森林をつくる方法には2とおりのやり方があります。 人工林をつくる場合には、人工造林、天然林をつくる場合には天然更新という方法がとられます。それぞれの方法は、森林の持つ目的とさまざまな条件によって使い分けられています。
人工造林:人が苗木をつくり、それを山に植え、世話をしながら森林に育てていく方法。育った木はやがて収穫され、切ったあとには、また苗木を植えて森林に育てます。スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ、トドマツなどの針葉樹が適しています。
天然更新:天然の力によって育った苗(自然に落ちたタネや木の切り株から芽生えた苗)を利用して森林をつくる方法。このような天然更新でも、下から生えてくる幼い木を育ちやすくするため、枯れた木や倒れた木を取り除くなどの手入れが必要です。
森林には山くずれを防いだり、「緑のダム」として水をたくわえたりする働きがありますが、その働きにも限界があります。 日本は山が険しく、台風などがくると、一度に大量の雨が降ります。あまりに多くの雨が急な斜面に降り続くと、土がえぐられ、雨水がいっせいに流れ出してしまいます。このため、森林の働きを十分に発揮させるための山の手入れが必要ですし、くずれやすい山には山くずれを防ぐための工事を行い、大雨が降ってもくずれにくく、たくさんの水をたくわえられるようにしてやるための治山事業を実施していますが、なかなか自然の力にうち勝つことはできません。
(参考)保安林の種類別面積
私たちのくらしにとって身のまわりの道が大切なものであるように、山の仕事をするときにも林道は必要です。森林の手入れをしたり、苗木や木材を運んだり、山くずれしたところを直したりするのに、車で走れる林道が必要です。また、山村で生活している人達が買い物に行ったり、学校へ通ったりするときも、林道は使われています。したがって、日本の自然を守り、りっぱな森林を育てる仕事やその土地に住む人々の生活に役立っています。
(参考)林道開設(新設)量の推移
林業の仕事には、木を植えて育てる、木を切り倒す、木を運ぶなど、いろいろなものがあります。
苗木を植えるときには「クワ」、苗木のまわりの下草を刈る「カマ」、木にからみついたつるを切る「ナタ」はなじみがあると思います。最近では下草を刈るには「刈払機」が使われています。
木を切り倒すには、昔はノコギリやオノが使われていましたが、今では「チェーンソー」を使います。
山の斜面で切り倒された木は、急斜地では「集材機」と呼ばれる機械でワイヤーロープでつり下げて林道まで運ばれます。緩斜地では「トラクタ」などで林道まで引きずりだします。これを「集材」といいます。
林道まで運ばれた木は、適当な長さに切られ、丸太にされます。これを「造材(玉切り)」といいます。
最近では、木を切り、集材し、造材するなどの一連の作業を一つの機械でできる高性能林業機械が導入され、これまできびしくて危険な仕事とみられてきた林業の仕事も快適で安全な仕事にしようという取り組めがはじまっています。
(参考)林業機械普及台数の推移
森林が受ける被害には、山火事や台風による風害のほかにも、水害、雪害、冷害、干害などがあります。森林は、一度被害にあうと、木が損害を受けるだけではありません。水をたくわえたり、山くずれを防いだりする森林の働きもおとろえてしまいます。したがって、被害を受けたときは、木を植えたり、倒れた木をかたづけたりして、森林を早期に復旧してやらなければなりません。森林を復旧するには、多くの費用と労力が必要です。万が一のためにも保険の加入が必要です。森林の保険には、国自らが行う森林国営保険などがありますので、木を植えたら必ず保険に入っておくと安心です。
(参考)気象災害,林野火災の推移
日本の森林は、その所有形態によって国有林と民有林に大別できます。国有林は国が所有する森林で国有林以外の森林を民有林といいます。日本の森林面積は約2,500万ヘクタールですが、そのうち約30%の785万ヘクタールが国有林です。国有林は全国各地の山脈や河川の水源流域に分布し、水源を守るとともに、土砂崩れなどの災害を防ぐなど重要な役割を果たしています。国有林は「国民の森=国民共通の財産」なのです。
