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キクザキイチゲ

キクザキイチゲ キクザキイチゲ

キクザキイチゲ
(キンポウゲ科・イチリンソウ属)菊咲一華

Anemone pseudo-altaica Hara 属名(アネモネ)は、ギリシャ語のアネモから出た名であるが、アネモネとは「風の娘」という意味。ギリシャ神話で、愛と美の女神であるアフロディーテに愛された美少年アドーニスは、ほかの女神たちの嫉妬を受けて殺されるが、アフロディーテは、悲しみのあまりアドーニスの血からアドーニウムという草を芽生えさせた。この草は風が吹いたときのみ血のような赤い花を咲かすので、風の意のギリシャ語にちなんでアネモネとよばれるようになったのだという。ちなみにアドーニスという美少年の名はフクジュソウの学名にもなっている。また、イソギンチャク(磯巾着)のことを、sea anemone(海のアネモネ)というが、これはその触手を開いた姿がアネモネに似ていることによる名である。

北海道、本州(近畿地方以北)の日本海側に分布し、山地の落葉樹林内の肥沃で湿った所に生え、ニリンソウのように群生することもある。花期は3~5月。花茎は高さ10~20cm、茎葉は3個輪生し、3出複葉で、小葉は羽状に深裂し、鋸歯がある。根生葉は2回3出複葉で長柄がある。茎頂に径葯3cmの花を1個開く。花弁状の萼片は線状長楕円形で8~13個、花色は赤紫から白まで化が多く、混生していたり、場所によっては、白色ばかりであったりする。雄しべ、雌しべとも多数、葯は白色。花は日が照っている時だけ咲く。根茎はやわらかい腐葉土の中を横にはう。

早春の草花たちは多種多様ですが、多くの植物は短期間で花を咲かせ、実を付け上部のみが枯れて長い休眠に入るという生活スタイルを繰り返して生存しています。山にはいって見つけたときはよく観察してみて下さい、花弁状の萼片の数や雄しべ、雌しべの様子などルーペなどで拡大して観察すると思わぬ発見があるかも?

参考及び引用文献:園芸植物の名の由来中村浩(東京書籍)、山の植物誌(山と渓谷社)

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