森林官通信(箕面森林事務所) 第3号 シカ防護柵の点検・メンテナンス
地域と国有林をつなぐ、森林官の日々の仕事をお伝えします。
ニガナ
〇複層伐とは、伐採区域内の一部を皆伐して他は残し、林齢や樹種が異なる木で構成される状態の森林に誘導する伐採方法のことです。
〇皆伐とは、森林内に生育している全ての木を伐採することです。人工林では植栽した苗木を間伐などを行いながら生育させ、十分な大きさになったら皆伐して木材として活用します。皆伐した場所には再び苗木を植えて生育させていくサイクルを繰り返します。
特に保安林では、水源涵養や国土保全など森林としての機能を早期に回復させるため、皆伐後、一定期間内に新たに苗木を植栽しなければならないという決まりがあります。
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箕面国有林で行った複層伐では、元々生育していた広葉樹をできるだけ伐採せずに残し、将来、植栽した苗木(針葉樹)だけでなく自然に生えた広葉樹が混ざった針広混交林を成立させ、生物多様性の高い森林を目指しています。
しかし、箕面国有林はシカが多く、伐採後に植栽した苗木がシカに食べられてしまうため、苗木を植えた周囲にシカ除けの防護柵を設置しています。
防護柵は設置したら終わりではなく定期的な点検・補修のメンテナンスが必要です。
そのため、定期的に防護柵を点検し、柵内にシカが侵入していないか、シカの被害を受けていないか、防護柵が傷んでいないかの確認して、防護柵が傷んでいたらその補修を行っています。
設置した防護柵
植栽した苗木の被害が無いか確認
ロープが外れて下がったネット
ロープを固定して補修
伐採せず残した広葉樹
自然に生えてきたコナラ
ネットにもたれかかった倒木
倒木を除去
防護柵近くを歩くシカの足跡
ネットの上で一休みしているモリアオガエル
隙間が空いているネット
隙間を閉じて補修
このようなメンテナンスを継続的に行います。
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