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プレスリリース

平成25年8月27日

農林水産省

森林における放射性物質の拡散防止技術検証・開発事業の結果について

 農林水産省は、平成24年4月から平成25年6月にかけて、福島県内の川内村、広野町及び飯舘村の試験地において行った、間伐等の森林施業や森林土木の手法による放射性物質の拡散防止技術の検証・開発事業の取組の結果について取りまとめました。

1.概要

  平成24年4月から平成25年6月にかけて、福島県内の川内村、広野町及び飯舘村の試験地において、落葉等の除去や伐採等による空間線量率の低減効果の検証、作業実施箇所からの放射性セシウムの移動状況の把握、表土流出防止工や濁水防止工に用いた吸着材の効果の検証等を行い、その結果について取りまとめました。

 

2.試験方法

(1)落葉等除去や伐採等による空間線量率の低減効果

 ・川内及び飯舘試験地において、森林内の部位別の放射性セシウム濃度を測定し、現存量を把握するとともに、落葉等除去や皆伐・間伐等の作業を実施して作業前後の空間線量率を測定し、線量低減効果を検証しました。

・飯舘試験地において、木材チップにより林床を被覆して作業前後の空間線量率を測定し線量低減効果を検証しました。また、広野試験地では、現地で発生した材をチップ化し作業道に散布して作業前後の空間線量率を測定し、線量低減効果を検証しました。

 

(2)作業実施箇所からの放射性セシウムの移動 

広野試験地において、落葉等除去や間伐等の作業を行った箇所からの土砂の移動量や、移動した土砂の放射性セシウム濃度を測定し、作業実施後の土砂や放射性セシウムの移動状況を調べました。

 

(3)吸着材による効果

広野試験地において、吸着材を用いた表土流出防止工や濁水防止工を施工し、一定期間経過後に吸着材を回収して放射性セシウム濃度を測定し、放射性物質の吸着・除去や拡散抑制の効果を検証しました。

 

(4)機械の活用による作業者の被ばく低減や作業の効率化

川内試験地において、屋外と高性能林業機械内の空間線量率を測定し、異なる作業システムの下での作業者の被ばく線量を推計しました。また、落葉等除去について、作業の一部にバキューム装置を用いた場合と全て手作業で行った場合で、作業時間や作業後の状態を比較し、作業効率等を検証しました。

 

(5)丸太の現地保管

飯舘試験地において、伐採した丸太を土場に仮置し、盛土で被覆した場合と被覆しない場合で、丸太からの距離を変えながら空間線量率を測定し、丸太の仮置による影響を調べました。

 

3.結果と考察

(1)落葉等除去や伐採等による空間線量率の低減効果

・落葉等除去を行った場合の空間線量率の低減効果は20%程度となり、さらに伐採を行うことによって10%程度の追加的な線量低減効果が得られました。

・林縁から 20mより奥での落葉等の除去による林縁部での追加的な線量低減効果は、ほとんど認められませんでした。

・これらのことから、生活空間における被ばく線量低減の観点からは、生活空間に近い箇所での除去割合を高めることが効果的と考えられます。なお、森林の状態や今後の森林内の放射性セシウムの分布変化によって、線量低減効果は変わりうることに留意が必要です。また、20m以上に実施範囲を拡大することについては、空間線量率だけでなく、斜面上部からの拡散リスクの低減等の効果も勘案して検討する必要があります。

・林床や作業道を木材チップで被覆することにより、概ね10%程度の線量低減効果が得られました。 

 

(2)作業実施箇所からの放射性セシウムの移動

・落葉等除去を実施した箇所では、何も実施しなかった箇所に比べて土砂や放射性セシウムの移動が多くなりました。このため、生活空間に影響を及ぼさないよう必要に応じて表土流出防止効果の高い措置を実施することが望ましいと考えられます。 

・間伐を実施した箇所では、作業に伴う土砂や放射性セシウムの移動の影響は軽微なものでした。なお、下層植生の回復状況と放射性セシウムの移動の関係について、継続的にモニタリングを行う必要があると考えられます。

 

(3)吸着材による効果

・森林内に設置した表土流出防止工に用いたゼオライト等の吸着材の放射性セシウム濃度は、落葉層の放射性セシウム濃度に比べて低く、森林内の放射性物質を吸着・除去する観点からは、十分な効果は期待できないと考えられました。なお、森林内を土砂とともに移動する放射性セシウムの拡散抑制効果については、さらに検証が必要と考えられます。 

・渓流に設置した濁水防止工に用いた吸着材による放射性セシウム吸着量は小さく、下流域への拡散を抑制する観点からは、十分な効果は期待できないと考えられました。また、放射性セシウムの森林からの流出割合は小さいものでしたが、その多くは土砂とともに流出することから、放射性セシウムの拡散抑制の観点からは、間伐を実施して下層植生を繁茂させることなどにより、森林からの土砂の流出を抑制することが重要と考えられます。

 

(4)機械の活用による作業者の被ばく低減や作業の効率化

・キャビン付林業機械内の空間線量率は、屋外と比べて3割程度低減しました。また、高性能林業機械を効果的に活用する作業システムとすることにより、作業者一人当たりの被ばく線量を1/5程度に低減させることができるものと推計されました。

・落葉等除去作業の一部にバキューム装置を用いた場合、全て手作業で行った場合と比べ、作業効率にはほとんど違いがありませんでしたが、作業後の地表面の放射性物質含有量が1/2程度に低減しており、より高い線量低減効果が期待できるものと考えられました。

 

(5)丸太の現地保管

・丸太の設置や、その後の被覆の有無による空間線量率の変化はみられず、被覆を行わなくても、丸太を仮置することによる空間放射線量への影響はほとんどないと考えられました。

 

 4.今後の予定

農林水産省では、これまでの事業の成果を踏まえ、引き続き、

・間伐等の作業後の下層植生の回復状況と放射性セシウム移動量の関係を明らかにするための継続的なモニタリング  

・表土流出防止工の施工箇所より下方への拡散抑制効果の検証

等を行うなど、森林からの放射性物質の拡散防止技術の検証・開発を進めてまいります。

  

<添付資料>(添付ファイルは別ウィンドウで開きます。)

お問い合わせ先

(川内・広野試験地関係)
林野庁森林整備部研究指導課
担当者:柴田、谷、南
代表:03-3502-8111(内線6224)
ダイヤルイン:03-6744-9530
FAX:03-3502-2104

(飯舘試験地関係)
林野庁国有林野部業務課
担当者:上條、宮島
代表:03-3502-8111(内線6301)
ダイヤルイン:03-3503-2038
FAX:03-3502-8053

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