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林野庁

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合法伐採木材等に関する情報:ニュージーランド

ニュージーランド

(2021年4月1日:全面更新)

注 国別情報については、令和2年度に実施した調査の成果等を、参考情報として掲載しています。

注 合法性の確認に活用できる書類の事例はこちら

木材等の生産及び流通の状況

ニュージーランドの国土面積は2,680万ha、森林面積は847万haです。このうち約170万haの外来樹種による人工林が木材生産の中心で、このうちラジアータマツが面積で90%を占めます。
林産物は、乳製品、肉類に次ぐニュージーランドの代表的な輸出産品です。その中でも丸太の輸出量は2018年には世界一位となり、2019年の輸出量は2,172万m3でその8割が中国向けとなっています。また製材品は199万m3(主要相手国中国、米国)、繊維板51万m3(主要相手国日本)でした。
2019年の木材生産量は、丸太は3,584万m3、製材品は452万m3、合板は28万m3、繊維板は68万m3、パルプは133万t、紙・板紙は67万tでした。
2019年の木材輸入量は、丸太は0.4万m3(主要相手国豪州)、製材品は17万m3(主要相手国カナダ)、パネル類(合板、パーティクルボード、繊維板等)18万m3(主要相手国中国)で、パルプ、紙及び板紙の輸入もありますが少量です。

合法伐採木材に関連する法令等及びその運用

1 政府による合法性保証(証明)・確認システム

現在、ニュージーランドには政府による木材の合法性保証制度はありません。しかしながら、森林法改正による、国内産木材及び輸入木材の合法性を保証する制度の2023年の導入に向けて作業を行っています。
ニュージーランドでは、木材の伐採を含むおよそ環境に影響を与える行為はすべて資源管理法の対象となり、環境への影響度合いに応じて地方自治体の資源利用承認(Resource Consent)が必要になります。人工林における施業行為を対象とする「人工林施業に関する全国環境基準」が定められており、木材の伐採については、所定の手続きや技術基準を遵守すれば地方自治体の承認は不要になりますが、事後のモニタリング等を受ける場合があります。なお、第一次産業省では、資源管理法を遵守している事業者である旨の証明書の発行が可能です。
在来樹種の天然林の伐採については、50年以上を計画期間とする「持続可能な森林経営計画」又は同10年の「持続可能な森林経営許可」に基づく伐採のみが認められています。天然林材の製材加工は登録された工場でのみ可能であり、また、輸出は代表的な2樹種の製材品のみ可能であり、第一次産業省が確認した輸出申請書の添付が必要です。
森林所有者は人工林材を伐採して加工施設又は輸出港に運んだ時点で木材徴税令に基づいて課税され、税収は林業振興のための調査研究等に充てられます。第一次産業省は森林所有者に対し課税証明書を発行することが可能で、輸出業者が、当該の木材を生産した森林所有者から課税証明書をとりまとめて、韓国の違法伐採対策法令で求める証明書類として使用しています。

2 主要関連法令

(1)資源管理法(Resource Management Act 1991)
・人工林施業に関する全国環境基準(National Environmental Standards for Plantation Forestry)
(2)森林法 (Forests Act 1949)
(3)一次産品徴税法(Commodity Levies Act 1990)
・木材徴税令(Commodity Levies (Harvested Wood Material) Order 2019)

法令資料は、ニュージーランド議会法制局の法令検索システム[外部リンク]で検索・閲覧できます。

3 関係行政機関一覧

第一次産業省(Ministry for Primary Industries) 森林・林業行政の主務官庁で、森林法や一次産品徴税法等の関係法令を所管し、これらに基づいて天然林材の生産、加工及び輸出の許可等を行っています。また、環境省と連携して「人工林施業に関する全国環境基準」を策定し、地方自治体の承認が必要な行為の基準等を定めています。
環境省(Ministry for Environment) 環境行政の主務官庁で、資源管理法を所管し、全国環境基準を通じた天然資源の持続可能な管理等を推進しています。
地方自治体 全国11の広域自治体(Region)と全国67の普通自治体(District等)が資源管理法に基づく資源利用承認の付与等を行っています。

リスク低減の取組

(1)荷物配送明細票(Load Delivery Docket)によるトレーサビリティの確保

山元における丸太の生産から積込、運搬及び製材工場等への納入までの一連の商流を荷物配送明細票という伝票形式の書類で管理しています。山元で起こされる明細票には、伐採地、丸太所有者名、伐採業者名、伐採日/積込日、樹種、本数、長級、重量、積込業者名、運送業者名、トレーラー番号、買受者名、荷卸地等の情報のほか、運材作業者及び買受者の確認欄が設けられており、これらにより荷口ごとのトレーサビリティが確保されています。また、この積荷情報(重量)が木材徴税令に基づく課税に利用されるほか、丸太が輸出される際、個々の丸太に貼付された二次元バーコードとひも付けされ、該当する明細票の情報を参照することが可能になっています。

(2)熱帯産木材の輸入に関する取組

木材業者(輸入業者及び卸売・小売業者)等から構成され、木材輸入の約9割を担うニュージーランド輸入木材貿易グループ(NZITTG)では、取り扱う輸入熱帯産木材は合法性が第三者によって証明されたものを100%、持続可能性が第三者によって証明されたものを85%以上とすることを目標に掲げるとともに、取り扱う木材の合法性を第三者機関が証明するスキームの妥当性を評価する独自の基準・指標(criteria and indicator)をスコア表に整理し、木材の合法性確認についての考え方を示しています。

その他木材等の適正な流通の確保に関する情報

民間の森林認証スキーム
ニュージーランドではFSC((Forest Stewardship Council)及びPEFC(Programme for the Endorsement for Forest Certification)の森林管理認証の積極的な取得がなされ、FSC及びPEFCの両スキームの重複分を除いた森林認証面積は約135万ha(2019年時点)で、これらはほとんどが人工林であるため、人工林面積の約4分の3が認証林となっています。

合法性の確認に活用できる書類の事例

外来樹種人工林の伐採の合法性証明(Exporter Information Statement)
適用項目 外来種人工林から生産された木材及び木材製品
概要 資源管理法(Resource Management Act 1991)に基づいて外来種の人工林から生産された木材が合法性を確保して伐採されていることを証明する旨の書類(Exporter Information Statement)が、ニュージーランド第一次産業省から発行されています。
事例 証明書(Information Statement Issued by Ministry for Primary Industries Exports New Zealand’s Planted Forest)事例 (PDF:0.04MB)
在来種天然林の伐採の合法性証明 (Notice of Information to Export)
適用項目 在来種の天然林から生産された木材の製材品
概要 森林法(Forests Act 1949)に基づいて、在来種の天然林において持続可能な森林経営計画又は持続可能な森林経営許可に基づいて生産された木材(ナンキョクブナ及びリムの製材品に限る)が合法性を確保して伐採されていることについて、輸出業者の作成する輸出申請書(Notice of Information to Export)をニュージーランド第一次産業省が確認し、証明しています。
事例 輸出申請書(Notice of Information to Export) (PDF:327KB)

委託・補助事業の成果

令和元年度林野庁委託事業「クリーンウッド」利用推進事業のうち海外情報収集事業報告書 下巻(PDF:16.7MB)
(p137~p174)

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