全国各地に国有林を管理・経営するための林野庁の出先機関があります。 国有林の管理・経営にあたっては、あらかじめ「国民のみなさんの意見」を聞いて計画を策定するとともに、毎年度の実施状況について公表しています。くわしくは、お近くの森林管理局、森林管理(支)署等へお問い合わせください。
http://www.kokuyurin.maff.go.jp/
1999世界森林白書によると1996年における世界の林産物生産量は次のとおりです。
また、将来的な生産量の推移予測としては、2010年までに、対前年比約1%から2%の間で増加するものと見込まれています。
近年ではおよそ20%で推移しています。
日本における木材の需要量は、年間およそ1億m3で推移しています。また自給率(需要量のうち、日本で生産された木材の占める割合)は20%程度になっています。これは、近年、外国からの製品(丸太の角をとって断面が四角になったものでイメージ的には柱または板状になったもの)輸入量の増加が目立ち、輸入量全体のおよそ70%以上を占めている状況にあることによります。
本当なんです。
日本は「木の文化の国」といわれるのは、古くから日本の森林には「木」が茂り人がその木を利用して家を造り、薪等を利用して生活してきたことによります。「木造住宅」とは、家を建てる材料(骨組みの柱など)に「木」を利用している家のことをいいます。木造住宅(木材)の特徴をいくつかご紹介しましょう。 【1】木材には、熱を伝えにくい性質があるため、熱を遮断したり暖かさを保つことができます。 【2】木材には、空気中の湿度が増すと湿気を吸い、空気が乾燥してくると、放湿する作用があります。 【3】木材は、細胞の集合体で、これがクッションの役割を果たすことにより、様々な衝撃を緩和します。 【4】木材から発散される香りなどにより、ダニ類の繁殖などを抑える働きがあります。 【5】木材は高音・中音・低音をバランスよく吸収し、音をまろやかにします。
このように、日本の気候や風土には「木造住宅」がよく似合い、私たちに快適な生活空間を提供してくれるのです。
木材は燃えるため、一見火災に弱いように思われがちですが、ある程度の太さを持つ木材は、表面だけが炭化することにより、一度に全部芯まで燃えてしまうことがありません。これに対し、鉄などの金属は、高熱によって溶解するため、強度の著しい低下により、木材よりも危険な状態になることがわかっています。
日本での割り箸消費量は一年間約250億膳ともいわれ、その9割以上が輸入されています。輸入されている割り箸の原料の殆どは、建築材料などにならない木を有効に利用して作られているのです。ですから、森林資源の継続性をもって計画的に生産されることが重要なのです。
一方、割り箸を使用する私たちも大量生産・大量消費を見直し、バランスのとれた循環型社会に向けて取り組む必要があるのではないでしょうか。
あなたは、この日本の「割り箸文化」をどう考えますか。
次のことから、「木材は地球にやさしい材料」といえるのではないでしょうか。
【1】木材は省エネ材料です。木材・鉄鋼・アルミ・コンクリートなどを比較すると、製造時の炭素放出量は、木材が圧倒的に少ないことがわかっています。
【2】木造住宅・木工製品などは膨大な炭素を貯蔵しています。平成5年の調査によると、わが国の木造住宅全体でおよそ1.3億トンもの炭素を貯蔵していることがわかっています。(木材が炭素を貯蔵しているということは、木が生長する過程で光合成により、空気中の二酸化炭素を吸って炭素固定し、酸素を放出しながら生長することから、木材の多くは炭素の固まりであるともいえるのです。)
【3】木材は自然がつくった半永久的に利用できる材料です。自然の資源とエネルギーにより、森林から生産される「木材」は、適切に更新されれば、半永久的に再生産可能な資材です。また、木材は、廃材から新たな製品をつくることができるため、リサイクルが可能です。さらには、木炭化することにより、炭素を固定したまま、木炭製品として新たな利用が進められています。
都道府県の木・花・鳥の一覧表