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近畿中国森林管理局

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    令和3年度保護林モニタリング調査評価等部会の概要

    1   開催方法
      集合開催(オンライン併催)
      日時:令和4年2月24日(木曜日)9時30分~12時
      場所:近畿中国森林管理局 4階 大会議室

    2   出席者
    委員:(来局)桃原委員
             (オンライン)佐久間委員、添谷委員、長島委員、深町委員、藤木委員
    森林管理局:計画保全部長、計画課長、流域管理指導官、課長補佐、計画調整官、企画官、企画係長、生態系保全係長、生態系保全係、経営計画官

    3   議   事
    ◯審議事項
       (1)令和3年度保護林モニタリング調査報告について
       (2)令和4年度保護林モニタリング調査等の予定について
    ◯その他
       (1)東中国山地緑の回廊の人工林の取扱いについて

    4   委員からの主な意見

      (1)令和3年度保護林モニタリング調査報告について

      (モニタリング調査結果等に基づく保護林の情報発信について)

      • 植生多様度踏査を実施するか否かについて、客観的な選定基準を持つ必要があるので報告書なりで共有してほしい。(A委員)
      • (保護林内のごく限られたエリアの情報しか捉えていない)植生多様度踏査の結果から、当該保護林の生物多様性に関して何が言えて何が言えないのかの検討をすべき。(A委員)
      • 各保護林の、我が国の生物多様性への貢献度を数値等で可視化できないか。それにより、国有林が、保護林の設定・管理を通じてどのように国家の生物多様性の保全に貢献しているのかを外部に示し、情報発信してほしい。そのための可視化や情報発信の方法について検討してほしい。モニタリング調査の枠組みにとらわれず、他機関等との協力体制を作ってこれらを実現することも含め検討してほしい。(A委員)
      • 植生多様度踏査は、最小限の労力で多様性に対するシカの影響を評価することを目的として実施している。予算的な制約により100mのラインを2か所という少ない面積でしか実施できていないが、当該保護林内で最も希少種が集中分布している場所を選んで調査することで、少なくとも草本群集に対するシカの影響を検出できており、その点で実施意義はある。(B委員)

      (利活用、管理体制に係る記載について)

      • 例えば白山森林生態系保護地域は、ユネスコエコパークのコアエリア、バッファーゾーンになっているエリアが多い。一般向けの森林環境教育の場としての利用も保護林へのニーズの1つであり、保護林の貢献度としてのそれら利活用実績についても、保護林や国有林の価値をPRするという観点から報告書に盛り込んではどうか。(C委員)
      • 森林生態系保護地域のような面積の大きい保護林など、他局や環境省、自治体が関与するような保護林については、他機関との連携状況を含めて管理体制を表現してはどうか。(D委員)

      (希少種情報の取扱いについて)

      • 希少種の探索に特化した調査ではないものの、モニタリング調査により踏査ルート上の希少種情報も記録できており、その情報があれば保護林間で対策の優先順位が付けられる。貴重な情報なので来年度以降も引き続きお願いする。(B委員)
      • 既存情報として保護林ごとに希少種情報は整理されているか。今はどうしてもシカの被害に意識が向いているが、当該保護林の本来の価値(としての希少種情報)を見失ってはいけない。希少種情報を把握した上で、保護林内での調査地を決めたり、事前に課題抽出をしたりするべき。各保護林について既往の調査結果や文献等の情報が統合・蓄積されているか再度チェックし、必要なときにすぐ情報に当たれるようなシステム構築をお願いする。(A委員)

      (モニタリング調査結果の関係機関等との共有・公開について)

      • 保護林内の希少種分布は、都道府県のレッドデータブック調査に関連して把握されている場合がある。保護林は地域の生物多様性のホットスポットであり、関係機関との情報交換の在り方は重要。今後、この調査結果をどのように開示、あるいは自治体や研究機関等と共有していく考えか。例えば希少種データは慎重な取扱いが必要なので対象を限った公開とし、その他の林木の動態などのデータは、学生等を含めもっと幅広い活用を促し、よりオープンな取扱いとするとか。(C委員)

      (白山地域のシカの状況について)

      • 石川県側の低標高域で定着・増加した個体群が尾添川沿いに白山一里野方向に上がってきて、その一部が千丈平に生息している状況。今後、ますます石川県側からのシカの侵入が進むのではないかという状況が判明した。環境省、石川県と署で開催している連絡調整会議の中で、現在のシカ被害の状況を可視化し、侵入を食い止めるための戦略的な捕獲に関する議論を進めていくことが必要。(B委員)
      • 岐阜県側のシカの超巨大個体群が白山地域に侵入してくることが最大の脅威であるため、その最前線と、予想される侵入ルートの把握が必要。中部森林管理局等への情報収集をお願いする。(B委員)

      (その他)

      • デザインの評価が×である保護林を中心に既に対策が実施されているようだが、同様にデザインの評価が×である大悲山モミ希少個体群保護林も何かしらの対策が必要ではないか。調査結果に基づいて適切な対策を検討すること。(E委員)
      • シカ対策として、捕獲事業に加えて植生保護柵設置等の対策も想定されるが、対策の優先順位をどう考えているか。試験的でも小規模でもいいので、まずは実施することが大事であると思う。(D委員)
      • 黒河山の保護林の近くにある三国山湿原植物希少個体群保護林は、湿原でシカのインパクトを受けやすく、キンコウカなどかなり貴重な植物も生育しており状況が懸念される。被害等現地の状況を把握してほしい。(B委員)
      • 今回の結果で更新サイトが発生していなかった大又文政スギの保護林について、植栽地なので現状維持が第一目標なのかとは思うが、今後の更新について何か考えはあるか。(E委員)

      (事務局からの回答)

      • 情報共有等については、まずは環境省や府県の自然環境部局との間で行っていきたい。
      • 調査内容や報告書の記載の充実化については、可能なものから対応していく。リソースの制約があるものについては、どういう対応なら可能か検討したい。
      • 白山のシカ対策については、環境省や中部森林管理局と連携していきたい。
      • 植生保護柵の設置については、署等や地元の協力体制も含めて実施可能な箇所から設置を進めたい。
      • 大又文政スギは、古い人工造林地であるが、林分が成熟化してギャップが形成されてきているので、そうしたギャップに侵入した天然木による更新が基本ではないかと考える。

        (2)令和4年度保護林モニタリング調査等の予定について

        • 特に意見はなく承認された。

        (3)東中国山地緑の回廊の人工林の取扱いについて

        • 特に意見はなかった。

        次第、委員名簿、資料一覧、委員会・評価等部会設置要領(PDF : 319KB)
        資料は全て非公開
           資料1   令和3年度保護林モニタリング調査結果
           資料1-1   令和3年度保護林モニタリング調査対象保護林位置図
           資料1-2   令和3年度保護林モニタリング調査結果概要
           資料2   令和4年度保護林モニタリング調査等予定箇所一覧
           資料3   東中国山地緑の回廊の人工林の取扱いについて(案)
        (参考資料)
           令和3年度保護林モニタリング調査報告書(案)
           管理方針書(令和3年度保護林モニタリング調査対象保護林)

        お問合せ先

        計画保全部計画課

        担当者:企画官(森林資源評価)
        ダイヤルイン:050-3160-5696

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