、是非、フォレスターとなって、地域の森林・林業の牽引者として地域の振興と活性化に活躍いただくことを期待しています。そのためにも研修生全員が充実した研修となるよう取り組んでいただきたい。」旨の挨拶がありました。
オリエンテーション
今回の研修の進行や時間管理を担当(プロセスマネージャー)する近藤氏から参加者紹介、中央研修の振り返り、研修の意義や目的など、技術者育成研修ではおなじみKP(紙芝居プレゼンテーション)を用いて説明がありました。
続いて、アイスブレイク(初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法。)を行い、プロセスマネージャーの巧みなトークに研修生の緊張も少しづつ和らいでいました。
アイスブレイク(ア)「家を出た時刻が早い順に並んで円になります。」「1番早かった人は?」「5時40分」 |
アイスブレイク(イ)班ごとに1人1分の持ち時間で自己紹介 |
中央研修との関係、フォレスターの役割の再確認
オリエンテーションに続き、藤原講師(近畿中国森林管理局森林整備部企画官)の説明により、中央研修で学んだフォレスターの役割について、再確認を行いました。 |
「中央研修で印象に残ったことは?」思いだしながら回答する研修生 |
【講義】森づくり構想
森づくりの構想を考える上で、個々の森林について科学的に評価し、将来的な目標林型を考え、そこに向けた森林施業が選択できる知識が必要となります。
奥田講師からは、目標林型と施業方法の選択の考え方、天然更新、間伐方法等について講義がありました。
森づくり構想について講義を行う森林総合研究所関西支所奥田グループ長。 |
真剣に聴講する研修生 |
奥田グループ長の講義に一息いれて、内容について班ごとでペチャクチャタイム(ディスカッション)を行っています。 | ペチャクチャタイムを経て、講師への質疑を行っています。 |
ペチャクチャタイムを経て、講師への質疑を行っています。 |
現地実習の説明
プロセスマネージャーより、現地実習のすすめ方について説明 |
藤原講師から現地実習の実施内容やすすめ方について説明 |
明日の現地実習の説明で、初日が終わりです。1日、お疲れ様でした。
明日の現地演習、皆さんけがをしないよう気をつけて下さい。
2日目(平成26年9月9日)
技術者育成研修2日目が始まりました。
午前中は現地演習で、1日目の「森づくり構想」の講義を念頭に、現地を見ながら将来の森林づくりについて構想を取り纏め、班ごとにその構想を発表します。午後からは、資源循環利用構想演習の説明と実習を行います。
【現地演習】森づくりの構想実習
積講師(近畿中国森林管理局森林整備部企画官)から (ア)林況把握 (イ)森林に求められる機能 (ウ)現況の評価 などについて班ごとに現地を調査検討することなど午前中の作業を説明
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「この木の樹高と胸高直径は?」 ・・・・・・・・・ |
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林況把握のための樹高、胸高直径の目視について、研修生全員で参考木の樹高、胸高直径の確認を行い、個々の目線を統一しました。 実習がスタートです。まずは、スギの林分から、班に分かれて、現地の確認です。 |
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平均樹高、平均胸高直径、下層植生など林況の調査を行っていきます。 続いてヒノキ林分です。 |
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▲ヒノキ林分も平均樹高、平均胸高直径、下層植生など林況の調査を行っていきます。 | |
▲班毎に、調査した林況(本数、材積、RYなど)を整理、続いて、この森林に求められる機能(公益的機能、木材生産機能)を評価し、将来どのような森にしていけばいいのか目標林型について検討した後、とりまとめを行っていきます。 各班の検討結果は、全員が確認できるようボードに張り出されます。発表は、4班→2班→1班→3班の順の様です。 |
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4班の発表 |
2班の発表 |
検討結果は、踏査した森林の現在の評価、将来的な目標林型や当面の施業など、班毎に発表します。 |
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1班の発表 |
3班の発表 |
発表に耳を傾ける研修生 和やかなムードですね。 |
発表に対して意見や質問をします。 |
奥田講師からの講評 |
藤原講師からの講評 |
以上で、森づくり構想の現地実習は終了です。 研修会場にかえり、「森づくり構想」の振り返りを行います。 |
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振り返りでは、振り返りシートに気づいたことなどメモし、意見交換を行うことで、現地演習や課題である森づくり構想について理解を深めます。 |
質問コーナーは、現地演習や講義について、その場でできなかった質問、後で気づいた疑問に対応するために設置しています。張られた質問については、翌日の朝に講師から回答があり、全員で情報共有します。 |
【演習説明】 資源循環利用構想演習
午後からは、資源循環利用構想演習がスタートします。
この演習では、間伐適期の人工林1,000ha程度のまとまりをもった団地を対象として、市町村森林整備計画を念頭に、今後10年間における間伐の年次計画と林業専用道の整備について、大局的に検討を行います。
まず、積講師から演習概要について説明を行いました。 |
藤原講師から路網作設における各種ポイントについて説明を行いました。 |
細川講師(近畿中国森林管理局技術・支援センター所長)から木材市場の動向などについて説明を行いました。 |
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▼資源の循環利用構想に係る講義の後は、明日の現地演習のための準備を行います。 | |
10年間の間伐実施計画や効率的な木材の搬出などを念頭におきながら、地域の森林整備を効果的に進めていくために必要な新設林業専用道の配置について、おおまかな検討を行います。
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完成した現地踏査用の図面です。 翌日の現地演習箇所の図面上に、机上で検討した新設林業専用道を配置した路網配置図(案)を完成させ、既設林道からの取り付け位置や地形など確認しておきたいポイント(赤○印の位置)について検討します。
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以上で、2日目は終了です。
明日も現地演習です。疲れを残さないよう体調管理を万全に!
3日目(平成26年9月10日)
3日目の午前は、現地演習です。2日目の午後に机上検討を行った箇所の現地確認を行います。
午後からは、今回の演習の総まとめです。各班ごとに資源の循環利用構想を取りまとめ、最終日のプレゼンテーションに向けた資料を作成します。
【現地踏査】森林資源循環利用構想策定演習
最初に現地踏査のスケジュール・目的・注意事項の説明を行った後、全員で遠望ポイントへ移動します。 |
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▲現地踏査で確認したいポイント(地形、水系など)について、藤原講師から説明がありました。
研修生は、対象地を遠望し、林況や地形など図面だけでは読み取れない現地の状況を確認します。 |
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いざ出発! |
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公道から分岐し林内へ |
ハンドレベルを使用して勾配を確認 |
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ポールで傾斜を確認 |
路網の接続確認、勾配は大丈夫? |
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間伐の進め方、木材の集積場所等についても確認 |
演習用の路網配置図(案)のチェックポイントでルート確認 |
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現地の状況から線形の見直し 現地条件に応じて、図面に修正を加えていきます。 |
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集合地点で、現地踏査を踏まえ、最終的な線形を検討 |
現地踏査を踏まえ、林用専用道の起点・ルート、間伐の進め方、木材の集積場所等について検討を行います。
班内での考えがまとまったら、午前の現地演習は終了です。
【演習】資源循環利用構想演習
午後からは、最終日のプレゼンテーションに向けた資料づくりです。
最終日のプレゼンでは、地元市長を仮想し、市長に対して地域の森林・林業の発展のためのビジョンをプレゼンするというものです。仮想市長から理解と協力が得られる内容となるか、研修生の皆さん頑張って下さい。
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▲プレゼンの前提条件について藤原講師から説明の後、作業開始です。 | |
構想を練る1班 |
構想を練る2班 |
構想を練る3班 |
構想を練る4班 |
プレゼン資料が完成したら、3日目終了です。
研修生の皆さん明日のプレゼン頑張って!
4日目(平成26年9月11日)
いよいよ研修最終日です。
本日は、仮想市長に、新見市干子地区の資源の循環利用構想をプレゼンテーションします。森林資源を活用した街の活性化など、魅力的なビジョンを描き伝えます。
当日は、新見市産業部農林課から、安達主査と高西主任にお越しいただき、プレゼンテーションを聞いていただきました。
【発表】森林資源循環利用構想策定演習
発表は、4班→1班→3班→2班の順に行いました。
4班によるプレゼンテーション |
1班によるプレゼンテーション |
3班によるプレゼンテーション |
2班によるプレゼンテーション |
新見市農林課安達主査に講評いただきました。 お忙しいところありがとうございました。 |
【説明】路網計画説明
資源の循環構想を作成する上で重要な基盤となる路網計画について、各班から説明が行われました。
木材の集積箇所など、路網を計画する上で検討したコントロールポイントについて説明が行われました。
1班 |
2班 |
3班 |
4班 |
▲細川講師から搬出した木材の集積場所の設定の考え方や干子地区演習箇所での留意点など講評がありました。 | ▲藤原講師からプレゼン等の取り纏めがあり、演習は終了です。 |
ふりかえり
「自分が目標とするフォレスター像」について、紙に書き、全員が発表を行いました。
上から、1班、2班、3班、4班です。 |
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▲研修の最後は、積講師から研修全般の講評と、研修生の皆さんへ、今後の活躍への期待を込めたメッセージで締めくくりました。 |
閉会
閉会挨拶は、近畿中国森林管理局技術普及課今井課長補佐が行いました。
研修生の皆さん、4日間の研修お疲れ様でした。
お問合せ先
担当者:企画官(民有林連携)
代表:06-6881-3500(内線3524)
ダイヤルイン:050-3160-6786